2,044円
北越工業の個人投資家の売買予想
予想株価
1,202円
現在株価との差
-499.0
円
登録時株価
1,003.0円
獲得ポイント
+197.60pt.
収益率
+69.59%
期間
中期投資 (数週間~数ヶ月単位で売り買い)
理由
業績(会社計画の修正発表を含む)
https://r.nikkei.com/paper?TYPE=VIEWERBYPAGE&editionID=20200419M101&pageID=869FE7E2E2E20&articleID=
緊急事態 頼みは 現金 日経ヴェリタス 4月19日から~25日号
拡大鏡を4にする 明瞭にページ見えない場合 ↓下にスクロール 大きく見える
北越工業:四季報参照 1106ページ
有利子負債:1,637 百万円
現金同等物:10,285 キャッシュフローをみる
https://r.nikkei.com/paper?TYPE=VIEWERBYPAGE&editionID=20200419M101&pageID=869FE7E2E2E20&articleID=
財務CF:△1,429 借金返している 大変なリッチ企業
ネットキャッシュ(ねっときゃっしゅ)
分類:財務分析 野村証券
企業の手元流動性(現金・預金+有価証券)から有利子負債を差し引いた金―額で、キャッシュリッチ(金余り)の度合いを示す。
時価総額をネットキャッシュで割ったネットキャッシュ倍率(倍)が小さいほど、キャッシュリッチとして蓄えた現・預金が有効に活用されていない企業として、M&Aなど企業買収の候補にもなりやすく、株式市場で注目されることが多い。
https://www.nomura.co.jp/terms/japan/ne/A02400.html
現金同等物―有利子負債=86.98憶円 大変なリッチ企業
17日時価総額:304億/86.98=3.49 現金タップリ
緊急事態 頼みは 現金 日経ヴェリタス 4月19日から~25日号
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有利子負債:1,637 百万円
現金同等物:10,285 キャッシュフローをみる
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財務CF:△1,429 借金返している 大変なリッチ企業
ネットキャッシュ(ねっときゃっしゅ)
分類:財務分析 野村証券
企業の手元流動性(現金・預金+有価証券)から有利子負債を差し引いた金―額で、キャッシュリッチ(金余り)の度合いを示す。
時価総額をネットキャッシュで割ったネットキャッシュ倍率(倍)が小さいほど、キャッシュリッチとして蓄えた現・預金が有効に活用されていない企業として、M&Aなど企業買収の候補にもなりやすく、株式市場で注目されることが多い。
https://www.nomura.co.jp/terms/japan/ne/A02400.html
現金同等物―有利子負債=86.98憶円 大変なリッチ企業
17日時価総額:304億/86.98=3.49 現金タップリ
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都内の1等地の地下 拡大鏡使う → ← 使う
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コロナ後の世界経済 「日本化」まん延も
Global Economics Trends 編集委員 太田康夫
新型コロナ 太田 康夫 Global Economics Trends 編集委員
2020/4/26 2:00
5215文字
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Global Economics Trends
世界的な関心を集める経済学の最前線の動きやトピックを紹介します。
新型コロナウイルスの世界的な大流行(パンデミック)で、世界経済は大恐慌以来最悪の景気後退に直面している。危機回避をめざす大規模な経済対策は短期的には景気底割れを食い止める効果が見込めるが、中長期的には政府財政や中央銀行財務の悪化、企業の借金依存の深まり、銀行資産の劣化などをもたらす公算が大きい。感染拡大が収束に向かっても、世界経済は長期的に深刻な後遺症を引きずり長期停滞が続く「日本化」のまん延リスクを抱えることになる。既に財政状況が悪化している国々で感染が広がったり、無駄な経済対策が実施されたりすれば、債務危機が起きる恐れもある。
