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【QAあり】RS Technologies、ウェーハ再生事業は新工場の受注等により堅調に推移 下期は設備投資効果の寄与で更なる成長を見込む
目次
遠藤智氏(以下、遠藤):本日は、当社の2024年12月期第2四半期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。取締役上席執行役員の遠藤です。
決算概要からご説明します。会社概要と事業内容については、2023年12月期通期決算説明会の動画や書き起こしをご参照いただけると幸いです。
2024年12月期第2四半期決算概況
2024年12月期第2四半期の決算概況についてご説明します。売上高は前年同期比15パーセント増の300億6,800万円、営業利益は前年同期比4.8パーセント減の60億8,200万円、経常利益は前年同期比2パーセント増の78億9,600万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比2.9パーセント増の38億3,300万円となりました。
2024年第2四半期セグメント動向
セグメントごとの動向です。ウェーハ再生事業は、売上高、営業利益ともに堅調に推移しています。各地で新設された半導体製造工場からのテストウェーハの受注も始まっています。下期からは2024年の設備投資効果も寄与してくるため、さらなる成長を目指せると考えています。
プライムウェーハ事業は、2023年からの中国市況減速の影響が続き、前年同期比はマイナスとなっています。2024年の足元の業績としては、売上高、営業利益ともに増加傾向です。期初から想定している2024年下期からの市況回復に向けて、プラスの動きが見えてきています。
半導体関連装置・部材等事業は、第1四半期の大口スポット案件の影響もあり、大幅増収となっています。営業利益はまだ前年には到達していませんが、確実に回復のトレンドに入ってきていると見ています。
2024年12月期 第2四半期 セグメント別動向 四半期実績グラフ
セグメント別の四半期実績グラフです。第2四半期の再生ウェーハ事業は、引き続き高収益体質を維持できています。毎期、第2四半期は日本と台湾工場にて定期メンテナンスを実施しているため、各四半期より営業利益率が2ポイントほど低下していますが、計画どおりの推移となっています。
プライムウェーハ事業では、中国半導体市況回復の兆しが見えてきており、第1四半期比では増収増益となりました。出荷数量は、需要増加を背景に、8インチを中心にすべてのサイズで伸長しました。
半導体関連装置・部材等事業では、商社機能での超音波検査装置販売が好調に推移しました。DG Technologiesは半導体市況の回復により、収支が改善傾向となっています。
貸借対照表
貸借対照表です。純資産は、前年期末比146億円増の1,300億円となっています。
中期経営計画(2024-2026)の概要(ベースプラン)
中期経営計画の進捗についてご説明します。第2四半期は、短信にて公開している上期の業績予想に比べて、売上高は13.4パーセント増、経常利益は8.1パーセント増、中間純利益は3.5パーセント増で着地しました。
売上高増加の主な要因は、第1四半期に半導体関連装置・部材等事業において、バルクセールの大口案件獲得の影響によるものです。全体として、期初から下期偏重を想定しているため、今のところ営業利益に関しても大きなブレはないと見ています。
半導体市況が回復となると言われている下期には、さらなる成長を遂げられるように取り組んでいきます。
中期経営計画(2024-2026)の概要(アップサイドプラン-目標値)1/2
アップサイドプランの目標値到達に向けて、現在一丸となって取り組んでいるところです。
バナジウムレドックスフロー電池を用いた再生可能エネルギー事業のLEシステムはすでに受注を獲得し、製造を開始しています。その他にも、引き合い・交渉中の案件もあるため、計画達成に向けて邁進していきます。2026年計画の売上高240億円の達成に向けては、生産キャパシティの拡大のための投資が必要であると考えています。投資の詳細は社内で検討中の段階のため、決定次第開示します。
M&Aに関しては、ヘリオス テクノホールディングスのTOBは不成立となりましたが、引き続き、案件開拓・パイプラインの精査など、中期経営計画達成に向けて動いています。
設備投資計画:ウェーハ再生事業
設備投資計画は、現在は想定どおり進捗しています。日本・台湾での増産投資効果は、第3四半期から業績に寄与してくる見込みです。
設備投資計画:プライムウェーハ事業
プライムウェーハ事業の設備投資計画についてです。8インチプライムウェーハの18万枚への増産キャパシティアップはすでに準備が整い、第2四半期の生産枚数にも寄与しはじめました。
12インチプライムウェーハは、中国国内での半導体市況の状況を観察しながら進めている状況です。今後、中国では半導体内製化に向けた動きが強くなる可能性が十分あると見ていますが、現段階では大きな動きはありません。
市況の流れが変化する際に需要をしっかりと取り込み、シェアを獲得するために、現在は技術力の向上や資金力の維持などの準備をしている段階です。
中国投資計画(スケジュール)
投資計画は、当初計画からの変更は現在ありません。
ウェーハ再生事業の需要先:12インチ半導体“新”工場
