ミンカブ・ジ・インフォノイドのIR情報
2026年3月期第1四半期通期決算説明会(要約) 開示日2025年8月14日
1.サマリ 2026年3月期第1四半期は、前年度の大規模な事業・資産整理と固定費削減効果が顕著に現れ、期初から安定的な利益体質を確立。営業黒字を継続できる構造が定着し、計画通りの滑り出しとなった。固定費抑制と安定売上の両立により利益変動を抑制、EBITDAも急速に改善し、第2四半期以降の順調な推移が見込まれる。金融機関とのリスケジュール合意により、返済負担を軽減しつつ早期のGC注記解消を目指している。 2.業績概況 (1)連結 連結売上高は前年同期比で増収。メディア事業は不採算撤退の影響で一時的に減収も、ソリューション事業の堅調な伸長が全体を牽引。固定費削減効果により営業利益・EBITDAとも大幅改善し、通期目標(売上高87億円、営業利益3億円、EBITDA12億円)に向け極めて順調に推移した。営業利益は前年同期比約3億円増、利益創出体制の定着が明確化している。 (2)ソリューション事業 ソリューション事業では、情報ソリューションとSI・パッケージ両領域でストック収益が拡大し、前年同期比7%増。固定費削減も進み、ストック収益のみで固定費を賄う構造を実現。Kabutanプレミアム値上げ効果も寄与し、利益率が大幅に改善した。安定収益を投資原資とした再投資サイクルが形成されている。 (3)メディア事業 メディア事業は減収ながらも黒字転換。固定費21%削減により安定黒字化を実現。広告依存型からクリエイターズエコノミーやコマースなど非トラフィック型収益へとシフトが進展し、変動リスクの低い収益構造へ移行した。 (4)全社費用及びキャッシュ・フロー 全社的にはAI活用やシステム刷新による効率化で固定費を15%削減。EBITDAは前期▲6億円から+2.9億円へ急回復。納税による一時的資金減少を除けば営業CFはプラスを維持し、キャッシュポジティブを確保。金融機関との条件変更契約(タームローン56.8億円・シンジケート19億円)締結により、成長を阻害しない返済スケジュールと資金留保を両立。自己資本比率も上期末に倍増見通し。 3.通期見通し 通期進捗も好調で、営業利益進捗率は25%超。費用削減が計画を上回り、安定収益と高収益体制が確立。既存資産の活用も進み、成長フェーズへの布石が整った。 4.セグメント別事業トピックス 既存資産活用では、ソリューション事業で「Robot Report AI」による投信レポート自動化、「MINKABUアカデミー」による職域資産形成支援、海外証券向け情報配信などAI・DX・海外展開を推進。メディア事業では、AIニュース生成「livedoor ECHOES」、ブログ漫画課金(ピッコマ連携)、TikTok×UNIVERSE PULSE連携などによりUGCとAIを融合した新収益モデルを展開している。 結果として、黒字定常化・資金安定化・資産活用という3本柱で成長基盤を確立。金融リスク低減と共に、両事業でのパートナー戦略拡大が進んだ。株主優待も「Kabutanプレミアム」無料クーポンに統一し、還元強化とサービス利用促進を両立。 総じて、構造改革の成果により営業黒字を定常化し、EBITDA・財務体質ともに急回復。既存アセットを核に新サービス創出が進み、安定収益体質から次の成長フェーズへ移行している。当社は「情報の価値を具現化する」というミッションのもと、金融・メディア・テクノロジーの融合による持続的な企業価値向上を目指す。
編集責任者
株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド
ファイナンス&ストラテジー本部
前田 陽介