■危機はフローからストックに
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経済の休止が長引きつつある=ロイター
「われわれはこの危機から極めて高いレベルの債務が生じることを知っている。国内総生産(GDP)の数十ポイントにものぼる政府債務増加もそうだし、民間のビジネス債務も同様だ。経済の休止が長引けば、問題は手元資金需要から、バランスシートに波及する。金融的にはいくつかの企業で流動性の制約から支払い能力の問題に変わる。現下のキャッシュフローの問題は、ストックの問題になる」。フランス中央銀行のフランソワ・ビルロワドガロー総裁は4月8日に開いたフランスの経済・社会・環境評議会(ESEC)での「緊急危機対応から、危機後の環境まで(From the emergency crisis response to initial thinking on the post-crisis environment)」(Hearing of Francois Villeroy de Galhau)と題する証言で、コロナ危機後に直面する厳しい現実を語った。
厳しい予測が出始めたのは、安倍晋三首相などが期待するV字回復が難しくなりつつあることがある。国際通貨基金(IMF)は、パンデミックが2020年後半に収束し、各国の景気刺激策が効果を発揮すると想定し、世界の経済成長率は20年が大恐慌以来最低となるマイナス3%、21年はプラス5.8%と予測している。しかしながら、経済回復パターンは底ばいが続いた後に回復するU字、もしくは長期にわたり低迷が続くL字になるとの指摘が増えている。
■恐慌並みの不確実性ショック
危機の経済的な分析も進みつつある。米シカゴ大学のベロニカ・ゲリエリ、米ノースウエスタン大学のグイド・ロレンツォーニ、米ハーバード大学のルディング・ストラウブ、米マサチューセッツ工科大学(MIT)のイヴァン・ウエーニングの4教授は「コロナウイルスのマクロ経済的意味:負の供給ショックは需要不足を引き起こすか?」(Macroeconomic Implications of COVID-19: Can Negative Supply Shocks Cause Demand Shortages?)と題する論文で、今回の危機は供給ショックの影響が大きいとの見方を示している。
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ウォール街からも人が消えた=ロイター
「(シャットダウンやレイオフなどによって生じる)供給ショックは、そのショックの規模を上回る総需要の減少をもたらすという経済分析のモデル(ケインジアンの供給ショック・モデル)がある。今回の経済ショックにはそのモデルが当てはまり、需要は供給ショックに過剰反応し、需要不足を伴う景気後退を招く。そうした状況では財政政策はあまり効率的ではなく、最適な政策は十分な社会保障と金融緩和を結合させることだ」と強調している。
「コロナウイルスが招く経済不確実性」(COVID-Induced Economic Uncertainty)に着目したのはノースウエスタン大学のスコット・ベーカー、米スタンフォード大学のニコラス・ブルーム、シカゴ大学のスティーブン・デービス、米ボストン大学のステファン・テリーの4教授。株式市場のボラティリティー(価格変動率)、新聞に掲載される不確実性を示す言葉の頻度、ビジネス期待調査などから不確実性を分析し、「20年第4四半期の米経済は前年同期比約11%落ち込む。生産の落ち込みの半分は、コロナウイルスが生み出す不確実性のネガティブ効果によるものだ。今回の不確実性ショックは、08~09年の金融危機より大きく、1929~33年の大恐慌に近い」と結論付けている。
■在宅勤務に落とし穴も
先行き不確実性の背景には、感染拡大の予測が難しいことに加え、経済構造の変化が読みにくいこともある。
例えば、物理的な接触を最小限にするため在宅勤務が推奨されている。米ブルッキングス研究所のトレーシー・ハーデン・ロー、ララ・フィッシュバーンの両氏は「社会的距離をとることが要請されることで進むテレワークへの移行は、今回の危機だけでなく、その後も続くだろう。今回の混乱はテレワークを含むデジタル接続が、持続可能性を高める価値ある手段だと示した」と言及している。
