木下 晃伸さんのブログ

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【投資脳*海外株】中国人72%、「経済は衰退していない」

■みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
経済アナリスト、木下晃伸(きのした・てるのぶ)です。

■18日の中国株式市場で上海総合指数は5営業日ぶりに反落。

当局の大規模な刺激策へ株価は上昇という反応を示してきました。
ただ、ここにきて上昇が短命に終わるのか、持続するのか、
意見が分かれるようになっています。


■また、18日の香港株式市場でハンセン指数は大幅に続落。
終値は前日比613.64ポイント(4.53%)安の1万2915.89となり、
10月29日以来約3週間ぶりに節目の1万3000を下回りました。

ハンセン指数を構成する42銘柄がすべて下落するなど、
アジア各国の株式市場は苦しい展開となりました。


■こういったタイミングでは、じっくりと情報を読み込み、
知識を蓄えることが重要です。
人によって期待する期間は異なる可能性はありますが、
後々いずれ苦しい時に蓄えた知識は、知恵となって返ってきます。

その中で、本日は中国を中心に、
“景気”と“信用”という2つのキーワードについてお伝えしたいと思います。

それでは、どうぞよろしくお願いいたします。


※本資料の利用については、必ずプロフィール画面の
重要事項(ディスクレーマー)をお読みいただいた上、ご利用ください。

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●【中国】中国人72%、「経済は衰退していない」=ニールセン[経済]
●【中国】マックが中国事業加速、来年は175店開設へ[商業]
●【アイスランド】政府、海外顧客の預金保証で欧州各国と合意[経済]

※ニュース提供/NNA(http://www.nna.jp/
著者により一部文章が削除、変更されるケースがございます。

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●【中国】中国人72%、「経済は衰退していない」=ニールセン[経済]

調査大手の米ニールセンはこのほど、
世界各国での消費者心理に関する調査結果を発表。
中国では「自国の経済はまだ衰退していない」と楽観視する消費者が72%に及んだ。
世界各国の平均の37%と比べると、約2倍も割合が高かった。

中国と同様に、新興国のインドやブラジル、ロシアでも
楽観視する消費者の割合が高かった。
一方、米国や欧州、韓国や日本などの先進国では悲観視する割合が高く、
新興国とは対照的な結果となった。

また、中国では調査を受けた人の3分の1が最も経済状況に関心を持っているとした。
また29%が「仕事と生活のバランス」「健康」、28%が「食品価格の上昇」、
27%が「仕事の今後」と答えた。<全国>

【木下コメント】
新興国においては、実際の消費需要に対する意欲が減退しているわけではなく、
楽観的、という言葉もどことなく感覚的に理解できる。

しかし、現実的には、新興国の需要も
これからさらに悪化していくことは十分予想がつく。
例えば、香港の地場商社最大手の利豊(リー&フン)は、
金融危機による景気悪化の影響が業績に及ぶ前に先手を打って
大規模なリストラに踏み切る。

中長期でグループの約8%にあたる1,000人を削減、来年の昇給を凍結し、
各部門の支出を2割減らす。
実際に、同社の業績はまだ目に見えて悪化していない。
今年6月中間決算では、純利益12億3,800万HKドル(約155億円)と
前年同期比17.8%増えている。

いまのところ好調でも環境悪化に先手を打つ会社があるのであれば、
不況にさらされている企業はこれからもさらにリストラの手を緩めることはない。

しかし、これは将来から見れば、経営体質を筋肉質に変え、
株高を引き起こす要素となる。
近々訪れるリストラの嵐を乗り越えていける企業にこそ、
今から着目し、投資の準備を開始すべきだと考える。


●【中国】マックが中国事業加速、来年は175店開設へ[商業]

