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バルテス・ホールディングスのニュース
■中長期の成長戦略
1. 事業環境
バルテス<4442>を取り巻く今後の事業環境(市場の拡大等)は、以下のような点から追い風であると言える。
(1) ターゲット業界の成長性
今後、同社が狙っていく市場は当然ながら各種のソフトウェアやIT業界となるが、世界のソフトウェアテスト市場の年平均成長率(CAGR(Compound Annual Growth Rate))は12.4%と予想されており、業界そのものが高い成長を遂げる可能性が高い。
(2) ソフトウェアテストの外注比率の上昇
同社の調べによれば、国内のソフトウェア業界の売上高(2020年)は16.7兆円であり、このうち約37%(約6.2兆円)がテスト工程であると推定されている。しかもこのテスト市場において、同社を含めた上場企業の占有率はわずか1%にとどまっており、一部は非上場のテスト企業が行っているものの、大部分はSIerが内部で行っているのが実情である。
SIerにとっては、この37%を占めるテスト工程を外注することで、空いたリソースを新しい開発案件に振り向けることが可能となるほか、工程の短期化や品質担保、人的リソースの最適化による生産性向上にもつながる。一方でユーザー側のメリットは、テスト工程に割く人員の削減、品質維持、発注先のSIer・開発会社への手戻り工数の減少などが挙げられる。このような点から、ソフトウェアテスト市場では、今後も外注比率が上昇すると予想され、同社にとっては追い風と言える。
2. 基本戦略
主に(1) 人的資本への投資、(2) エンタープライズ領域の拡大、(3) 知的財産の拡大、(4) M&Aと組織強化の4つの基本戦略を実行し、投資をコントロールすることで「規模成長」と「高利益率」を両立させる計画だ。
(1) 人的資本への投資
積極的、計画的な人材採用、未経験人材の早期戦力化、キャリア人材の高スキル化、外部人材の有効活用を推進することで、成長を持続させる。
(2) エンタープライズ領域の拡大
専門部署の設置、ハイレイヤーの採用、外部との協業、ナレッジ蓄積を推進することで、利益率の向上と参入障壁の構築を目指す。
(3) 知的財産の拡大
テスト・教育ノウハウの蓄積、ナレッジ蓄積、新規技術の開発、新技術企業への投資・協業を推進することで、参入障壁を構築し、新たな価値を創造する。
(4) M&Aと組織拡大
既存領域のM&A、ポートフォリオの多様化、M&A組織体制の最適化、グループガバナンスの向上を推進することで、売上、企業価値、環境変化対応力の向上を図る。
3. 数値目標
定量的な目標としては、2024年3月期に売上高100億円を掲げている。2023年3月期の売上高予想が88.4億円であることから、この目標はすでに射程圏と言えるだろう。なお利益目標については、次のステップに向けての投資計画などがあるため、現時点では開示していない。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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1. 事業環境
バルテス<4442>を取り巻く今後の事業環境(市場の拡大等)は、以下のような点から追い風であると言える。
(1) ターゲット業界の成長性
今後、同社が狙っていく市場は当然ながら各種のソフトウェアやIT業界となるが、世界のソフトウェアテスト市場の年平均成長率(CAGR(Compound Annual Growth Rate))は12.4%と予想されており、業界そのものが高い成長を遂げる可能性が高い。
(2) ソフトウェアテストの外注比率の上昇
同社の調べによれば、国内のソフトウェア業界の売上高(2020年)は16.7兆円であり、このうち約37%(約6.2兆円)がテスト工程であると推定されている。しかもこのテスト市場において、同社を含めた上場企業の占有率はわずか1%にとどまっており、一部は非上場のテスト企業が行っているものの、大部分はSIerが内部で行っているのが実情である。
SIerにとっては、この37%を占めるテスト工程を外注することで、空いたリソースを新しい開発案件に振り向けることが可能となるほか、工程の短期化や品質担保、人的リソースの最適化による生産性向上にもつながる。一方でユーザー側のメリットは、テスト工程に割く人員の削減、品質維持、発注先のSIer・開発会社への手戻り工数の減少などが挙げられる。このような点から、ソフトウェアテスト市場では、今後も外注比率が上昇すると予想され、同社にとっては追い風と言える。
2. 基本戦略
主に(1) 人的資本への投資、(2) エンタープライズ領域の拡大、(3) 知的財産の拡大、(4) M&Aと組織強化の4つの基本戦略を実行し、投資をコントロールすることで「規模成長」と「高利益率」を両立させる計画だ。
(1) 人的資本への投資
積極的、計画的な人材採用、未経験人材の早期戦力化、キャリア人材の高スキル化、外部人材の有効活用を推進することで、成長を持続させる。
(2) エンタープライズ領域の拡大
専門部署の設置、ハイレイヤーの採用、外部との協業、ナレッジ蓄積を推進することで、利益率の向上と参入障壁の構築を目指す。
(3) 知的財産の拡大
テスト・教育ノウハウの蓄積、ナレッジ蓄積、新規技術の開発、新技術企業への投資・協業を推進することで、参入障壁を構築し、新たな価値を創造する。
(4) M&Aと組織拡大
既存領域のM&A、ポートフォリオの多様化、M&A組織体制の最適化、グループガバナンスの向上を推進することで、売上、企業価値、環境変化対応力の向上を図る。
3. 数値目標
定量的な目標としては、2024年3月期に売上高100億円を掲げている。2023年3月期の売上高予想が88.4億円であることから、この目標はすでに射程圏と言えるだろう。なお利益目標については、次のステップに向けての投資計画などがあるため、現時点では開示していない。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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