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在宅勤務が生産性の低下をもたらす可能性も
一方で、在宅勤務の利点を示してきたニコラス・ブルーム・スタンフォード大教授は「在宅勤務が機能する前提は家庭内で独立した環境で働けることだが、そうなっていない。子供と一緒に在宅で働くのは生産性の大損失だ」と指摘する。顔と顔を突き合わせるミーティングは新しいアイデアを生み出す基本で、その機会の消失はイノベーションの不調につながりかねないと懸念している。
また、これまで高い成長を支えてきた国際化の停滞も不安視されている。マクロ経済調査会社、オックスフォード・エコノミクスのエコノミストであるジョン・ペイン氏は「サプライチェーン(供給網)のボトルネックが年後半の立ち直りを遅らせかねない」と指摘している。
製造業が賃金の安い国に部品工場を設けて組み上げてきた国際的なサプライチェーンでは、感染で調達網が断たれ完成品が作れないなどの影響が広がっている。中国がサプライチェーンに深く組み込まれているが、コロナ危機を巡り米中対立が続いている。多くの企業がサプライチェーンの組み直しを検討しており、影響の長期化は必至だ。
■金融ストレスは既に悪化シナリオ水準
中期的に経済はどうなるのか。物価については需要低迷予測などを背景に原油価格が急落したため、足元では世界的なデフレ懸念が強まっている。米JPモルガン・セキュリティーズのジャン・ルイス氏は「危機のやや長期の影響」として「歴史的にはパンデミックで、人々の貯蓄増が実質金利を引き下げた。今後1~2年、物価はひどく低下し、金融政策は超緩和状態になる。しかし金融と財政当局の境界の曖昧さが財政ファイナンス(財政赤字の穴埋め)の懸念を生み、インフレ期待と債券利回りの上昇リスクを高める」と指摘している。
金融システムへの不安もくすぶっている。オランダの経済政策分析局は「コロナ危機のもたらす経済的結果シナリオ」(Scenarios economic consequences corona crisis)で、「雇用と部品などの供給不足で生産が減少する。一方で、家計や企業の購買・投資活動の延期や物理的接触の回避などによって需要も影響される。危機が長引けば、住宅市場の落ち込みや、不良債権の増加で金融セクターが問題を抱えることになる」と予測している。
危機が金融システムに及ぼす影響について、IMFのトビアス・エイドリアン、アディティア・ナレインの両氏は「新型コロナウイルス危機下における銀行システムの安全性の確保」と題するコメントで、「現時点では多くの国で銀行システムの健全性を評価するうえで規制当局が通常用いるストレステストの悪化シナリオと同等に深刻となっている。私たちは20年後半には経済活動が再開することを前提としているが、さらなる悪化シナリオも検討しなければならない。一部の銀行システムは資本注入や、さらには再編を必要とするかもしれない」との見方を示している。
既に大手米銀は20年1~3月期決算で都市封鎖などの影響による企業や個人の支払い不能の増加などを見越して貸倒引当金を大幅に積み増した。株式新規上場(IPO)などによる資金調達が減少し、収益源の株式関連業務への影響も強まる。中期的には超低金利策の長期化で、預貸金利ザヤが圧迫され、基礎的な収益力が低下する恐れが強い。
■歴史的には収益率下押し40年も
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大規模な経済対策は将来債務危機を招きかねない=ロイター
長期的影響で懸念されるのは、緊急経済対策などで膨れ上がる財政だ。米国のシンクタンク「責任ある連邦予算委員会」は、政府が大規模な経済対策を打ち出したのを受けて、政府債務の新しい予測(New Projections: Debt Will Exceed the Size of the Economy This Year)を発表した。それによると「コロナ対策の結果、債務と財政赤字は経験したことのない水準に達する。財政赤字は20年に3.8兆ドル(国内総生産=GDP=の18.7%)、21年に2.1兆ドル(同9.7%)と予測され、20年予算年度末には公的債務はGDPの規模を上回り、23年までに第2次世界大戦直後に記録された最悪レベルをも上回る」と警鐘を鳴らしている。
