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KADOKAWAのニュース
■グループ全体戦略
1. グループ組織の再編について
KADOKAWA<9468>は2019年3月期にドワンゴの業績が大きく悪化したことを受け、ドワンゴの経営体制を立て直すことが喫緊の課題であると認識し、グループ組織の再編を4月1日で実施し、さらに7月1日付で再編を行うことを発表した。従来の組織体制は、同社の子会社としてKADOKAWA、ドワンゴ、(株)Gzブレイン、(株)大百科ニュース社の4社を配置していたが、4月1日付の組織再編により同社の子会社にKADOKAWAを配置し、その下に従来のKADOKAWAの子会社に加えて、ドワンゴ、Gzブレイン、大百科ニュース社を配置し、KADOKAWA主導のもと、ドワンゴの技術力と膨大なユーザー基盤のグループ全体での活用を加速するとともに経営資源の最適配分を進め、グループとしての強固な経営基盤を確立し、持続的な成長と中長期的な企業価値向上の実現を目指して行く体制を整えた。
そして、5月に発表した組織再編では、7月1日付で現在の純粋持株会社体制から事業持株会社体制に移行し、同社の強みであるIP事業力の強化と、ガバナンス体制強化並びに経営の効率化を推進していく方針を明らかにした。具体的には、KADOKAWAの事業を同社が承継し、カドカワからKADOKAWAへ商号変更した。また、カドカワの子会社であったKADOKAWAはKADOKAWA Future Publishingに商号変更し、出版物の製造・物流子会社を束ねる中間持株会社となった。
2. 具体的施策
(1) ドワンゴ事業の収益化
ドワンゴ事業については、事業の選択と集中を進め前述した施策を推進することで、収益力のある動画配信ポータル事業へと再構築を図る。
(2) グループの全部門・全事業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の実践
KADOKAWAの組織体制を再構築し、組織全体の中軸にDX戦略本部を置き、DXの全体最適を図っていく。また、DXの遂行を加速させるべく、2019年4月にKADOKAWA及びドワンゴに在籍していたICT部門のエンジニア合計120名を集めて、新会社、(株)KADOKAWA Connectedを設立した。ITエンジニアが働きやすい業務・人事環境を新会社で提供することで、グループ全体のICT(情報通信技術)業務を変革、推進するだけでなく、業界最高水準のICTサービスを社内外に提供していく考えだ。同子会社のITエンジニアとしては、早期に200名体制まで拡大していく計画となっている。
同社は今後、DXを基軸に3つの基盤(ユーザー基盤、組織コミュニケーション、製造・物流機能)を改革し、ユーザー視点で事業を変革する組織とすることで、コスト競争力の強化と生産性向上を図っていく。特に、出版事業を主力とするKADOKAWAにおいては労働集約的な業務フローが多く、これらをDXによって抜本的に変革していくことによる生産性向上の余地は大きいと見られる。
(3) 基礎IP創出力の強化
同社の強みであるIP創出力を更に強化するため、IPクリエイション(IPC)事業本部を設立し、組織の最適化と更なる人材育成に取り組んでいく。特に最近はインターネットの投稿小説からヒットする作品も増えており、こうした作家を発掘・育成することも編集者の重要な役割となってきており、こうしたスキルを持つ人材を多く育成していくことでIP創出力の強化が進むと考えられる。
(4) メディアミックス展開力の強化
映画やアニメ、ゲーム、ライツ、MD、海外事業等を担うIPEx事業本部を設立し、メディアミックス運営組織の最適化を図っていく。メディアミックス戦略では、原作のゲーム化や映像化、グッズ化、海外展開等を効率的かつ高付加価値的に行うことが求められており、新組織においてこれら取り組みを推進していく。
(5) 生産・物流プラットフォームの革新
プロダクトマーケティング本部を設立し、デジタル印刷・物流システムの整備やオンラインによる書店取引展開、出版業務フローの完全デジタル化等により、適時適量生産の実現と返品率の低減を実現することで収益の最大化を図っていく。
(6) その他
その他、グループ全体の管理体制を強化するため、グループ人事・総務本部、グループ経営企画本部を新たに組織化し、グループ会社の更なる成長やインバウンド事業等の新規事業の収益化に取り組んでいく。
3. 経営目標
これらの取り組みを推進していくことで、多様かつ収益性の高い事業ポートフォリオを構築し、経営体質強化に努めていく。また、企業価値向上のため、M&Aも視野とする事業拡大、コーポレートガバナンスの強化、株主還元の強化等にも取り組んでいく方針を示している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<ST>
