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エノモトのニュース
■業績動向
3. 製品群別の市場概況
エノモト<6928>製品群の市場概況は、IC・トランジスタ用リードフレームにおいて、米中貿易摩擦問題による世界経済の不透明化から、半導体業界は全般的に慎重な見方となっている。世界半導体市場統計(WSTS)では、2019年のディスクリート半導体は、上期はやや弱いが、下期以降は5Gなどへの期待感から成長が見込まれている。車載向けは電装化率の上昇に伴って、中期的に堅調な推移が見込まれている。
オプト用リードフレームについては、WSTSでは2019年のオプト関連半導体を前年比6.8%と見込んでいる。国内の大型ディスプレイはオリンピック向け需要が集中する2019年がピークと予測されており、2020年後半以降2021年にかけてはオリンピック需要の反動から一時的に需要が停滞する見込みとなっている。しかし、2022年以降は安定したリプレース需要や新規需要増により、市場は安定的に成長していくと予測されている。
コネクタ用部品においては、電子情報技術産業協会(JEITA)予測によれば、2019年の電子部品の生産は世界で3%程度増加する見込みとなっている。車載用コネクタ部品は引き続き需要が堅調だが、スマートフォン向けは5G移行への端境期となることから、短期的に出荷台数が減少する見込みとなっている。データセンターや基地局関連の需要、自動車の電装化率上昇や自動運転技術の進展などにより、中長期的に需要増加のトレンドを維持することが予想されている。また、スマートウォッチが7%程度で成長を続けるとの予測もあり、ウェアラブルへの期待は大きい。
ウェアラブルが新たに市場を形成
4. 2020年3月期の業績見通し
2020年3月期業績見通しについて、同社は売上高21,000百万円(前期比0.2%減)、営業利益1,200百万円(同6.0%増)、経常利益1,200百万円(同4.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益920百万円(同0.8%増)を見込んでいる。米中貿易摩擦問題などにより、中国ほか世界的に不安定な経済情勢が継続すると懸念されている。一方国内では、景況感は後退しつつあるものの、2020年のオリンピック開催へ向けて一定規模の需要が期待できることから、経済全体は堅調に推移すると考えられている。
IC・トランジスタ用リードフレームにおいては、車載向けは堅調で安定した需要を見込む。民生向けは世界経済の動向からマイナス要因として見られるが、ウェアラブルなど新規製品の好調により前期と同水準を見込む。設備投資関連では下期以降5G関連の需要増に期待する。以上から、車載向けを中心に、受注量は引き続き堅調に推移すると予想される。
オプト用リードフレームでは、2020年3月期上期は前下期に引き続き在庫調整局面が予想されるが、新規製品の受注などにより2020年3月期下期には回復を期待、通期では前期と同程度の需要水準を見込んでいる。なお、東京オリンピック向けばかりでなくインフラ整備及び大型ディスプレイなどの需要増加や、「水銀に関する水俣条約」による水銀灯からの置換需要が期待されることから、中期的に需要拡大が見込まれる。
コネクタ用部品では、エアバッグなど車載向けにおいて引き続き堅調な推移を見込むが、生産・品質管理能力の強化によって更なる信頼強化と受注拡大を図る。主力製品の1つであるモバイル端末向けコネクタ用部品の需要は、スマートフォンの総需要に陰りが見えるなか、米中ともに大幅な需要拡大局面になるとは考えづらい。前期は北米メーカーの追加受注の当てが外れる一方、利益重視から中国メーカー向け受注を積極化しなかったが、2020年3月期については北米メーカー向けの初回予約のみを予算に入れるなど保守的な前提としている。
一方、ウェアラブルの市場が拡大しており、ウェアラブル端末向け部品など新たな需要の開拓を進めている。ウェアラブルはスマートフォン以上に超精密コネクタへのニーズが強く、技術力のある同社への販売要請が既に増加しているもようである。このため、同社のウェアラブル向け受注獲得への期待は増しており、前期に引き続き2020年3月期もスマートフォン向けの低迷をカバーすることが期待される。しかし、ウェアラブルはスマートフォンとは客もラインも異なるため、生産能力の増強にはリスクが伴う。このため、需要動向を見極めながら慎重に対応していく方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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3. 製品群別の市場概況