財政の膨張は、中央銀行のバランスシート拡大を招く公算が大きい。欧州のシンクタンク、ブリューゲルの上級調査フェロー、ツォルト・ダルバス氏は「パンデミックの財政的結果」(The fiscal consequences of the pandemic)と題する論文で、「コロナ危機はいくつかの欧州の国で深刻な財政問題を引き起こしつつある。日本では公的債務がGDPの240%に達しているが、半分は日銀によって購入されている。欧州でも欧州中央銀行(ECB)によるより大規模な公的債務の購入が、数年にわたって必要になる。そうでなければ大規模な債務危機が発生し、欧州連合(EU)の状況を悪化させ、統合プロセスの逆行を引き起こしかねない」と主張している。
歴史的な視点からパンデミックの影響を分析しているのが、米サンフランシスコ連銀で政策アドバイザーを務める経済学者のオスカー・ジョード氏と米カリフォルニア大学のサンジャイ・シン助教授、アラン・テイラー教授の3氏がまとめた論文「パンデミックの経済に対する長期的結果」(Longer-Run Economic Consequences of Pandemics)だ。
「14世紀以降の10万人以上が死去した15のパンデミックを調べたところ、収益率が押し下げられるマクロ経済的な影響がおよそ40年続いていた。投資需要の減退、予防的な貯蓄の高まりなどで自然利子率は押し下げられてきた」と指摘した。そのうえで、コロナ危機について「実質金利の低い状況が何十年も続くのであれば、影響を軽減するための財政余地が生まれる。ただ過去のパンデミックは高齢者がほとんどいない社会で起きており、今回は状況が異なる」と、高齢化が進む社会で起きた危機対応の難しさに注意を喚起している。
Global Economics Trends 編集委員 太田康夫
新型コロナ 太田 康夫 Global Economics Trends 編集委員
2020/4/26 2:00
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世界的な関心を集める経済学の最前線の動きやトピックを紹介します。
新型コロナウイルスの世界的な大流行(パンデミック)で、世界経済は大恐慌以来最悪の景気後退に直面している。危機回避をめざす大規模な経済対策は短期的には景気底割れを食い止める効果が見込めるが、中長期的には政府財政や中央銀行財務の悪化、企業の借金依存の深まり、銀行資産の劣化などをもたらす公算が大きい。感染拡大が収束に向かっても、世界経済は長期的に深刻な後遺症を引きずり長期停滞が続く「日本化」のまん延リスクを抱えることになる。既に財政状況が悪化している国々で感染が広がったり、無駄な経済対策が実施されたりすれば、債務危機が起きる恐れもある。
■危機はフローからストックに
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経済の休止が長引きつつある=ロイター
「われわれはこの危機から極めて高いレベルの債務が生じることを知っている。国内総生産(GDP)の数十ポイントにものぼる政府債務増加もそうだし、民間のビジネス債務も同様だ。経済の休止が長引けば、問題は手元資金需要から、バランスシートに波及する。金融的にはいくつかの企業で流動性の制約から支払い能力の問題に変わる。現下のキャッシュフローの問題は、ストックの問題になる」。フランス中央銀行のフランソワ・ビルロワドガロー総裁は4月8日に開いたフランスの経済・社会・環境評議会(ESEC)での「緊急危機対応から、危機後の環境まで(From the emergency crisis response to initial thinking on the post-crisis environment)」(Hearing of Francois Villeroy de Galhau)と題する証言で、コロナ危機後に直面する厳しい現実を語った。
厳しい予測が出始めたのは、安倍晋三首相などが期待するV字回復が難しくなりつつあることがある。国際通貨基金(IMF)は、パンデミックが2020年後半に収束し、各国の景気刺激策が効果を発揮すると想定し、世界の経済成長率は20年が大恐慌以来最低となるマイナス3%、21年はプラス5.8%と予測している。しかしながら、経済回復パターンは底ばいが続いた後に回復するU字、もしくは長期にわたり低迷が続くL字になるとの指摘が増えている。
■恐慌並みの不確実性ショック
