GMOペパボのニュース
GMOペパボ、通期業績予想を上方修正し、1株当たり40円から53円に増配 配信者向け新規事業「Alive Studio」提供開始
2024年12月期 3Q決算 業績サマリー
佐藤健太郎氏:代表取締役社長の佐藤です。本日はお忙しい中、説明会へご参加いただきありがとうございます。GMOペパボ2024年12月期第3四半期決算説明会を開始します。
今回の決算サマリーです。通期の業績見通しが上振れたため、本日の決算発表に合わせて、通期業績予想の修正を行っています。期末配当予想も1株当たり40円から53円に修正しています。
ホスティング事業は価格改定効果が継続し、売上・利益ともに好調でした。
「カラーミーショップ」は制作代行案件が好調に推移した結果、増収となり、営業利益はカスタマーサポート部門のコストが減少し、増益となりました。「SUZURI」「minne」のフロー型ビジネスは、EC市場の落ち込みを受け、減収となりました。
その他については、期初にお伝えした新しいサービスの提供が始まりましたので、後半でご紹介します。
AGENDA
本日のアジェンダです。第3四半期の決算概況をご説明したのち、新サービスについてご説明します。
資料後半には、参考資料として会社概要やサービスのご説明も掲載していますので、お時間のある際にご覧ください。
2024年12月期3Q決算 連結業績
決算概要です。連結売上高は、金融支援事業の買取基準を厳格化した結果、請求書買取額が減少し、前年同期比98.5パーセントの81億500万円となりました。
営業利益は、貸倒関連費用が大きく減少し、7億8,200万円となりました。経常利益、純利益はスライドに記載のとおりです。
2024年12月期 通期業績予想の上方修正
通期業績予想の修正についてご説明します。スライドの表内の青い枠で囲まれた数値が、今回修正後の通期見通しです。
売上高は108億3,100万円、営業利益は8億2,000万円となり、期初予想と比べて売上高は減収、営業利益は増益を見込んでいます。
金融支援事業の買取基準厳格化に伴い、延滞率の抑制を優先した結果、債権買取額が期初予想より伸びなかったほか、フロー型のEC関連サービスが弱含み、売上高は減収となりました。一方、AI活用によりカスタマーサービスコストが減少したほか、プロモーションコストの未消化により、営業利益は増加しました。
経常利益以下は、スライドに記載のとおりです。また、業績修正に合わせ、配当額は1株当たり40円から53円に増配しました。
連結業績推移(四半期ごと)
四半期の売上高と営業利益の推移です。売上高はホスティング事業の価格改定効果を受け、前年同期比で増収となりました。営業利益は安定的に推移しています。
売上高(ストック型ビジネス)
業績を牽引するストック型ビジネスの四半期売上高です。ホスティング事業と「カラーミーショップ」を合算したストック型収益は、ホスティング事業の価格改定効果が継続し、売上高が積み上がっています。
2024年12月期第3四半期累計のストック型収益は、前年同期に比べて2億9,000万円増加しました。
営業利益の増減分析(3Q累計)
営業利益の増減分析です。昨年計上した貸倒関連費用が大幅に減少したことに加え、AI活用によるコスト改善により大幅増益となりました。
2024年12月期3Q セグメント別業績
第3四半期累計のセグメント別売上高と営業利益です。ホスティング事業は価格改定効果と高単価プランの比率上昇により、増収増益となりました。
EC支援事業とハンドメイド事業は、EC市場の落ち込みを受け減収となりましたが、効果的なコスト運用をした結果、営業利益は前年並みでした。金融支援事業は、買取基準厳格化により請求書買取額が減少しましたが、貸倒関連費用が減ったことで損失幅は縮小しました。
なお、2024年8月に実施した組織変更に伴い、第3四半期連結会計期間より、その他に含まれていたカスタマーサービス部門を、ホスティング事業、EC支援事業、ハンドメイド事業へ区分変更しています。期間比較を容易にするため、2023年以降の数値も各事業に含めて表記しています。
ホスティング事業
セグメント別の業績です。ホスティング事業の売上高は、前年同期比107.2パーセントの45億6,300万円、営業利益は前年同期比112.0パーセントの14億8,800万円となりました。
「ロリポップ!」「ムームードメイン」ともに価格改定効果が継続し、好調に推移しています。「ロリポップ!」の営業利益が前年割れしていますが、「ロリポップ!for Gamers」の開発に伴う人員リソースの集約により、コストが増加しています。
ホスティング事業 KPI推移、サーバー売上
ホスティング事業のKPI推移です。ホスティング事業では、現状の「ロリポップ!」「ムームードメイン」によるストック型収益に加え、新サービスの収益が上乗せされています。引き続き、「ムームーサーバー」と「ロリポップ!for Gamers」の契約件数獲得により、ストック型収益の積み上げを目指します。
顧客単価については、価格改定の効果が続いたため、契約件数が減少した「ロリポップ!for Gamers」では横ばい、「ムームードメイン」は前年同期比で上昇しました。
