阿波製紙、今期最終を一転赤字に下方修正、未定だった配当は無配転落

　阿波製紙 <3896> が3月17日大引け後(17:00)に業績・配当修正を発表。20年3月期の連結最終損益を従来予想の2億5000万円の黒字→8000万円の赤字(前期は3600万円の黒字)に下方修正し、一転して赤字見通しとなった。ただ、通期の連結経常利益は従来予想の1000万円→2億円(前期は3億6000万円)に20倍上方修正し、減益率が97.2％減→44.4％減に縮小する見通しとなった。

　会社側が発表した下方修正後の通期計画に基づいて、当社が試算した10-3月期(下期)の連結最終損益も従来予想の2億9100万円の黒字→3900万円の赤字(前年同期は9300万円の赤字)に減額し、一転して赤字計算になる。

　業績悪化に伴い、従来未定としていた期末一括配当を見送る(前期は7円)とし、9期ぶりに無配転落する方針とした。

株探ニュース

会社側からの【修正の理由】
　　2020年3月期の通期連結業績予想は、主に中国市場での受注が減少した影響により、前回発表時を下回る見通しとなりました。損益面においては、営業利益が人件費及び経費の減少により、経常利益は原材料の補償金等を営業外収益に計上するため、予想を上回る見込みとなりました。　親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、後述する繰延税金資産の取り崩しにより、予想を大きく下回る見込みとなりました。※業績予想数値につきましては、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績は様々な要因により異なる可能性があります。

　　将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保するため、これまで未定としておりました2020年3月期の期末配当予想につきましては誠に遺憾ながら無配とさせていただきます。●繰延税金資産の取り崩しについて　当社グループは、近年の業績動向等を踏まえ繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、2020年3月期決算において繰延税金資産を取り崩し、法人税等調整額を472百万円計上する見込みとなりました。