原油価格の急落・・・「良い」はずが「悪い」

優利加さん
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先週金曜日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA -38.29 @29,888.78, NASDAQ +152.25 @10,789.35, S&P500 +8.07 @3,674.84)。ドル円為替レートは135円台前半まで円安・ドル高が進行した。本日の日本株全般は下げた。東証プライムでは、上昇銘柄数が363に対して、下落銘柄数は1,432となった。騰落レシオは89.85%。東証プライムの売買代金は2兆7163億円。

TOPIX -17 @1,819
日経平均 -192円 @25,771円

米国株式相場は高安まちまちだったが、本日の日本株全般は続落した。欧米の各中央銀行が金融引き締めにますます本気で高まるインフレを抑え込もうとしており、それが世界景気を必要以上に減速させるのではないかという懸念が急速に増大していることが背景にある。世界景気の減速を先取りするかのように原油先物相場(WTI)は1週間ほど前には1バレル=120円前後だったものが1バレル=110円を割り込むまで下げてきた。通常なら、原油安はインフレを緩和するので株式相場は歓迎するはずなのだが、今は、世界景気減速による悪影響の方がより強く株価に影響している。原油価格の急落を受けて、INPEX 出光興産、三井物産、三菱商事など資源関連株も大きく下げた。東京エレクトロンや信越化学工業などのハイテク成長株も下げて、日経平均の下げ幅は一時400円を超えた。

日経平均の日足チャートを見ると、前週に1800円以上下げたためその自律反発狙いの買いと円安を材料に自動車関連株の買いが優勢となり高く始まったが長くは続かなかった。5月12日安値をザラバで更新し、下ひげを引いた長陰線で終え、前日の十字線に本日の長陰線が包む「包み線」となった。もし明日、本日の高値で終えることが出来れば「包みの上抜け」となり、その後しばらくは自律反発狙いの買いが優勢になると期待できるが、今の段階ではどう転ぶかは予想できない。ただ、日経平均の予想PERが12倍台まで低下していることから、そろそろ岩盤に到達していると思われる。日経平均ベースの株主資本コストを8%と仮定すると、今後日本経済が何百年先までまったく成長しないと予想した場合の予想PERが12.5倍となるからである。これを割り込むというのはいくらなんでも悲観的過ぎるだろう。

33業種中27業種が下げた。下落率トップ5は、鉱業(1位)、石油・石炭(2位)、卸売り(3位)、鉄鋼(4位)、機械(5位)となった。

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