ウェーハ再生事業のお客さまとなる半導体新工場からの受注もすでに入ってきています。新工場設立時には、テスト稼働や立ち上げ用途としてテストウェーハが使用されるため、月ごとの波はあるものの、工場の本格稼働前から再生ウェーハの受注が入っていきます。設備投資により生産キャパシティを拡大し、このような需要を取り込んでいきます。
地域戦略 ディカップリングに左右されない地域戦略
ディカップリング戦略も引き続き行っており、仮に米中貿易摩擦が深刻化した場合でも、当社事業およびお客さまへの影響を最小限にできる体制を構築しています。
質疑応答:再生ウェーハの優位性について
司会者:「再生ウェーハにおける競合企業に対する御社の競争力のポイントは何でしょうか?」というご質問です。
遠藤:当社の競争力、他社と比べての強みとして、1つ目に営業力が挙げられます。特に海外のお客さまに対して、競合他社は代理店を挟んで営業を行っているのに対し、当社は直接営業を行い、お客さまのニーズを直接取り込んで、フィードバックしています。
2つ目は、技術的な部分においての再生回数が挙げられます。お客さまがリサイクルできる回数が他社より多いことが当社のプロセスの特徴です。当社は、いかにシリコンウェーハにダメージを与えずに加工するかに重点を置き、各プロセスを行っています。
3つ目は、金属不純物の中でも問題視される元素に銅がありますが、当社独自の技術ではその銅をきれいに洗浄できるため、お客さまにきれいな状態でウェーハをご使用いただけることです。
以上3点が、他社と差別化を図っているポイントになります。
質疑応答:再生ウェーハにおける主な競合相手について
司会者:「再生ウェーハにおける主な競合相手はどのような企業でしょうか?」というご質問です。
遠藤:再生ウェーハの主な競合となる企業は、日本に2社ほど、台湾には3社ほどあります。
質疑応答:ウェーハ再生事業の営業利益率の減少要因について
司会者:「ウェーハ再生事業の前四半期比で、営業利益率が2.3パーセントダウンしている要因を教えてください」というご質問です。
遠藤:第2四半期に日本および台湾で、定期的な大規模メンテナンスを実施した影響です。昨年同様、営業利益率は若干の低下がありますが、計画どおりの推移です。
質疑応答:ウェーハ再生事業の第3四半期足元の状況について
司会者:「ウェーハ再生事業の第3四半期足元の状況について教えてください」というご質問です。
遠藤:再生ウェーハの市場、ニーズは第2四半期も好調でしたが、第3四半期も引き続き好調を予想しています。足元では、半導体市場の景気が回復し、新たに新設された日本国内や海外の半導体工場からの需要がすでに当社にも寄せられてきています。そのような需要も後押しし、第3四半期も好調に推移するのではないかと予想しています。
質疑応答:再生ウェーハ事業における今後の利益率の見込みについて
司会者:「再生ウェーハ事業の利益率は上昇する見込みなのでしょうか?」というご質問です。
遠藤:もともと利益率としては高い水準にあると考えていますので、基本的にはこちらを維持していきたいと思っています。
質疑応答:化合物半導体に対する対応について
司会者:「再生ウェーハ、プライムウェーハについて、シリコンではない化合物半導体に対する対応を教えてください」というご質問です。
遠藤:化合物半導体への取り組みについて、もちろん同じような加工をする世界ですので、状況をウォッチしています。「打って出たほうがよい」というタイミングでは、例えばSiC(シリコンカーバイド)や化合物半導体などへの取り組みも進めていきたいと思っています。
しかし、現時点では具体的な計画にはなっていません。将来的に需要が高まれば、具体的に考えていこうと思っています。
質疑応答:中国の足元の需要改善について
司会者:「プライムウェーハに関して、中国の足元の需要改善の背景を補足してください」というご質問です。
遠藤:当社の現在の主力である8インチパワー半導体は、主にEV、車載、工業製品の半導体に使用されます。そういったものの中国での需要増が、当社の業績にも影響している状況です。
質疑応答:中国国内の車載用半導体の生産状況について
司会者:「中国の8インチプライムウェーハの市場において、EV関連向け需要が好調とのことでしたが、昨今の市場と比べると違和感があります。今でも、中国国内の車載用半導体の生産は増加基調なのでしょうか?」というご質問です。
齋藤:全体の市況として、報道の中ではそのようなお話もあるものの、EV向け、車載向けの中にもさまざまな種類があり、当社が中国で作っている車載向けの製品に関しての需要は高まっており、業績にも反映されています。したがって、当社が提供する製品に対する需要は高まっていると言えます。
質疑応答:中国における8インチプライムウェーハのシェアについて
司会者:「大手同業他社で8インチプライムウェーハの回復が遅れている中で、御社の売上は回復しています。中国で御社の8インチプライムウェーハのシェアが上がっていると考えてよいのか教えてください」というご質問です。
遠藤:他社の8インチプライムウェーハが落ち込んでいる理由は申し上げませんが、当社がターゲットとしているのは中国市場です。中国市場の中でも、主に車載関係、パワー半導体やIGBTなどが主な用途になっていくだろうと思っています。その部分では、中国市場が活発になってきていることが当社の売上・利益増加を後押ししていると考えています。
質疑応答:中国の12インチプライムウェーハ市場の状況について