エノモト<6928>製品群の市場概況は、IC・トランジスタ用リードフレームにおいて、米中貿易摩擦問題による世界経済の不透明化から、半導体業界は全般的に慎重な見方となっている。世界半導体市場統計(WSTS)では、2019年のディスクリート半導体は、上期はやや弱いが、下期以降は5Gなどへの期待感から成長が見込まれている。車載向けは電装化率の上昇に伴って、中期的に堅調な推移が見込まれている。
オプト用リードフレームについては、WSTSでは2019年のオプト関連半導体を前年比6.8%と見込んでいる。国内の大型ディスプレイはオリンピック向け需要が集中する2019年がピークと予測されており、2020年後半以降2021年にかけてはオリンピック需要の反動から一時的に需要が停滞する見込みとなっている。しかし、2022年以降は安定したリプレース需要や新規需要増により、市場は安定的に成長していくと予測されている。
コネクタ用部品においては、電子情報技術産業協会(JEITA)予測によれば、2019年の電子部品の生産は世界で3%程度増加する見込みとなっている。車載用コネクタ部品は引き続き需要が堅調だが、スマートフォン向けは5G移行への端境期となることから、短期的に出荷台数が減少する見込みとなっている。データセンターや基地局関連の需要、自動車の電装化率上昇や自動運転技術の進展などにより、中長期的に需要増加のトレンドを維持することが予想されている。また、スマートウォッチが7%程度で成長を続けるとの予測もあり、ウェアラブルへの期待は大きい。
ウェアラブルが新たに市場を形成
4. 2020年3月期の業績見通し
2020年3月期業績見通しについて、同社は売上高21,000百万円(前期比0.2%減)、営業利益1,200百万円(同6.0%増)、経常利益1,200百万円(同4.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益920百万円(同0.8%増)を見込んでいる。米中貿易摩擦問題などにより、中国ほか世界的に不安定な経済情勢が継続すると懸念されている。一方国内では、景況感は後退しつつあるものの、2020年のオリンピック開催へ向けて一定規模の需要が期待できることから、経済全体は堅調に推移すると考えられている。
IC・トランジスタ用リードフレームにおいては、車載向けは堅調で安定した需要を見込む。民生向けは世界経済の動向からマイナス要因として見られるが、ウェアラブルなど新規製品の好調により前期と同水準を見込む。設備投資関連では下期以降5G関連の需要増に期待する。以上から、車載向けを中心に、受注量は引き続き堅調に推移すると予想される。
オプト用リードフレームでは、2020年3月期上期は前下期に引き続き在庫調整局面が予想されるが、新規製品の受注などにより2020年3月期下期には回復を期待、通期では前期と同程度の需要水準を見込んでいる。なお、東京オリンピック向けばかりでなくインフラ整備及び大型ディスプレイなどの需要増加や、「水銀に関する水俣条約」による水銀灯からの置換需要が期待されることから、中期的に需要拡大が見込まれる。
コネクタ用部品では、エアバッグなど車載向けにおいて引き続き堅調な推移を見込むが、生産・品質管理能力の強化によって更なる信頼強化と受注拡大を図る。主力製品の1つであるモバイル端末向けコネクタ用部品の需要は、スマートフォンの総需要に陰りが見えるなか、米中ともに大幅な需要拡大局面になるとは考えづらい。前期は北米メーカーの追加受注の当てが外れる一方、利益重視から中国メーカー向け受注を積極化しなかったが、2020年3月期については北米メーカー向けの初回予約のみを予算に入れるなど保守的な前提としている。
一方、ウェアラブルの市場が拡大しており、ウェアラブル端末向け部品など新たな需要の開拓を進めている。ウェアラブルはスマートフォン以上に超精密コネクタへのニーズが強く、技術力のある同社への販売要請が既に増加しているもようである。このため、同社のウェアラブル向け受注獲得への期待は増しており、前期に引き続き2020年3月期もスマートフォン向けの低迷をカバーすることが期待される。しかし、ウェアラブルはスマートフォンとは客もラインも異なるため、生産能力の増強にはリスクが伴う。このため、需要動向を見極めながら慎重に対応していく方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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