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ウイルプラスホールディングスのニュース
■要約
ウイルプラスホールディングス<3538>は、輸入車販売事業を行う4社の連結子会社を持つ純粋持株会社である。Jeep、FIAT、BMW、MINI、VOLVO、PORSCHEなど10ブランドの正規ディーラーとして、創業の地である福岡県を始め、東京都や神奈川県、山口県、東北エリアなどで34店舗を展開している(2021年12月末現在)。
1. 市場環境
日本政府は2021年4月に、2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにする「脱炭素社会の実現」達成のために、2030年度のCO2排出量を2013年度比で26%削減から46%削減に引き上げることを発表した。また、6月に発表された「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」では、遅くとも2030年代半ばまでに乗用車の新車販売の全てを電動車化するための包括的な措置を講じている。脱炭素化で先頭を走る欧州では、各自動車メーカーがEV※1化で日本に先行しているが、同社が取扱うブランドはEVが豊富であることから、同社にとっては追い風と言える。攻めの経営をする同社では、加速するEV化での先行者利得を追求する方針で、EV化に向けた設備投資を行っている。一方、EVの先にある潮流が「CASE※2」であるが、このうちコネクテッド化による車輌整備が重要となる。同社はメンテナンスパッケージ及び新車保証等により整備入庫率を上げ、車輌整備事業の基盤強化を目指す方針である。なお、欧州ではEVの整備作業は高電圧システムの取扱いとみなされており、高電圧システムが取り扱える資格取得が重要になる。これらを踏まえ同社では、販売だけでなく整備面でも人材育成に取り組む方針である。
※1 Electric Vehicleの略、電気自動車。
※2 Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)の頭文字をとった造語。
2. 業績動向
2022年6月期第2四半期の連結業績は売上高が19,968百万円※、営業利益が前年同期比13.0%増の1,362百万円となり、上場以来最高を更新した。商品入荷の遅れ等による影響はあるものの、高額車輌を中心に納車が進んだほか、2021年6月期に新規出店した店舗が売上に貢献した。また、好調な新車販売に付随して、車輌整備や保険等のストック型ビジネスも堅調に推移した。利益面では、新車を中心に売上が伸長し売上総利益が増加したほか、利益率の高いストック型ビジネスが寄与した。
※2022年6月期の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)(以下、「収益認識に関する会計基準」)等を適用してるため、売上高の対前年同期増減率は記載していない。
2022年6月期の連結業績については期初予想を据え置き、売上高で41,067百万円※、営業利益で前期比6.1%減の2,149百万円としている。通期予想に対する進捗率は売上高で48.6%、営業利益で63.4%、経常利益で64.1%と順調に推移しているものの、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)による新車供給状況がいまだ不透明なことを鑑み、予想を据え置いた。2022年6月期下期は、前期に新規出店した店舗が売上に貢献することに加え、既存店舗においても受注が順調に推移する見込みである。また、引き続き資源の経営有効活用やIT化の促進により、業務効率化を図っていく方針だ。
※2022年6月期の期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用しているため、売上高の対前期増減率は記載していない。
3. 株主還元策
配当性向について、同社はこれまではおおむね15%前後を目途としていたが、2021年6月期より17.5%、2022年6月期からは20.0%の目途へ引き上げた。2022年6月期については、配当性向の目途を引き上げたことから期初計画では1株当たり29.13円(中間配当5.0円、期末配当24.13円)を計画していたが、2022年2月に配当予想の修正を発表した。これは、株主への公平な利益還元の観点より株主優待制度の廃止することに伴い、1株当たり1.12円の特別配当の実施を決定したことによる。この結果、1株当たり年間配当金は30.25円(中間配当5.0円、期末配当25.25円)、配当性向は20.8%となる予定だ。なお、今後は配当等により安定的な利益還元を継続していく方針である。
■Key Points
・加速するEV化に積極的に対応することで、先行者利得を追求
・2022年6月期第2四半期は売上高及び営業利益で上場以来最高を更新、通期予想に対する進捗は順調に推移
・2022年6月期は4期連続の増配を計画