ホスティング事業 直近提供を開始したサービス
ホスティング事業において、直近で提供を開始したサービスです。「ロリポップ!for Gamers」では、引き続きタイトル増加による利用者拡大を目指しています。直近でも8タイトルの新規対応ゲームを発表し、全14タイトルに対応しています。
「ムームーサーバー」は今期5,000件の新規契約獲得を目指していましたが、第3四半期累計新規契約件数は4,570件となり、順調に件数も積み上がっています。したがって、年内の新規契約件数の目標を6,000件に上乗せし、引き続き契約件数の積み上げを目指します。
EC支援事業
EC支援事業の売上高は、前年同期比97.3パーセントの22億2,200万円となりました。営業利益は前年同期比115.2パーセントの5億8,600万円となりました。
売上高は「カラーミーショップ」のIT導入補助金を活用した制作代行案件が増え、前年同期比で増収となりました。「SUZURI」は流通額の落ち込みにより、減収となりました。
営業利益は、AI活用によるカスタマーサービス部門のコストが減少し、「カラーミーショップ」は増益となりました。しかしながら、「SUZURI」は流通額減少の影響を受け、損失計上となりました。
EC支援事業 KPI推移(カラーミーショップ)
EC支援事業のKPI推移です。「カラーミーショップ」の店舗流通額は、前年に加え業績好調な店舗の流通が拡大し、前年度比106.1パーセントの478億円となりました。
「カラーミーショップ」の有料プラン契約店舗の1店舗あたりの四半期流通額と顧客単価は、前年同期比で増加しています。引き続き、上位店舗やプレミアムプランの契約獲得によるストック収益増加を目指します。
EC支援事業 KPI推移(SUZURI)
オリジナルグッズ作成・販売サービスの「SUZURI」は、サイト訪問者数は増加したものの購入率が低下し、流通額は前年同期比で減少しました。
「SUZURI」では、インターネット上での動画・ライブ配信を行うクリエイターが増加傾向にあります。動画ページに「SUZURI」のグッズを表示する機能を提供することで、ファンのみなさまのエンゲージメント強化やクリエイターのグッズ販売を支援し、利用拡大を目指します。
ハンドメイド事業
ハンドメイド事業の「minne」についてです。売上高は前年同期比88.0パーセントの9億9,500万円、営業利益は前年同期比414.9パーセントの4,500万円となりました。
EC市場の落ち込みを受け流通額が減少した結果、売上高は減収となりました。その一方、作家向けの販促活動を支援する「minne広告」の提供によって利益率が改善し、前年同期比で増益となりました。
ハンドメイド事業
「minne」の流通額は、低価格帯を中心とした作品の販売が苦戦し、伸び悩みが続いています。
今後の施策として、作家向けの有料会員サービス「minne PLUS」では、引き続き作品販売をサポートするさまざまな機能の拡充を図り、利用者拡大を目指します。また、11月30日、12月1日には「minneのハンドメイドマーケット2024」を、さいたまスーパーアリーナにて開催する予定です。
金融支援事業
金融支援事業の売上高は、前年同期比58.3パーセントの3億2,200万円、営業利益は若干のマイナスになりました。
売上高は、買取基準を厳格化したことで請求書買取額が減り、減収となりました。一方、営業損失は、昨年計上した貸倒関連費用の減少や債権回収に取り組んだため、損失幅が縮小しました。
金融支援事業 KPI推移
金融支援事業のKPIです。請求書買取額は基準の厳格化に伴い、引き続き低水準となっています。
貸倒関連費用による営業利益への影響については、債権回収が徐々に進み、営業利益を押し上げています。セグメントのご説明は以上です。
クリエイター・エコノミー市場へのサービス提供
2024年10月に提供開始した、配信者やVTuber向けの配信画面作成サービス「Alive Studio」についてご説明します。スライドの図はクリエイター・エコノミー市場において、サービスを提供する企業群をまとめたものです。
近年、クリエイターによるインターネット上での表現活動は幅広く行われています。昔であればブログやホームページ上でのテキストによる表現から、現在は動画やライブ配信などコンテンツを通じた表現が増加しています。また、ゲーム配信やスキルシェア、つながりといった新しいサービスも誕生しています。
特に国内のライブストリーミング市場は、2023年の5,000億円規模から2030年には2兆5,000億円という、急成長が予想されています。この成長市場において、我々もユーザーのみなさまのニーズに応えるサービスを提供したいと考えています。
技術進化とGMOペパボのサービス提供
これまでの技術進化の歴史の中で、私たちは技術のハードルを下げ、表現する方々のアウトプットを支援してきました。
