TOPIX -42 @1,997
日経平均 -844円 @28,488円
昨年12月に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録要旨が公表されたが、この内容から米連邦理事会(FRB)による利上げや資産買い入れの縮小が早まるとの見方が強まった。数カ月から半年先の利上げを先取りして織り込むように米長期金利は上昇し、割引率である資本コストが上昇することにより理論株価が大きく下がるハイテク成長株を中心に売られた。特に期待先行で大きく上昇してきた高PER銘柄が急落した。この流れを受けて、東京市場でも値がさ半導体株をはじめとする高PERの成長株を中心に大きく売られた。また、日本国内でも新型コロナウィルスの新規感染者が再び増加しており、1月7日にも緊急事態宣言に準じる「まん延防止等重点措置」が沖縄県などに適用される見通しとなった。これによりまた行動制限が強化されるため、空運、鉄道、小売りなどの内需株が売られた。他方、米長期金利の上昇で明らかに恩恵を受ける保険株は買われた。
日経平均の日足チャートを見ると、10日、25日、60日、260日の各移動平均線を一気に下抜ける長大陰線となった。米国が早晩利上げするというのは前々から分かっていたことなに、何を今さら慌てて売りで反応するかというのが正直な個人的感想だが、我々トレーダーにとって最も重要なことは株価の動きに如何に適切に反応するかである。演繹的に考え、帰納的に検証し、自らの体験・経験で得た「暗黙知」と「技能」も加味しながらそれらすべてを統合した「技術」=「生涯現役の株式トレード技術」を磨き上げるだけである。本日これだけ急落したので、明日は自律反発狙いの買いが優勢になるのではと考えているが、さらに悪材料が出てくればもう一押しの下げも想定される。
33業種中、保険と鉄鋼を除く31業種が下げた。下落率トップ5は、精密機器(1位)、サービス(2位)、電気機器(3位)、空運(4位)、金属製品(5位)となった。