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平山ホールディングスのニュース
■今後の見通し
1. 2023年6月期の業績見通し
平山ホールディングス<7781>の2023年6月期の連結業績は、売上高で前期比14.4%増の32,000百万円、営業利益で同30.0%増の900百万円、経常利益で同16.0%増の900百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同27.0%増の520百万円と2ケタ増収増益となる見通しだ。世界経済の先行きはウクライナ危機に端を発したエネルギー価格の上昇や個人消費の低迷等を背景に、景気後退局面に入りつつあるものの、国内生産活動については円安進展に伴う生産拠点の国内回帰といった動きが見られること、また、外国人の入国規制が2022年10月に解除されたことを受け、インバウンド消費の回復が期待できること、人材不足が慢性化している状況にあることなどから、同社を取り巻く市場環境は良好な状況が続いている。同社では足元の受注動向から、少なくとも2023年春頃までは2ケタペースの売上成長が続くと見ており、人材の採用・育成が順調に進めば通期の会社計画も達成可能な水準と言える。
(1) インソーシング・派遣事業
インソーシング・派遣事業の売上高は、前期比15.9%増の26,433百万円、セグメント利益は同21.1%増の1,660百万円と増収増益基調が続く見通し。2022年6月期に発生した取引先工場の稼働一時停止に伴う機会損失がなくなることもあり、利益率も前期の6.0%から6.3%に上昇する。売上高については既存顧客向けの受注拡大により10%増を見込み、残り5%超は2022年6月期に稼働を開始した新規顧客並びに2023年6月期に稼働開始見込みの新規顧客の売上が上乗せされることになる。業界別売上動向では、医療機器・医薬品、自動車部品、住宅設備で2ケタ増収を見込んでおり、デジタル関連や小売・ホテル、物流向けは堅調推移、食品や建設機器・特殊車輛については保守的に横ばい水準で見ている。小売・ホテルについては、インバウンド需要の拡大により人材需要の拡大が見込まれることから、派遣スタッフとなる外国人の受入れが順調に進めば2ケタ増収も十分に狙える可能性がある。同社では以下の3項目に取り組むことで計画の達成を目指すことにしている。
a) 既存取引先のニーズに対応しつつ、製造派遣を中心に新規取引先の開拓を推進
国内生産へ回帰する半導体・電子部品業界の需要に対応した人材の育成を行うべく、研修センターの充実を図っていく。半導体・電子部品業界の売上構成比は2022年6月期実績で2%とまだ小さいが、円安の進展並びに国策※もあって国内での生産拠点が増加する見通しとなっており、新工場立ち上げのタイミングで立ち上げ支援コンサルティングをフックにして受注を獲得していく戦略となっている。また、設備の保全・メンテナンスニーズが強いことから、フィールドエンジニアの採用も強化する方針だ。そのほか、小売業や物流など内需関連の業種の新規顧客開拓についても注力していく。
※2022年5月に成立した「経済安全保障推進法」に基づき、半導体や医薬品、レアアース、蓄電池などの重要物資について安定的に確保するためのサプライチェーンを構築するため、国内で一定規模の生産設備を構築していくべく、資金面での支援を行っていくこと決定した。具体例として、台湾のTSMCが主体となって熊本に新設する半導体工場(2024年稼働予定)が挙げられる。
b) 現場改善コンサルティングを積極展開し、製造請負現場の収益性を改善
製造業向けの請負現場において、トヨタ生産方式(TPS)を活用することで生産性向上を図り、収益力の強化を図る。また、2022年4月からサービス化した「工場立ち上げ支援」のサービスについても積極的に展開する予定で、初年度に10事業所の受注獲得、売上高で20億円を目標としている。
「工場立ち上げ支援」のサービス内容としては、経験を積んだ同社の技術者が工場の設計・建築の段階で専門業者からの提案を精査し、工場仕様、環境評価、面積生産性など詳細にわたり指南していくほか、TPSに基づいた生産性の高いレイアウト設計や構内物流整備など生産準備の支援も行っていく。さらに、リアルタイムで現場の状況を可視化できる生産管理システムの構築や、要員の確保並びに生産の早期立ち上げ支援、継続的な改善活動に至るまでトータルで提供するサービスとなっている。国内の製造業では、海外生産シフトによって新工場の立ち上げノウハウを持つ人材が枯渇している企業も多く、工場の立ち上げから生産の早期立ち上げ、改善活動までトータルソリューションとして提供できる同社のサービスの需要は一定程度期待できると弊社では見ており、同サービスをフックにして派遣・請負案件の受注まで獲得していく戦略となっている。
c) 採用強化と定着率の向上
旺盛な人材需要に応えるべく人員の採用を積極的に進めていく方針で、中途採用は前期の5,238名から6,570名に、2023年の新卒採用は520名から670名以上を計画している。
採用力を強化するための施策として、ブランド力の向上に取り組んでいくほか採用チャネルの拡大を図る。営業拠点を5ヶ所開設(関西・北陸・九州・東北)し、フィールドエンジニアリングの人材育成のための研修センターも併設する予定にしている。フィールドエンジニアについては、経験者だけでなく未経験者や新卒者の採用・育成にも注力していく。2021年夏にオープンしたフィールドエンジニア専用の人材募集サイトにて未経験者の募集を行っていたが、2022年4月より新卒者を対象に加え募集を開始しており、2023年6月期は同サイトを通じて50名程度の採用・育成を目指している。
定着率の向上施策としては、無期雇用をベースに安定した雇用環境を提供するとともに、キャリア形成支援制度の整備により、社員1人ひとりにマッチした仕事にキャリアチェンジできるような環境・機会を提供している。また、社内コミュニケーションの活性化により会社・社員同士のつながりを醸成しながら、「明るく楽しい職場づくり」に取り組んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1. 2023年6月期の業績見通し