1. グループ組織の再編について
KADOKAWA<9468>は2019年3月期にドワンゴの業績が大きく悪化したことを受け、ドワンゴの経営体制を立て直すことが喫緊の課題であると認識し、グループ組織の再編を4月1日で実施し、さらに7月1日付で再編を行うことを発表した。従来の組織体制は、同社の子会社としてKADOKAWA、ドワンゴ、(株)Gzブレイン、(株)大百科ニュース社の4社を配置していたが、4月1日付の組織再編により同社の子会社にKADOKAWAを配置し、その下に従来のKADOKAWAの子会社に加えて、ドワンゴ、Gzブレイン、大百科ニュース社を配置し、KADOKAWA主導のもと、ドワンゴの技術力と膨大なユーザー基盤のグループ全体での活用を加速するとともに経営資源の最適配分を進め、グループとしての強固な経営基盤を確立し、持続的な成長と中長期的な企業価値向上の実現を目指して行く体制を整えた。
そして、5月に発表した組織再編では、7月1日付で現在の純粋持株会社体制から事業持株会社体制に移行し、同社の強みであるIP事業力の強化と、ガバナンス体制強化並びに経営の効率化を推進していく方針を明らかにした。具体的には、KADOKAWAの事業を同社が承継し、カドカワからKADOKAWAへ商号変更した。また、カドカワの子会社であったKADOKAWAはKADOKAWA Future Publishingに商号変更し、出版物の製造・物流子会社を束ねる中間持株会社となった。
2. 具体的施策
(1) ドワンゴ事業の収益化
ドワンゴ事業については、事業の選択と集中を進め前述した施策を推進することで、収益力のある動画配信ポータル事業へと再構築を図る。
(2) グループの全部門・全事業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の実践
KADOKAWAの組織体制を再構築し、組織全体の中軸にDX戦略本部を置き、DXの全体最適を図っていく。また、DXの遂行を加速させるべく、2019年4月にKADOKAWA及びドワンゴに在籍していたICT部門のエンジニア合計120名を集めて、新会社、(株)KADOKAWA Connectedを設立した。ITエンジニアが働きやすい業務・人事環境を新会社で提供することで、グループ全体のICT(情報通信技術)業務を変革、推進するだけでなく、業界最高水準のICTサービスを社内外に提供していく考えだ。同子会社のITエンジニアとしては、早期に200名体制まで拡大していく計画となっている。
同社は今後、DXを基軸に3つの基盤(ユーザー基盤、組織コミュニケーション、製造・物流機能)を改革し、ユーザー視点で事業を変革する組織とすることで、コスト競争力の強化と生産性向上を図っていく。特に、出版事業を主力とするKADOKAWAにおいては労働集約的な業務フローが多く、これらをDXによって抜本的に変革していくことによる生産性向上の余地は大きいと見られる。
(3) 基礎IP創出力の強化
同社の強みであるIP創出力を更に強化するため、IPクリエイション(IPC)事業本部を設立し、組織の最適化と更なる人材育成に取り組んでいく。特に最近はインターネットの投稿小説からヒットする作品も増えており、こうした作家を発掘・育成することも編集者の重要な役割となってきており、こうしたスキルを持つ人材を多く育成していくことでIP創出力の強化が進むと考えられる。
(4) メディアミックス展開力の強化
映画やアニメ、ゲーム、ライツ、MD、海外事業等を担うIPEx事業本部を設立し、メディアミックス運営組織の最適化を図っていく。メディアミックス戦略では、原作のゲーム化や映像化、グッズ化、海外展開等を効率的かつ高付加価値的に行うことが求められており、新組織においてこれら取り組みを推進していく。
(5) 生産・物流プラットフォームの革新
プロダクトマーケティング本部を設立し、デジタル印刷・物流システムの整備やオンラインによる書店取引展開、出版業務フローの完全デジタル化等により、適時適量生産の実現と返品率の低減を実現することで収益の最大化を図っていく。
(6) その他
その他、グループ全体の管理体制を強化するため、グループ人事・総務本部、グループ経営企画本部を新たに組織化し、グループ会社の更なる成長やインバウンド事業等の新規事業の収益化に取り組んでいく。
3. 経営目標
これらの取り組みを推進していくことで、多様かつ収益性の高い事業ポートフォリオを構築し、経営体質強化に努めていく。また、企業価値向上のため、M&Aも視野とする事業拡大、コーポレートガバナンスの強化、株主還元の強化等にも取り組んでいく方針を示している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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