危機の経済的な分析も進みつつある。米シカゴ大学のベロニカ・ゲリエリ、米ノースウエスタン大学のグイド・ロレンツォーニ、米ハーバード大学のルディング・ストラウブ、米マサチューセッツ工科大学(MIT)のイヴァン・ウエーニングの4教授は「コロナウイルスのマクロ経済的意味:負の供給ショックは需要不足を引き起こすか?」(Macroeconomic Implications of COVID-19: Can Negative Supply Shocks Cause Demand Shortages?)と題する論文で、今回の危機は供給ショックの影響が大きいとの見方を示している。
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ウォール街からも人が消えた=ロイター
「(シャットダウンやレイオフなどによって生じる)供給ショックは、そのショックの規模を上回る総需要の減少をもたらすという経済分析のモデル(ケインジアンの供給ショック・モデル)がある。今回の経済ショックにはそのモデルが当てはまり、需要は供給ショックに過剰反応し、需要不足を伴う景気後退を招く。そうした状況では財政政策はあまり効率的ではなく、最適な政策は十分な社会保障と金融緩和を結合させることだ」と強調している。
「コロナウイルスが招く経済不確実性」(COVID-Induced Economic Uncertainty)に着目したのはノースウエスタン大学のスコット・ベーカー、米スタンフォード大学のニコラス・ブルーム、シカゴ大学のスティーブン・デービス、米ボストン大学のステファン・テリーの4教授。株式市場のボラティリティー(価格変動率)、新聞に掲載される不確実性を示す言葉の頻度、ビジネス期待調査などから不確実性を分析し、「20年第4四半期の米経済は前年同期比約11%落ち込む。生産の落ち込みの半分は、コロナウイルスが生み出す不確実性のネガティブ効果によるものだ。今回の不確実性ショックは、08~09年の金融危機より大きく、1929~33年の大恐慌に近い」と結論付けている。
■在宅勤務に落とし穴も
先行き不確実性の背景には、感染拡大の予測が難しいことに加え、経済構造の変化が読みにくいこともある。
例えば、物理的な接触を最小限にするため在宅勤務が推奨されている。米ブルッキングス研究所のトレーシー・ハーデン・ロー、ララ・フィッシュバーンの両氏は「社会的距離をとることが要請されることで進むテレワークへの移行は、今回の危機だけでなく、その後も続くだろう。今回の混乱はテレワークを含むデジタル接続が、持続可能性を高める価値ある手段だと示した」と言及している。
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在宅勤務が生産性の低下をもたらす可能性も
一方で、在宅勤務の利点を示してきたニコラス・ブルーム・スタンフォード大教授は「在宅勤務が機能する前提は家庭内で独立した環境で働けることだが、そうなっていない。子供と一緒に在宅で働くのは生産性の大損失だ」と指摘する。顔と顔を突き合わせるミーティングは新しいアイデアを生み出す基本で、その機会の消失はイノベーションの不調につながりかねないと懸念している。
また、これまで高い成長を支えてきた国際化の停滞も不安視されている。マクロ経済調査会社、オックスフォード・エコノミクスのエコノミストであるジョン・ペイン氏は「サプライチェーン(供給網)のボトルネックが年後半の立ち直りを遅らせかねない」と指摘している。
製造業が賃金の安い国に部品工場を設けて組み上げてきた国際的なサプライチェーンでは、感染で調達網が断たれ完成品が作れないなどの影響が広がっている。中国がサプライチェーンに深く組み込まれているが、コロナ危機を巡り米中対立が続いている。多くの企業がサプライチェーンの組み直しを検討しており、影響の長期化は必至だ。
■金融ストレスは既に悪化シナリオ水準
中期的に経済はどうなるのか。物価については需要低迷予測などを背景に原油価格が急落したため、足元では世界的なデフレ懸念が強まっている。米JPモルガン・セキュリティーズのジャン・ルイス氏は「危機のやや長期の影響」として「歴史的にはパンデミックで、人々の貯蓄増が実質金利を引き下げた。今後1~2年、物価はひどく低下し、金融政策は超緩和状態になる。しかし金融と財政当局の境界の曖昧さが財政ファイナンス(財政赤字の穴埋め)の懸念を生み、インフレ期待と債券利回りの上昇リスクを高める」と指摘している。