インターネットが普及し始めた2000年代には、ブログやホームページを使って自己表現するのがトレンドでした。私たちはその時代に、誰もが手軽にWebサイトを持てる「ロリポップ!」というサービスを立ち上げ、表現者の裾野を広げることに成功しました。
2010年代には、スマートフォンの急速な普及とともに、表現活動は画像や動画、音楽へと多様化していきました。私たちはそのような時代の変化に対応し、ハンドメイドマーケットの「minne」やオリジナルグッズ作成サービス「SUZURI」など、クリエイターの可能性を広げるサービスを展開してきました。
2020年代になり、5GやSNSの進化により、動画やライブ配信が急速に普及しています。私たちはこちらの配信領域において、専門知識や高額な機材がなくても、誰もが自由に表現できる世界を実現したいと考え、配信分野におけるクリエイターの技術的なハードルを下げ、アウトプットの可能性を広げる新しいプロジェクトを立ち上げました。
20年にわたって表現活動のハードルを下げて、アウトプットを支援してきた私たちだからこそ、ライブストリーミングをはじめとする配信分野においても、配信を行うハードルを下げるサービス提供ができるのではないかと考えています。
Alive Projectサイトオープン及びストリーマーマガジンを提供開始
2024年9月には、「Alive Project」という専用サイトをオープンし、配信者向けのWebメディア「ストリーマーマガジン」を公開しました。
こちらでは配信に関する最新のトレンドやイベント情報、実践的なノウハウの発信を行い、配信文化を盛り上げていきます。
新サービスAlive Studioを提供開始
10月には新サービス「Alive Studio」を開始しました。一般的に動画やライブ配信を行うためには、配信ソフトの設定や機材の準備、画面レイアウトのデザインなど多くのハードルが存在します。特に、クオリティの高い配信画面を作るには、専門的なデザインスキルや高額の素材の購入が必要とされ、初心者にとっては難しいのが現状です。
「Alive Studio」では、そのような配信したいユーザーの配信までのハードルを下げ、よりクオリティの高いアウトプットができるように支援します。
まずは配信ユーザーの中でも、VTuberをターゲットとし、今後さまざまな配信者に利用いただけるような機能拡充を行います。また、月額3,300円の有料サービスを提供する予定ですが、11月末まで無料キャンペーンを行っています。
「Alive Studio」を通じて、より多くの方にサービスを利用いただきたいと考えています。
Alive Studioにて企業コラボも開始
「Alive Studio」については、サービス提供開始直後に、国内外から大きな反響をいただきました。特にSNSでは、グローバルでの評価も高まりつつあります。
大手企業とのコラボレーションも開始しています。松竹とのパートナーシップにより、劇場アニメ『がんばっていきまっしょい』とコラボレーションし、映画の中のキャラクターや背景、小物などを「Alive Studio」内の素材として提供しています。
今後も新たなコンテンツを提供することで、配信者がよりオリジナリティあふれるコンテンツを創出できる環境を整えていきます。配信分野のハードルを下げ、誰もが簡単に動画や配信を通じてアウトプットができる未来を目指していきます。
GMO即レスAIの導入開始(奄美市役所)
お問い合わせ対応のAI導入支援サービス「GMO即レスAI」についてご説明します。10月1日より、奄美市役所にて「GMO即レスAI」を導入いただき、「AIコクトくん」として運用を開始しています。
奄美市役所は、市民のみなさまからの問い合わせに対して、窓口や電話での有人対応を行っているため、多くの人的リソースが必要としていたのが課題でした。また、休日や夜間の受付時間外対応ができないという課題もありました。
特に問い合わせの多い、ごみ・リサイクルに関する内容や、その他の市役所業務全般に関するお問い合わせを、「GMO即レスAI」を導入することで課題解決を支援しています。
GMO即レスAIの導入開始(株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ)
10月25日には、KDDIウェブコミュニケーションズが提供するホームページ作成サービスの「ジンドゥー」で「GMO即レスAI」の導入を開始しました。
KDDIウェブコミュニケーションズでは、これまでユーザーからの問い合わせの対応に時間を要していたほか、土日祝日は受付時間外となり、回答が遅れるという課題がありました。
24時間365日の問い合わせ対応が可能な「GMO即レスAI」を採用いただくことで、ユーザーサポート業務の課題解決を支援しています。
「GMO即レスAI」については、大手企業からの導入案件も増えてきており、業務効率化への期待が高まっています。今後もこのような実績を積み重ね、人手不足が深刻化する日本の社会課題解決に貢献していきたいと考えています。
私からのご説明は以上となります。ありがとうございました。
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