TOPIX ±0 @1,896
日経平均 +77円 @27,078円
米国ではハイテク株の買戻しが優勢となり、ナスダックもフィラデルフィア半導体指数(SOX)も急伸した。米国株式相場の大幅続伸を受けて、本日の日本株全般は買い先行で続伸して始まり、日経平均は一時400円超上げたが、次第に戻り売り圧力に押し戻されて上げ幅を縮小した。
米国のインフレ懸念が鎮まらないため、米金融政策は引き締め方向へ確実に動きそうな状況が続いている。さらにロシアのウクライナ侵攻の可能性も高いままである。このような背景では、投資家が株式を買い上がることに躊躇する気持ちが支配的となるのはやむを得ないだろう。もう一つの懸念材料はコロナ禍が続いており、今期および来期の業績見通しがさらに良くなるのかどうかということだろう。さらに、新興国からの資金流出はまだそれほど心配されていないようだが、FRBが量的金融引き締め(QT)を本格的に始動させれば、量的金融緩和(QE)によりこれまで米国から世界へ溢れ出していた資金が米国に還流し始めることはほぼ確実である。その時には資金が流出する新興国は勿論、世界の株式相場もかなりの痛手を被ることになる。このように、常にマイナスのシナリオも想定しながら、建玉法およびチャート・リーディングの技により足元と少し先の株価の波に乗り続けることが生涯現役の株式トレードである。
日経平均の日足チャートを見ると、3日続伸となったが内容は諸手を上げるほど芳しいものではなかった。ザラバでは1月27日の長大陰線の上限を上抜けたが、下向きの10日移動平均線に弾き返されるように長い上ひげを引いた短陰線で終えた。もっとも、短期間で深く急落した相場はほとんどの場合、V字反発することはない。最初の反発は3~6日ほどで終り、そこから3~6日ほど調整して再び上値を試しに行く。10日移動平均線の傾きは重力場のような働きをしており、これが下向きである限り継続した上昇はあり得ない。
33業種中20業種が下げた。下落率トップ5は、繊維製品(1位)、鉱業(2位)、ガラス・土石(3位)、パルプ・紙(4位)、非鉄金属(5位)となった。