金融システムへの不安もくすぶっている。オランダの経済政策分析局は「コロナ危機のもたらす経済的結果シナリオ」(Scenarios economic consequences corona crisis)で、「雇用と部品などの供給不足で生産が減少する。一方で、家計や企業の購買・投資活動の延期や物理的接触の回避などによって需要も影響される。危機が長引けば、住宅市場の落ち込みや、不良債権の増加で金融セクターが問題を抱えることになる」と予測している。
危機が金融システムに及ぼす影響について、IMFのトビアス・エイドリアン、アディティア・ナレインの両氏は「新型コロナウイルス危機下における銀行システムの安全性の確保」と題するコメントで、「現時点では多くの国で銀行システムの健全性を評価するうえで規制当局が通常用いるストレステストの悪化シナリオと同等に深刻となっている。私たちは20年後半には経済活動が再開することを前提としているが、さらなる悪化シナリオも検討しなければならない。一部の銀行システムは資本注入や、さらには再編を必要とするかもしれない」との見方を示している。
既に大手米銀は20年1~3月期決算で都市封鎖などの影響による企業や個人の支払い不能の増加などを見越して貸倒引当金を大幅に積み増した。株式新規上場(IPO)などによる資金調達が減少し、収益源の株式関連業務への影響も強まる。中期的には超低金利策の長期化で、預貸金利ザヤが圧迫され、基礎的な収益力が低下する恐れが強い。
■歴史的には収益率下押し40年も
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大規模な経済対策は将来債務危機を招きかねない=ロイター
長期的影響で懸念されるのは、緊急経済対策などで膨れ上がる財政だ。米国のシンクタンク「責任ある連邦予算委員会」は、政府が大規模な経済対策を打ち出したのを受けて、政府債務の新しい予測(New Projections: Debt Will Exceed the Size of the Economy This Year)を発表した。それによると「コロナ対策の結果、債務と財政赤字は経験したことのない水準に達する。財政赤字は20年に3.8兆ドル(国内総生産=GDP=の18.7%)、21年に2.1兆ドル(同9.7%)と予測され、20年予算年度末には公的債務はGDPの規模を上回り、23年までに第2次世界大戦直後に記録された最悪レベルをも上回る」と警鐘を鳴らしている。
財政の膨張は、中央銀行のバランスシート拡大を招く公算が大きい。欧州のシンクタンク、ブリューゲルの上級調査フェロー、ツォルト・ダルバス氏は「パンデミックの財政的結果」(The fiscal consequences of the pandemic)と題する論文で、「コロナ危機はいくつかの欧州の国で深刻な財政問題を引き起こしつつある。日本では公的債務がGDPの240%に達しているが、半分は日銀によって購入されている。欧州でも欧州中央銀行(ECB)によるより大規模な公的債務の購入が、数年にわたって必要になる。そうでなければ大規模な債務危機が発生し、欧州連合(EU)の状況を悪化させ、統合プロセスの逆行を引き起こしかねない」と主張している。
歴史的な視点からパンデミックの影響を分析しているのが、米サンフランシスコ連銀で政策アドバイザーを務める経済学者のオスカー・ジョード氏と米カリフォルニア大学のサンジャイ・シン助教授、アラン・テイラー教授の3氏がまとめた論文「パンデミックの経済に対する長期的結果」(Longer-Run Economic Consequences of Pandemics)だ。
「14世紀以降の10万人以上が死去した15のパンデミックを調べたところ、収益率が押し下げられるマクロ経済的な影響がおよそ40年続いていた。投資需要の減退、予防的な貯蓄の高まりなどで自然利子率は押し下げられてきた」と指摘した。そのうえで、コロナ危機について「実質金利の低い状況が何十年も続くのであれば、影響を軽減するための財政余地が生まれる。ただ過去のパンデミックは高齢者がほとんどいない社会で起きており、今回は状況が異なる」と、高齢化が進む社会で起きた危機対応の難しさに注意を喚起している。
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