平山ホールディングス<7781>の2023年6月期の連結業績は、売上高で前期比14.4%増の32,000百万円、営業利益で同30.0%増の900百万円、経常利益で同16.0%増の900百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同27.0%増の520百万円と2ケタ増収増益となる見通しだ。世界経済の先行きはウクライナ危機に端を発したエネルギー価格の上昇や個人消費の低迷等を背景に、景気後退局面に入りつつあるものの、国内生産活動については円安進展に伴う生産拠点の国内回帰といった動きが見られること、また、外国人の入国規制が2022年10月に解除されたことを受け、インバウンド消費の回復が期待できること、人材不足が慢性化している状況にあることなどから、同社を取り巻く市場環境は良好な状況が続いている。同社では足元の受注動向から、少なくとも2023年春頃までは2ケタペースの売上成長が続くと見ており、人材の採用・育成が順調に進めば通期の会社計画も達成可能な水準と言える。
(1) インソーシング・派遣事業
インソーシング・派遣事業の売上高は、前期比15.9%増の26,433百万円、セグメント利益は同21.1%増の1,660百万円と増収増益基調が続く見通し。2022年6月期に発生した取引先工場の稼働一時停止に伴う機会損失がなくなることもあり、利益率も前期の6.0%から6.3%に上昇する。売上高については既存顧客向けの受注拡大により10%増を見込み、残り5%超は2022年6月期に稼働を開始した新規顧客並びに2023年6月期に稼働開始見込みの新規顧客の売上が上乗せされることになる。業界別売上動向では、医療機器・医薬品、自動車部品、住宅設備で2ケタ増収を見込んでおり、デジタル関連や小売・ホテル、物流向けは堅調推移、食品や建設機器・特殊車輛については保守的に横ばい水準で見ている。小売・ホテルについては、インバウンド需要の拡大により人材需要の拡大が見込まれることから、派遣スタッフとなる外国人の受入れが順調に進めば2ケタ増収も十分に狙える可能性がある。同社では以下の3項目に取り組むことで計画の達成を目指すことにしている。
a) 既存取引先のニーズに対応しつつ、製造派遣を中心に新規取引先の開拓を推進
国内生産へ回帰する半導体・電子部品業界の需要に対応した人材の育成を行うべく、研修センターの充実を図っていく。半導体・電子部品業界の売上構成比は2022年6月期実績で2%とまだ小さいが、円安の進展並びに国策※もあって国内での生産拠点が増加する見通しとなっており、新工場立ち上げのタイミングで立ち上げ支援コンサルティングをフックにして受注を獲得していく戦略となっている。また、設備の保全・メンテナンスニーズが強いことから、フィールドエンジニアの採用も強化する方針だ。そのほか、小売業や物流など内需関連の業種の新規顧客開拓についても注力していく。
※2022年5月に成立した「経済安全保障推進法」に基づき、半導体や医薬品、レアアース、蓄電池などの重要物資について安定的に確保するためのサプライチェーンを構築するため、国内で一定規模の生産設備を構築していくべく、資金面での支援を行っていくこと決定した。具体例として、台湾のTSMCが主体となって熊本に新設する半導体工場(2024年稼働予定)が挙げられる。
b) 現場改善コンサルティングを積極展開し、製造請負現場の収益性を改善
製造業向けの請負現場において、トヨタ生産方式(TPS)を活用することで生産性向上を図り、収益力の強化を図る。また、2022年4月からサービス化した「工場立ち上げ支援」のサービスについても積極的に展開する予定で、初年度に10事業所の受注獲得、売上高で20億円を目標としている。
「工場立ち上げ支援」のサービス内容としては、経験を積んだ同社の技術者が工場の設計・建築の段階で専門業者からの提案を精査し、工場仕様、環境評価、面積生産性など詳細にわたり指南していくほか、TPSに基づいた生産性の高いレイアウト設計や構内物流整備など生産準備の支援も行っていく。さらに、リアルタイムで現場の状況を可視化できる生産管理システムの構築や、要員の確保並びに生産の早期立ち上げ支援、継続的な改善活動に至るまでトータルで提供するサービスとなっている。国内の製造業では、海外生産シフトによって新工場の立ち上げノウハウを持つ人材が枯渇している企業も多く、工場の立ち上げから生産の早期立ち上げ、改善活動までトータルソリューションとして提供できる同社のサービスの需要は一定程度期待できると弊社では見ており、同サービスをフックにして派遣・請負案件の受注まで獲得していく戦略となっている。
c) 採用強化と定着率の向上
旺盛な人材需要に応えるべく人員の採用を積極的に進めていく方針で、中途採用は前期の5,238名から6,570名に、2023年の新卒採用は520名から670名以上を計画している。
採用力を強化するための施策として、ブランド力の向上に取り組んでいくほか採用チャネルの拡大を図る。営業拠点を5ヶ所開設(関西・北陸・九州・東北)し、フィールドエンジニアリングの人材育成のための研修センターも併設する予定にしている。フィールドエンジニアについては、経験者だけでなく未経験者や新卒者の採用・育成にも注力していく。2021年夏にオープンしたフィールドエンジニア専用の人材募集サイトにて未経験者の募集を行っていたが、2022年4月より新卒者を対象に加え募集を開始しており、2023年6月期は同サイトを通じて50名程度の採用・育成を目指している。
定着率の向上施策としては、無期雇用をベースに安定した雇用環境を提供するとともに、キャリア形成支援制度の整備により、社員1人ひとりにマッチした仕事にキャリアチェンジできるような環境・機会を提供している。また、社内コミュニケーションの活性化により会社・社員同士のつながりを醸成しながら、「明るく楽しい職場づくり」に取り組んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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