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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ウイルプラスホールディングス<3538>は、輸入車販売事業を行う4社の連結子会社を持つ純粋持株会社である。Jeep、FIAT、BMW、MINI、VOLVO、PORSCHEなど10ブランドの正規ディーラーとして、創業の地である福岡県を始め、東京都や神奈川県、山口県、東北エリアなどで34店舗を展開している(2021年12月末現在)。
1. 市場環境
日本政府は2021年4月に、2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにする「脱炭素社会の実現」達成のために、2030年度のCO2排出量を2013年度比で26%削減から46%削減に引き上げることを発表した。また、6月に発表された「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」では、遅くとも2030年代半ばまでに乗用車の新車販売の全てを電動車化するための包括的な措置を講じている。脱炭素化で先頭を走る欧州では、各自動車メーカーがEV※1化で日本に先行しているが、同社が取扱うブランドはEVが豊富であることから、同社にとっては追い風と言える。攻めの経営をする同社では、加速するEV化での先行者利得を追求する方針で、EV化に向けた設備投資を行っている。一方、EVの先にある潮流が「CASE※2」であるが、このうちコネクテッド化による車輌整備が重要となる。同社はメンテナンスパッケージ及び新車保証等により整備入庫率を上げ、車輌整備事業の基盤強化を目指す方針である。なお、欧州ではEVの整備作業は高電圧システムの取扱いとみなされており、高電圧システムが取り扱える資格取得が重要になる。これらを踏まえ同社では、販売だけでなく整備面でも人材育成に取り組む方針である。
※1 Electric Vehicleの略、電気自動車。
※2 Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)の頭文字をとった造語。
2. 業績動向
2022年6月期第2四半期の連結業績は売上高が19,968百万円※、営業利益が前年同期比13.0%増の1,362百万円となり、上場以来最高を更新した。商品入荷の遅れ等による影響はあるものの、高額車輌を中心に納車が進んだほか、2021年6月期に新規出店した店舗が売上に貢献した。また、好調な新車販売に付随して、車輌整備や保険等のストック型ビジネスも堅調に推移した。利益面では、新車を中心に売上が伸長し売上総利益が増加したほか、利益率の高いストック型ビジネスが寄与した。
※2022年6月期の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)(以下、「収益認識に関する会計基準」)等を適用してるため、売上高の対前年同期増減率は記載していない。
2022年6月期の連結業績については期初予想を据え置き、売上高で41,067百万円※、営業利益で前期比6.1%減の2,149百万円としている。通期予想に対する進捗率は売上高で48.6%、営業利益で63.4%、経常利益で64.1%と順調に推移しているものの、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)による新車供給状況がいまだ不透明なことを鑑み、予想を据え置いた。2022年6月期下期は、前期に新規出店した店舗が売上に貢献することに加え、既存店舗においても受注が順調に推移する見込みである。また、引き続き資源の経営有効活用やIT化の促進により、業務効率化を図っていく方針だ。
※2022年6月期の期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用しているため、売上高の対前期増減率は記載していない。
3. 株主還元策
配当性向について、同社はこれまではおおむね15%前後を目途としていたが、2021年6月期より17.5%、2022年6月期からは20.0%の目途へ引き上げた。2022年6月期については、配当性向の目途を引き上げたことから期初計画では1株当たり29.13円(中間配当5.0円、期末配当24.13円)を計画していたが、2022年2月に配当予想の修正を発表した。これは、株主への公平な利益還元の観点より株主優待制度の廃止することに伴い、1株当たり1.12円の特別配当の実施を決定したことによる。この結果、1株当たり年間配当金は30.25円(中間配当5.0円、期末配当25.25円)、配当性向は20.8%となる予定だ。なお、今後は配当等により安定的な利益還元を継続していく方針である。
■Key Points
・加速するEV化に積極的に対応することで、先行者利得を追求
・2022年6月期第2四半期は売上高及び営業利益で上場以来最高を更新、通期予想に対する進捗は順調に推移
・2022年6月期は4期連続の増配を計画
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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