米ファストフード大手のマクドナルドはこのほど、
中国での事業展開をさらに加速させていく方針を明らかにした。
来年の新規開店数を175店まで引き上げ、
1万人を超える雇用機会を創出するとしたうえで、
今後数年は同様のペースで事業拡大を続けていくことも明言。
世界経済の減速が表面化するなか、
安価なファストフードへの需要は逆に拡大するとみて、
消費量拡大が続く中国で一気に勝負をしかける形だ。

同社は先に広東省東莞市で、中国本土1,000店目となる店舗をオープンしたばかり。
中国進出からは1年当たり55店を超えるペースで店舗を増やしている計算で、
出店ペースとしてはすでに米国に次ぐ速さとなっている。
同社は06年には1年当たりの出店数を
100店まで引き上げる計画を明らかにしていたが、これをさらに引き上げ、
今後数年間は年160~175店の出店ペースを維持するとしている。<全国>

【木下コメント】
上海、北京ではケンタッキーフライドチキンが多い。
すでに2000店舗を展開しているケンタッキーに対し、
これからマクドナルドが積極攻勢を仕掛けていくことは、
中国という巨大なマーケットを考えればごく自然なことだろう。

マクドナルド(中国)のジェフリー・シュワルツ最高経営責任者(CEO)は、
世界経済が減速するなかでの中国における大幅な事業拡大について
「米国での経験を基に考えると、景気が低迷した時期こそ
安価なファストフードでの消費は伸びる」などと分析。
「低価格を維持してゆければ、発展の余地は逆に大きい」と述べたうえで
「販売価格は可能な限り安い方がよい」とし「今後も6~7元(約85~100円)程度の
廉価なセットメニューの販売などは継続して行っていく」とした。

ただ、心配なのは、食の安全。
シュワルツCEOは、「中国で販売している製品の原材料のうち、
すでに95%以上は現地での調達」などとしたうえで、
今後も店舗数の増加にあわせて中国での農産品調達を増やしていくとしている。
中国本土においても中国の食に対する安全が問われている現状を考えると、
思わぬリスクを負うことは注意が必要かもしれない。


●【アイスランド】政府、海外顧客の預金保証で欧州各国と合意[経済]

政府は16日、国内銀行の海外顧客の預金を保証する方策で、
英国やオランダなど欧州各国と基本合意したと明らかにした。
これで国際通貨基金(IMF)による救済策が成立する可能性が高まった。

政府は欧州経済地域(EEA)の取り決めに準拠するとしており、
1つの口座につき約2万ユーロまで保証される見込み。

IMFは約60億ドルに及ぶアイスランドの救済策の正式承認を数度にわたって延期。
預金保護をめぐる英国などとの対立が背景にあるとみられていた。
ハーデ首相は今回、19日にIMFが本件について協議した後、
融資を受けられる見通しだとしている。

なおスウェーデンやデンマーク、ノルウェーも
救済に前向きな姿勢を見せていたものの、IMFの支援決定を前提としていた。

【木下コメント】
アイスランドへのIMFからの融資に関しては、融資が断られたなど、
さまざまな憶測と共に報道がなされていた。

しかし、金融サミットでも明らかとなったように、新興国に対する出資は、
タイミングは別としてこれから十分起こりうる。

また、すでに拠出方針を明らかにしている日本に加え、
今後政治的な駆け引きなどもありながら、
中国やインドも拠出の方向に動き出すのではないだろうか。

ただし、増資と共に、資本が注入されるタイミングは、
株価にとってマイナスとなる。
しばらくこうした動きが続くとなると、やはり、現金比率を高めながら、
リスク性資産への投資に臨まざるを得ないだろう。


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 編集後記
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本日は双日総合研究所の吉崎達彦さんのお話を伺う機会を得ました。

オバマ政権後の米国、また、それ以外にも様々な見識ある魅力的な話でした。

知識ある方々と、一人でもお会いし、ディスカッションを踏んでいくことが
いまのタイミングには一番重要だと考えています。


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心配の種、金融株をどう考えるか(08.11.19付)
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