ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、トルコ・イスタンブールで29日に対面形式の停戦交渉が開かれ、進展の兆しがみられた。ただ、ロシア軍の攻撃はやまず、南部の港湾都市ミコライウでは地方政府庁舎がロシア軍に爆撃され、少なくとも12人が死亡したと当局が発表した。
ロシア政府は、ウクライナとの「相互信頼を高めるために」ウクライナの首都キーウ(キエフ)および北部チェルニヒウ周辺での軍事活動を「大幅に縮小する」ことにしたとしている。
この決定は、和平交渉における初めての具体的進展となったが、依然として多くの問題が未解決のままとなっている。
軍事活動の縮小がどれほど広い範囲に及ぶかは分かっていない。また、アメリカも懐疑的な見方を示しており、すでにロシアが軍事作戦をウクライナ東部に再び集中させていると指摘している。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、交渉から発せられているポジティブな兆しが「爆発やロシアの砲弾をかき消すことはない」と述べた。
この日の交渉には、ロシアの富豪ロマン・アブラモヴィッチ氏も出席した。アブラモヴィッチ氏をめぐっては対面交渉の数時間前、3月初めにウクライナとベラルーシの国境で行われた和平交渉の場で毒物攻撃を受けた疑いのある症状が出たと報じられていた。