「全人類の能力を全面開花させ、世界を変える」という遠大なビジョンを掲げ、着実に成長を続けるハウテレビジョン。音成　洋介（おとなり　ようすけ）社長は、大学時代、ストリートダンスのサークル活動にのめり込んだ。農学部での研究テーマは光合成であったが、ダンスのシナリオ作り、振付、舞台装置の演出に打ち込んだあまり、研究者としての道を断念。理系から文系に転じて就職活動を始めた。2004年当時、就活情報はまるでなかった。苦労の末、外資系の銀行に内定をもらった。そのときの体験を綴ったブログが、大学の後輩たちから予想外の反響を呼び、就活ブログのランキングで1位となった。これが現在の主力事業である「外資就活ドットコム」の原点である。


「ユーザーサイドに立ったリクルーティングサービスは今までなかったと思います」

「外資就活ドットコム」の登録会員にはそうそうたる難関大学の卒業予定者の名が並ぶ。登録会員は、無料で会員登録することができ、サービスを受けることができる。一方で、企業情報の掲載を行ったり、登録会員にアプローチする権限を与えたりすることで、優秀な学生を採用したいと考える国内外の企業から収益を得る仕組みを採用している。

「外資系企業」にフォーカスしているのは、プロフェッショナル（専門職）として採用を行っているからだ。最近の難関大学の学生にはこうした志向が強いうえ、日本企業、外資系企業に対してフラットな見方が浸透していることが伺える、と音成社長は言う。就職先には、外資系コンサルティング企業や投資銀行が多い。

また、就職した若手ハイクラス社会人層（第2新卒市場）に対しては、「Liiga」というリクルーティングプラットフォームで、プロフェッショナルとしての更なるスキルアップやキャリア開発をサポートする。企業向けにダイレクトリクルーティングサービス及び自社エージェントサービスを、人材エージェント向けにスカウトサービスを展開している。大学生から社会人にいたるまで一貫したキャリアプラットフォームを構築していることが同社の強みとなっている。

「人生100年時代、キャリアを歩む1人1人の挑戦を支援し続け、育み続けることが、私たちがビジョンに込めた思いです」と音成社長は意気込みを見せていた。