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メディアS Research Memo(7):2024年6月期は利益面で大幅な増益。「マイクラス」が安定して成長(2)

配信元:フィスコ
投稿:2024/09/24 16:37
*16:37JST メディアS Research Memo(7):2024年6月期は利益面で大幅な増益。「マイクラス」が安定して成長(2) ■メディアシーク<4824>の業績動向

2. 財務状況
(1) 財務状況について
2024年6月期末の財務状況を見ると、資産は3,926百万円で、前期末から70百万円増加した。現金及び預金は127百万円増加し、一方で、売掛金及び契約資産は33百万円減少し流動資産は841百万円に達した。固定資産は減少で3,085百万円となり、特に投資有価証券が42百万円減少している。流動負債は248百万円に増加し、主に1年内返済予定の長期借入金18百万円増加したことが影響している。また、固定負債は、550百万円に増加し、繰延税金負債が11百万円増加したことが影響している。これらの結果、純資産は38百万円減少の3,127百万円となったものの、現金及び預金の増加や流動資産の改善が見られ、全体として健全な財務状況が維持されている。

(2) キャッシュ・フロー
2024年6月期末における現金及び現金同等物の期末残高は、前期末比166百万円増の632百万円となった(前期末は465百万円)。営業活動によるキャッシュ・フローは138百万円の収入となり、前期の15百万円の支出から大幅な改善が見られた。これは、主に税金等調整前当期純利益として192百万円を計上し、売掛金及び契約資産が33百万円減少したことが要因である。投資活動によるキャッシュ・フローは7百万円の収入となり、前期の132百万円の支出からプラスに転じた。これは、投資有価証券の取得・売却による差引127百万円の収入が主な理由である。さらに、財務活動によるキャッシュ・フローも16百万円の収入となり、前期の7百万円の支出から改善した。この増加は、配当金の支払いが9百万円であった一方、長期借入金の借入れ及び返済による差引25百万円の収入が寄与した結果である。全体として、2024年6月期は営業、投資、財務の各活動においてキャッシュ・フローがプラスに転じ、財務基盤の強化が確認できる。

(3) 株主資本及び自己資本比率
同社の株主資本は2020年7月期末の1,637百万円から、2024年6月期末には2,214百万円にまで増加しており、この期間において安定した成長を遂げていることが確認できる。自己資本比率も、2020年7月期末の67.3%から2022年7月期末には81.7%まで上昇し、その後わずかに低下したものの、2024年6月期末時点で79.1%と、依然として高い水準を維持している。このデータは、同社が財務の健全性を保ちながら、事業を着実に成長させていることを示している。

同社の強みは、事業収益と「ベンチャーインキュベーション」による投資収益から形成された潤沢な自己資本にある。将来に向けて、既存事業の持続的な成長を追求しつつ、確かな自己資本を活用して「ブレインテック・DTx」などの新規事業分野への投資、ベンチャー企業の支援、新技術の開発に注力している。同社は、日本リビング保証との統合後も既存事業の推進を継続する方針である。特に、「ベンチャーインキュベーション」では、日本リビング保証の投資額と合わせて増額し、スピードと質に重点を置いて展開していく予定である。これにより、さらなる事業成長を目指す計画である。

3. 経営指標
同社は、経営指標として「コーポレートDX」におけるセグメント利益率、「画像解析・AI」における「アイコニット」のダウンロード数、「ライフスタイルDX」における「マイクラス」の顧客数・利用料の3つの指標をあげている。

(1) 「コーポレートDX」におけるセグメント利益率
コーポレートDXセグメントにおける売上高と利益の推移を見ると、2023年7月期の売上高は289百万円で、セグメント利益は99百万円、利益率は34.3%であったが、2024年6月期には売上高が328百万円に増加し、セグメント利益も151百万円と大幅に向上している。これにより、セグメント利益率は46.0%へと上昇した。この利益率の大幅な向上は、多様な働き方を取り入れた人材活用が奏功した結果であり、今後も時代に合わせた柔軟な働き方を積極的に取り入れていく方針である。業績の拡大と収益性の向上が続いており、効率的な事業運営が進んでいることが評価される。

(2) 「画像解析・AI」における「アイコニット」のダウンロード数
「アイコニット」アプリのダウンロード数は、リリースから10年以上経過した現在も順調に増加しており、2024年4月には3,600万ダウンロードを達成している。この持続的な成長は、アプリの利用価値とユーザーの信頼を示しており、広告収入は安定した収益基盤となっている。さらに、豊富なアプリユーザー数と蓄積されたデータベースを基に、今後はBtoB領域への展開を図ることで、新たな収益源の確保と事業拡大を目指す方針である。この戦略は、同社の長期的な成長に寄与するものと評価できる。

(3) 「ライフスタイルDX」における「マイクラス」の顧客数・利用料
「マイクラス」の顧客数、導入拠点数及び固定月額利用料の推移を見ると、2021年7月期の「マイクラス」顧客数は36社、導入拠点数は195拠点、固定月額利用料金は570万円となったが、2022年7月期は「マイクラス」顧客数は35社、導入拠点数は200拠点、固定月額利用料金は542万円と拠点導入数はやや伸びたものの、「マイクラス」顧客数・固定月各利用料はやや下がった。しかし、2023年7月期は「マイクラス」顧客数は35社、導入拠点数は305拠点、固定月額利用料金は631万円、2024年6月期は「マイクラス」顧客数は37社、導入拠点数は311拠点、固定月額利用料金は796万円といずれも上昇した。特に、2022年7月期から2023年7月期に導入拠点数が105拠点増と伸びたのは大手スクール2社が導入したためである。固定月額利用料も89万円増と好調に増加した。今後も顧客基盤の拡大と収益の増加が期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)

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配信元: フィスコ
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