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オプティム Research Memo(1):2019年3月期は、創業来19年連続の過去最高売上高を達成

配信元:フィスコ
投稿:2019/06/25 15:31
■要約

オプティム<3694>は、現代表取締役社長の菅谷俊二(すがやしゅんじ)氏らが2000年に佐賀県で起業したAI・IoT技術を得意とするベンチャー企業である。“ネットを空気に変える”がミッションであり、OPTiM Cloud IoT OSのデファクトスタンダード化を通じて、第4次産業革命の中心的役割を果たす企業を目指している。従業員数は229名(2019年4月)。その約8割がエンジニアである。当初から世の中にないサービスを作り出すことを念頭に技術開発を行っており、関連の特許を数多く所有。大手企業のパートナーは数多く、同社の技術力やポテンシャルは内外からも高く評価されている。2014年に東証マザーズ上場、2015年には東証1部に昇格した。

マルチデバイス対応の管理プラットフォーム「Optimal Biz」は、端末管理市場でのトップシェアを誇る。デバイス管理プラットフォームを進化させ、AI・IoTの新プラットフォーム「OPTiM Cloud IoT OS」が完成した。2015年からはITを使って業界に変革を起こす「〇〇×IT(〇〇に業種が入る)」の取り組みが本格化した。最も成果が顕在化しているのは建設業界。2017年にはコマツ<6301>を含む4社で建設生産プロセスの新プラットフォーム「LANDLOG」がスタートし、パートナー企業及び顧客が増え続けている。農林水産業では、2016年に農業分野でドローンを活用した害虫駆除の実証実験に成功。2018年には同社が主導する“スマート農業アライアンス”が全国規模で行われ、米や大豆を始めとする作物が本格的に収穫された。

1. 事業内容
同社の主力サービスである「Optimal Biz」は企業向けのスマートフォン・タブレット・パソコン・IT機器などのセキュリティ対策や一括設定の分野で必要不可欠なサービスとなっている。2018年度の国内MDM(Mobile Device Management)市場は80億円から100億円と推定される。同社の「Optimal Biz」は出荷金額で30%~40%のシェアでNo.1。これまで同社は、市場の成長率を超える成長率を達成しており、デファクトスタンダードを獲得している。国内MDM市場は2018年度以降も多少の減速は見込まれるものの、年率11%~13%程度の安定成長が見込まれている。

同社の技術の集大成である「OPTiM Cloud IoT OS」はベンダーフリーが特長である。同社のOSは、日々進化するAIなどのソフトウェア、様々なIoTデバイスなどのハードウェアを選ばない。その結果として、顧客にとっては最適なシステムが、リーズナブルに入手できることになる。同社は、「OPTiM Cloud IoT OS」の中核機能を実現する技術の基本特許を保有する。あらかじめ定めた条件に基づき、最適なAI(人工知能)やクラウドサービス(API)を自動選択する技術であり、同OSの決定的な差別化を可能にしている。(特許第6404529号)

「OPTiM Cloud IoT OS」発表から3年以上が経過し、様々な分野のパートナー企業との連携により、「OPTiM Cloud IoT OS」を活用したサービスが続々誕生している。総称して「〇〇×IT」と呼ぶこの取り組みは実証実験から始まり、特定の顧客企業向けの正式な事業やサービスとして一部開始されている段階だ。先行する業界は「建設×IT」、「農業×IT」、「医療×IT」であり既に事業として立ち上がっている。このほかに、「運輸×IT」、「金融×IT」、「小売×IT」、「警察×IT」、「電力×IT」があり実証実験などの取り組みが進行している。

2. 業績動向
2019年3月期通期は、売上高が前期比29.9%増の5,468百万円、営業利益が同76.0%減の96百万円、経常利益が同64.1%減の145百万円、当期純利益が同97.5%減の11百万円と大幅な増収とともに黒字での着地となった。期初から戦略的な開発投資を行うことを宣言しており、公約どおりの結果となった。売上高は、創業来19期連続となる過去最高売上を達成。売上の中心である「Optimal Biz」においては、スマートフォン・タブレットの法人利用の拡大や学校教育市場の拡大、働き方改革向けの機能拡張などにより想定していたよりも順調にライセンス数が伸びた。新規分野でOPTiM Cloud IoT OSを利用するためのカスタマイズ、環境構築等が発生し、同社のスポット的な売上につながった。各利益に関して、戦略的な研究開発投資を継続した。研究開発費の実績は2,146百万円(前期比約30%増、約450百万円増)を超えた。2019年3月期は「ビジネスモデル確立と主要パートナーとの提携」をテーマに先行投資をする年と位置付けていたため、公約どおりしっかりと費用を使い、ミニマムの利益計上となった。

