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SANEI、1Qは前年比で減収増益 価格改定の浸透や高機能・高付加価値製品の売上増加により、売上総利益率中心に収益性改善

投稿:2024/08/09 19:00

1 2025年3月期 第1四半期 業績ハイライト

新田裕二氏:SANEI株式会社2025年3月期決算説明資料をご覧いただき、誠にありがとうございます。常務取締役執行役員コーポレート本部長の新田です。当社の決算内容ならびに当社について、よりご理解を深めていただきたく書き起こしとしてまとめました。

2025年3月期第1四半期は、減収・増益となりましたが、売上総利益率を中心に収益性が改善しました。売上高は新設住宅着工戸数減少、在庫調整等の影響もあり伸び悩んだ一方で、高機能・高付加価値製品の売上は増加しました。利益は、販売価格改定の浸透や高機能・高付加価値製品の売上増加により、収益性が改善しました。

2 損益の概要

続いて、損益の概要です。先ほど申し上げました要因によって、売上高は67億8,600万円、前年から2,500万円の減少となりました。その一方で、売上総利益以降は全て増益となっています。

利益面の増減明細については、「5 営業利益の増減要因」で後述します。

3 四半期業績の推移

売上高の計画進捗率は23.8%と、前年同期の24.7%をやや下回りました。一方で、利益の計画進捗率は、営業利益・純利益ともに前年同期を大きく上回りました。

4 販売ルートの概況

販売ルート別の売上構成は、前期から大きな変動はありませんでしたが、「リテールルート」の構成比率が若干伸びています。前年からの売上高増減は、資料中の矢印では3ルートとも横ばいになっていますが、「管工機材ルート」と「メーカールート」はやや減少した一方、「リテールルート」では増加しています。

「管工機材ルート」は、ウルトラファインバブル関連の製品が好調であった一方、汎用品はやや伸び悩みました。このほか、デザイン水栓シリーズの売上は、堅調に推移しています。「リテールルート」では、ウルトラファインバブルをはじめとした高機能・高付加価値製品や混合栓類の販売により、売上が増加しました。「メーカールート」では、前期に引き続き住宅設備機器メーカー向けの標準採用品を中心に、堅調に推移しました。

5 営業利益の増減要因

当第1四半期の営業利益は4憶1,000万円となり、前年同期と比較して1億1,400万円の増益となりました。最大の増加要因は、「商品ミックスの変化等」になります。これは、ウルトラファインバブル製品を中心とした高機能・高付加価値製品の販売が増加したことによって、売上総利益率が改善したことによるものです。その一方で、原材料である銅の相場や仕入価格は前期と比較してもさらに高騰しており、利益を押し下げる要因となりました。

6 連結BS(資産・負債・純資産)

続いて、連結BSです。総資産は前期末(2024年3月)より5億2,900万円減少し、236億8,800万円となりました。法人税や賞与・配当など大口の支払が続いたことから、現金預金や売上債権などの当座資産が減少し、それに対応する流動負債も減少しています。また、岐阜工場の新工場棟が完成したことから固定資産が増加しました。棚卸資産は、例年同様の増加に加えて、原材料価格の高騰などによる仕入価格の上昇も影響しています。

7 企業価値向上への取り組み

当社の今後の企業価値向上への取り組みと当期の業績予想、コンセプトについて説明します。企業価値向上については「売上高・収益性の向上(事業領域の拡大)」と「継続的な株主価値の向上」を2本の柱にしています。「継続的な株主価値の向上」については「10 株主還元(継続的な株主価値の向上)」にて後述しますので、ここでは、「売上高・収益性の向上(事業領域の拡大)」を中心に説明します。

事業領域の拡大では主に3つの方針があります。1つ目は「『水をデザインする』SANEIブランドの更なる向上」です。水の音、流れる姿、手に伝わる感覚に至るまで、どこまでも美しい体験を追い求め、意匠、仕上げ精度、使用感、すべてにおいて最上級に相応しいものづくりへの挑戦を続けています。

2つ目は「水まわりにおける住空間をインスタレーション提案できる事業展開」です。当社は2018年に株式会社三栄水栓製作所から現在のSANEI株式会社へと社名変更を行いました。これは、生活空間における水栓という「点」から、水の通り道すべての「線」、そして水まわり空間全体の「面」への事業展開の広がりを意味しています。キッチン、バス、洗面と定型化されている従来の住まいに、新たなカルチャーを持ち込む試みでもあります。このような取り組みの一環として、ショールーム&ショップ「WAILEA」を東京の表参道と大阪の御堂筋に展開しています。

3つ目は「宿泊施設・飲食店・介護医療・公共施設など非住宅市場におけるシェア拡大」です。当社はこれまで住宅市場を中心に事業を拡大してきました。今後、国内人口の減少に伴い、住宅着工戸数も減少することが予測されています。非住宅市場向けの商材を拡充することにより、事業領域の拡大を進めていきます。

これらの取り組みの結果、PBRは6月末時点で0.78倍となり、前期末の0.75倍から改善しました。引き続き、PBR1.0倍超を目指して企業価値向上への取り組みを続けていきます。

8 事業領域の拡大への取り組み

先ほど申し上げました「事業領域の拡大」への取り組みの補足資料として、具体的な取り組みを紹介したいと思います。

1つ目は、2024年5月9日、愛知県名古屋市に開設しました開発本部「R&Dセンター」になります。新たな環境でさらに最新の情報を取り入れた開発力の強化を図っていきます。

