中国が12月1日から鉄鋼製品にかかる輸出税を撤廃することに対し、国内鉄鋼業者に影響が出るとの専門家は分析している。SJセキュリティーズのアナリスト、クリス・リュー氏は、「中国からの輸入品がより安価となり投売りも予想されることから、国内市場への鉄鋼製品供給が増加する」と予測。国内業者が現在40ー60%という低い稼働率で操業している中で、新規開発プロジェクトの発表も見送られており、「(国内鉄鋼業者の)見通しはきわめて厳しい」とコメントした。その他のアナリストも「中国の動きは直接または間接的に国内鉄鋼価格に影響し、結果的に国内業者の利益率の低下につながるだろう」との見解を示した。
一方、大手鉄鋼業者アンジョー・リソーシズのリム・ホンタイ社長は、同社の主製品である棒鉄製品には輸入税が引き続き15ー25%かかることや中国の輸出税撤廃計画が漠然としていることを挙げ、直接的な影響は少ないだろう、と述べた。また、大手ペルワジャ・ホールディングスのヘンリー・ペン社長も、市場の状況に応じて生産しており、来年には市場の信頼も回復し需要も回復するだろうとコメントした。
マレーシア建築請負業者協会(MBAM)のン・キーリン会長は、中国産棒鉄にかかる輸出税の撤廃も期待していると語り、会員業者の多くは12月以降に中国からの輸入を増やす見通しだとコメントした。現在国内で消費される棒鉄は1カ月あたり20万トン。ン会長は、棒鉄が輸出税免除となった際には国内業者は1カ月あたり1億リンギほどのコスト削減ができるため、2階建てリンクハウスで約2,000ー3,000リンギの価格も値下げも可能になる、と述べた。