6ヵ月の日柄をかけて3段下げ2点底形成中か?

優利加さん
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昨日の米国株式相場は大幅反発した(DJIA +422.67 @34,988.84, NASDAQ +348.84 @14,139.76, S&P500 +69.40 @4,471.07)。ドル円為替レートは115円台後半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,792に対して、下落銘柄数は320となった。騰落レシオは104.44%。東証1部の売買代金は2兆8246億円。

TOPIX +32 @1,947
日経平均 +595円 @27,460円

事実関係はまだ確認されていないが、ロシアはウクライナ国境近くで演習を終えて軍隊の一部を撤収させたと発表した。この報道を受けて原油価格が下げたため資源関連株は売られ、反対に、ロシアやウクライナに主要原料を依存している半導体製造およびその関連銘柄が買い戻された。これらを背景に、日経平均は一時600円超の上げ幅となった。

ただ、もともと地政学リスクは賞味期限が短いため、例えこれでほんとにウクライナ危機が終わったとしても、株価を持続的に上げる力はない。第2次世界大戦という未曾有の大戦争の時でさえ、米株価は平均で5.5%下げたが、開戦から24日後には底入れし、52日後には元の水準に戻ったという。

ウクライナ危機よりも株価に長期的なより大きな悪影響を与えそうなものはFRBの金融引き締め政策である。2月10日に発表された1月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比7.5%上昇して約40年ぶりの高い水準を記録した。15日に発表された米卸売物価指数(PPI)も前月比1%と市場予想の2倍となった。米国の物価上昇はまだまだ続きそうである。このような状況では、FRBは3月には2018年12月以来の利上げに踏み切り、6月にはコロナ禍で膨張させてきた資産の圧縮(QT)を開始するとういうのが現在のメイン・シナリオである。年内に5~7回利上げをし、政策金利は2.0%まで上がるとの見通しである。この予想通りの展開となれば、株価はかなり調整するはずである。株価の下落を見ながらFRBが上手に利上げペースを調整してくれれば良いが、インフレ退治の「鬼平」となって手綱捌きを間違えると「オーバーキル」となって株価も経済も失速させて不況と失業者増大という、本来望まない方向へ米国経済を引っ張て行きかねない。その悪影響は米国内に留まらず、世界を巻き込む。

日経平均の日足チャートを見ると、長陽線で反発して下向きの25日移動平均線にほぼ接するところまで戻った。もし、このまま下向きの25日移動平均線を振り切って上に放れると2点底を形成することになる。さらに、過去6ヵ月ほどを振り返ると3段下げで下げてきていることが分かる。約6カ月の日柄をかけて3段下げを演じ、2点底を形成すれば、底打ちするのが「定石」であるが、当然、毎回毎回「定石」通りの展開にはならないので注意が必要である。後は建玉操作次第である。

33業種中、石油・石炭と鉱業を除く31業種が上げた。上昇率トップ5は、ゴム製品(1位)、海運(2位)、空運(3位)、機械(4位)、保険(5位)となった。

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