2つ目は、2024年6月4日に竣工・完成しました、岐阜工場の新工場棟になります。2024年9月に創業70周年を迎える当社は、次なる飛躍に向け生産拠点の拡大を図りました。新工場棟は、「環境への配慮、高効率化・省力化、働きやすい職場環境の構築」をコンセプトとしています。今後、組立工場のリニューアルも計画しており、工場の自動化やバリアフリー化を一気に進めていきます。

9 当社の売上高推移

当社の成長性を説明する補足資料として、15年間の売上高推移をグラフにしています。当社は、新設住宅着工戸数が減少傾向にある状況下においても、順調に売上高を伸ばし続けています。今後も少子高齢化などの状況から新築住宅着工戸数は伸び悩むものと想定されますが、新たな水まわり空間の研究と開発、インスタレーション提案に取り組み、事業領域の拡大を進めることで継続的な成長を達成します。

10 株主還元(継続的な株主価値の向上)

当社は、「累進配当」の導入を決定し、2024年6月25日に公表しました。前期まで8年連続で増配をしてきて、当期も9年連続となる増配を予定していますが、今後もその方向性を継続していくことを明確にするために累進配当を導入しました。

当期の中間配当については、当初の配当予想に加えて、1株あたり5円の創業70周年記念配当を実施します。

また、2024年10月1日付で1株につき2株の株式分割を実施することを決定し、2024年7月29日に公表しました。下段の表は、累進配当を続けている過去9年間の配当実績を、株式分割後を基準に換算したものになります。

Ⅰ 企業情報

ここからは、当社の企業情報などの補足資料です。

当社の企業概要です。1954年に創業し、本年2024年9月に創業70周年を迎えます。またグループ会社として、水道設備工事・メンテナンス業務を行う「株式会社アクアエンジニアリング」、中国にて水栓部品製造を行う「大連三栄水栓有限公司」、岐阜県にて水栓部品製造販売を行う「株式会社水生活製作所」、水栓部品鋳造を行う「美山鋳造株式会社」があります。

Ⅱ 企業理念

当社は1954年の創業以来「人類ある限り水は必要である」を理念とし、地球に生きる一員としての自覚を持ち、企業活動に取り組んできました。独自の技術と柔軟な感性で、数々の画期的な商品を提供することはもちろん、水まわりから快適な暮らしを追求し、空間全体をコーディネートするなど、自然環境やニーズの変化を見つめながら、今なお進化を続けています。

「水とともに生きる時間が、いつも“歓び”で溢れるように…。」これからも、人々にとっての心地よさを常に考えながら、SANEI視点で水と暮らしの理想の姿をご提案していきます。

Ⅲ 当社のあゆみ

当社の創業以来のあゆみと事業の展開について、簡単にご説明したいと思います。

1954年の創業からしばらくは、水栓金具やシャワーヘッドなどを単体で販売していました。この時代を、我々は製品単体を売っていた「点」展開の時代と考えています。

1980年頃から、家の水道メーターから蛇口まで、家の水道インフラ全体をカバーするものづくりを推進してきました。水栓金具単体でなく、配管部材も合わせて販売していくという態勢を整えてきたこの時期を、我々は「線」展開の時代と考えています。

2018年頃からは、水まわりに対して機能性・安全性だけでなく、リラックスしたい・ゆとりを感じたいといったことに応えることを目指しています。そのために、水栓金具を使う空間全体をトータル的にカバーする「面」の展開を提案しています。

Ⅳ 取扱製品

当社の取扱製品についてご説明します。

当社が近年力を入れている水回りの「面」展開に対応した製品として、デザイン水栓シリーズがあります。従来から販売している「線」展開としては、継手や配管部材があります。また、創業当初より取り扱っている「点」展開の製品として給水栓や給排水金具がありますが、これらも非接触で給水できるセンサー式水栓や、ウルトラファインバブルのシャワーヘッドなど、より高機能な製品も取り扱っています。

Ⅴ SANEI DESIGN COLLECTION

前ページのデザイン水栓シリーズのご紹介をします。国内外で活躍するデザイナーのみなさまとのコラボレーションから生まれた製品、人と水のよりよい関係を現代空間の中で追求するSANEIインハウスデザインによる製品など、様々なシーンに合わせられる製品を開発しています。

当社ホームページにも、「DESIGN PRODUCT」ページがありますので、是非ご覧ください。
https://www.sanei.ltd/design/

Ⅵ 販売ルート

本資料の「4 販売ルートの概況」で説明している販売ルートの概要を紹介しています。

水まわり資材を扱う管材店向けの管工機材ルート、ホームセンターや家電量販店・ネット通販向けのリテールルート、住宅設備機器メーカー向けのメーカールートの計3ルートがあり、バランスよく展開しているのが当社の特徴になります。このほか、構成比はまだまだ低くはありますが、海外ルートも含めて全社的には4つのルートで展開しています。

Ⅶ 営業拠点

管工機材ルートは、地域に密着した販売ルートになります。日本全国、北海道から沖縄まで、支社・支店・営業所・出張所を合わせて27拠点を展開しています。

リテールルートとメーカールートについては、大都市圏にある支社・支店を中心に展開しています。(営業拠点の一覧:https://www.sanei.ltd/company/office/

Ⅷ ショールーム

東京・大阪・名古屋・福岡の各支社・支店にあるほか、東京の表参道と大阪の御堂筋にWAILEAが1店舗ずつ・東京の青山にFLUSSOが1店舗あります。

Ⅸ Think Life. Make Act. 行動しよう。未来のために

当社は、1954年の創業以来、「人類ある限り水は必要である」を理念とし、地球に生きる一員としての自覚を持ち、企業活動に取り組んできました。

当社のSDGsへの取り組みはこちらにまとめていますので、ご覧いただければ幸いです。 https://www.sanei.ltd/company/sdgs/

配信元: ログミーファイナンス
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