3. 今後の見通し
2020年3月期通期の業績予想は、売上高で前期比20.0%増の6,563百万円と大幅増収を予想する。各利益に関しては、前年同様に予想に幅を設け、営業利益で1~1,313百万円、経常利益で1~1,313百万円、当期純利益で0~814百万円を予想する。売上高に関しては、創業来20期連続の過去最高売上高を目指す。売上高の前期比が20.0%増であり、直近の実績(前期29.9%増、前々期27.0%増)と比較して低い伸びの計画である。これは、新規ビジネスはサービスの立ち上がり段階のため、保守的に見積もったものであり最低限の水準と考えるのが妥当だろう。パッケージサービス「OPTiM AI Camera」なども既に発売済みであり、その成果が積み上がることが予想される。2020年3月期も同社の利益予想には幅がある。通期の経常利益がマイナスにならない範囲内で、思い切った開発投資を行ったケースが予想の下限(経常利益1百万円)。一方で上限(営業利益1,313百万円)は、同社の巡航速度における収益であり、売上高比で20%程度の利益を見積もる。各業界で「〇〇×IT」の基盤が構築されつつあり、OPTiM Cloud IoT OSはデファクトスタンダードを獲得するための仕上げの1年となる。弊社では、2020年3月期もしっかり研究開発及び拡販体制確立への投資を行うため、利益水準は下限に近いものと予想する。

4. 成長戦略・トピックス
建設×ITは最も進捗が著しい。2017年10月に設立された(株)ランドログが順調にパートナー及び顧客を増やしている。現在58社(情報通信、機械、卸売、保険、建設など)がパートナーとして参画し、様々なアプリケーション・サービスが各社によって開発されつつある。2019年4月に発表されたコマツの中期経営計画において「LANDLOG」が成長戦略の柱として位置付けられた。「LANDLOG」はOPTiM Cloud IoT OSをベースに開発されたプラットフォームであり、「LANDLOG」の売上増とともに同社のライセンス料も伸びるビジネスモデルである。

2019年2月、同社とシスメックス(株)(本社:兵庫県神戸市)は、先端医療分野におけるAI・IoTを活用した医療ITソリューションの開発と、グローバルなサービス展開に向けた包括的な業務提携に合意した。シスメックスは検体検査機器・試薬の世界的大手企業。オプティムが持つAI・IoTプラットフォーム「OPTiM Cloud IoT OS」などのAI・IoTサービスや技術、実用化ノウハウと、シスメックスが持つ医療分野における豊富な知見やグローバルな販売・サービスネットワークを融合し、次世代プラットフォーム構築及びソリューション開発、グローバル展開を行う。第1弾となるのは、シスメックスと川崎重工業<7012>の合弁会社である(株)メディカロイド(本社:兵庫県神戸市)が開発を進める「手術支援ロボット」のネットワーク化、及び手術室全体の最適化を支援するサービスの共同開発、有用性の検証である。先端医療分野での有力企業との提携により、OPTiM Cloud IoT OSをベースとした「医療×IT」がより大きな流れになることが期待できる。

■Key Points
・AI・IoTの特許技術を多数保有するベンチャー企業。プラットフォームで先行し、第4次産業革命の中心的存在を目指す
・2019年3月期は、創業来19年連続の過去最高売上高を達成。公約どおり研究開発投資2,146百万円を使い〇〇×ITを推進
・2020年3月期は売上高20%増の保守的な予想。新規ビジネス売上計上で上振れ必至。2020年3月期も研究開発及び売上基盤確立のために積極投資
・建設分野でコマツ等と取り組む「LANDLOG」が進展。先端医療分野でシスメックスと業務提携。経営諮問委員会を新設し各業界の第一人者を招聘

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)


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配信元: フィスコ
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