東京衡機のニュース
「ドローン」「フィジカルAI」など新領域にも挑戦、「試験機×解析」で差別化の計測機器銘柄
国内の注目銘柄を紹介する連載「ログミーFinanceの#銘柄発掘」。ビジネスモデルやファンダメンタルズの分析を通じて、中長期で保有できる優良銘柄の見極め方が身につく実践的シリーズです。今回は、東京衡機を取り上げます。

試験機とデジタル解析を組み合わせたソリューションを提供
東京衡機(7719)は、材料や部品の強さを測る試験機を中心に、計測や解析を組み合わせたソリューションを提供する会社です。試験機は、製品開発や品質保証で使われ、導入後も保守や校正(測定器の精度を基準に合わせて調整すること)などのサービス需要が残りやすい点が特徴です。売上構成比は試験機が82.5パーセント、エンジニアリングが12.2パーセント、デジタルが4.7パーセントとなっています(2026年2月期中間期)。
実機試験と解析をグループ内で組み合わせやすい体制を整備
同社の強みは、実物を壊して確かめる試験と、コンピューター上で再現する解析をグループ内で組み合わせやすいことにあります。2025年3月に解析分野に強い先端力学シミュレーション研究所を子会社化し、試験機と解析を組み合わせたソリューション提供体制を整備しました。
デジタルツインで試験機販売に加えてサービス収益を積み上げる戦略
成長戦略の柱の1つに位置づけられているのがデジタルツインです。デジタルツインは、現実の試験で得たデータを基に、コンピューター上に現実に近い双子のようなモデルを作り、仮想空間でも試験や分析を回す技術です。実機試験とデジタルツインが常にペアで存在することで、試験片内部の応力やひずみのように実機だけでは見えにくい状態を推定したり、条件のばらつきを織り込んだ仮想試験が可能になります。既存の試験機の顧客基盤に、解析ソフトや受託解析を組み合わせることで、機械の販売に加えてサービス収益を積み上げやすくする狙いと整理できます。
2028年2月期に粗利率36%、営業利益率10%を目指す
中期経営計画では「製品販売からサービス収益型ビジネスモデルへの転換」や「デジタルツイン・AIを活用した新サービス展開」を掲げ、2028年2月期に売上高成長率13パーセント、粗利率36パーセント、営業利益率10パーセントを目指すとしています。今後、既存の試験機事業で培った知見とAIとの融合により、フィジカルAIなど注目の投資テーマに乗ることも考えられます。
なお、デジタル事業は売上計上が1月から3月に集中しやすい構造であり、四半期ごとの見え方がぶれやすい点には注意が必要です。2026年2月期第3四半期までの累計では、売上高や利益は前年同期から改善していますが、通期ではデジタル領域の立ち上がり方や、サービス収益化の進捗が重要になりそうです。
直近材料としては、2025年12月25日に、子会社の先端力学シミュレーション研究所(ASTOM R&D)と東京大学がドローン性能計測技術に関する共同研究開発を開始したと開示しました。ドローンシミュレーターなども開発し、性能試験からモデル化、認証支援までを見据えた測定ソリューションを目指す内容となっています。
2029年2月期の復配を目指す方針、サービス収益化の進捗が収益の質を左右
株主還元は、2026年2月期は無配予想で、中期経営計画では2029年2月期の復配を目指す方針が示されています。長期目線では、デジタルツインを軸にサービス収益を伸ばせるかが、将来の収益の質を左右することになりそうです。
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執筆者プロフィール
執筆:西田哲郎ライター・コンテンツディレクター。投資歴15年。『神の手』の某社で大きな損失を出したことをきっかけにイナゴを卒業、ビジネスモデルとファンダメンタルズ重視の手法に切り替える。業界紙やスタートアップを経てフリーで投資情報メディアやM&A情報サイトの立ち上げに関わり、現在は主に週刊誌で投資や経済関連の記事を執筆。
※記事内容、企業情報は2026年1月28日時点の情報です。
※当記事内容に関連して投資等に関する決定を行う場合は、ご自身の判断で行うものとし、当該判断について当社は一切の責任を負わないものとします。なお、文中に特定の銘柄の投資を推奨するように読み取れる内容がある可能性がございますが、当社および執筆者が投資を推奨するものではありません。
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