司会者:「中国の12インチプライムウェーハ市場の状況について、もう少し詳しく教えてください。同業他社は、赤字が続いて苦戦しているところもあるようですが、中期的な見方も含めて教えてください」というご質問です。
遠藤:12インチプライムウェーハの中国市場は、これから確実に大きくなっていくと考えています。ただし、現時点ではまだそこまでの成長は見えておらず、プライムウェーハは他社を含めて先行投資を行っていることもあり、キャパが余っている状況になっています。
他社の投資額はおそらく大きく、そのような市況の中で非常に苦戦しているかと思います。当社は、需要に合ったかたちでの設備投資を進めており、現時点ではお客さまの認定作業やお客さまのニーズに応えられる技術力の蓄積を重点的に進めています。設備投資を市況に合わせ行っているところが他社とは異なっています。
したがって、他社に見られるような大規模なマイナスは、当社では抑えられている状況だと推測しています。今後は、間違いなく中国の12インチプライムウェーハの市場も拡大していくため、それを見極めてタイミングを合わせて設備投資を行い、量産できる体制を実施していこうと考えています。
質疑応答:プライムウェーハの営業利益率の改善要因について
司会者:「プライムウェーハ事業の営業利益率の改善要因について教えてください」というご質問です。
遠藤:プライムウェーハ事業の営業利益率改善について、要因はいくつもありますが、主に材料の調達についてコストダウンができたことが挙げられます。加えて、生産効率を上げて製造コストを下げる取り組みが実を結びました。
質疑応答:中国の12インチプライムウェーハ市場の本格的な立ち上がり時期について
司会者:「中国の12インチプライムウェーハ市場が本格的に立ち上がる時期はいつ頃でしょうか?」というご質問です。
遠藤:予想が難しいところではありますが、今のところ、3年から5年以内を1つの目安にして考えています。3年後ぐらいには、量産化が進むのではないかと考えています。
質疑応答:中国の12インチプライムウェーハ市場における事業環境について
司会者:「中国の12インチプライムウェーハ市場の立ち上がり時期が2027年から2029年頃だとすると、それまでどのような事業環境が想定されるのでしょうか?」というご質問です。
遠藤:2027年を1つの目安とお話ししましたが、そこまでの間でも、中国の12インチプライムウェーハ市場は成長していくと考えています。成長に合わせた投資と、大規模に成長するタイミングできちんと獲得できる体制作りを進めていこうと考えています。
2027年までについては、足元の需要を取り込むことに加えて、将来的に量産化が大規模に行われる際に備えて、お客さまとの連携を進めていきたいと考えています。
質疑応答:半導体製造装置・部材等事業の現状と今後の見通しについて
司会者:「半導体製造装置・部材等事業の現状と、今後の見通しを詳しく教えてください」というご質問です。
遠藤:半導体関連装置については、超音波映像装置・検査装置の需要が引き続き堅調に推移すると思っています。世界各地で、半導体関連の設備投資が進んでいますので、需要は今年、来年と継続すると思っています。
今年、エッチング装置の消耗部材を製造販売するDG Technologiesも改善傾向が見られており、この傾向は今後も続くと期待と想定をしています。
質疑応答:DG Technologiesの回復について
司会者:「DG Technologiesについて、回復のインパクトとなるのはエッチング装置市況の回復かと思います。こちらの回復はどのタイミングになるのか教えてください」というご質問です。
遠藤:おっしゃるとおり、DG Technologiesの回復には、エッチング装置の状況が影響します。報道されているとおり、エッチング装置をはじめとした半導体装置は現在回復基調となっています。
当社に対しての需要も、以前のレベルまで回復しつつあります。第2四半期の業績にも少し効果が出てきており、今年度中に回復していくと考えています。
質疑応答:LEシステムの状況について
司会者:「LEシステムの状況はいかがでしょうか? 可能であれば、どのような案件が入っているのか、詳細を教えてください」というご質問です。
遠藤:今年、北米向け発電所用蓄電池のバナジウム電解液の製造と出荷が始まっています。
質疑応答:LEシステムのターゲット市場とバナジウムレドックスフロー電池の特徴について
司会者:「LEシステムについて、ターゲットとしている市場とポテンシャルを教えてください。また、バナジウムレドックスフロー電池の特徴や、なぜこちらが選ばれているのかを、可能であれば教えてください」というご質問です。
遠藤:主に中国と北米で先行して需要が拡大しています。基本的には、中国と北米向けの需要の取り込みが、当面の受注につながっていくと考えています。
バナジウムレドックスフロー電池の特徴については、基本的には大規模な発電所の蓄電池としての位置づけになります。最近、リチウムイオンバッテリーの事故などが報道されています。バナジウムレドックスフロー電池の1つ目の特徴として、まずは安全であること、火災につながるような事故が起きないことが挙げられます。
2つ目の特徴は、大規模向けに展開しやすく、大規模な発電所向け案件に非常に向いています。
3つ目の特徴は、劣化しないことです。リチウムイオンバッテリーは10年経つと何割か劣化すると言われていますが、バナジウムレドックスフロー電池は基本的には10年、20年経っても性能を維持できます。
このような特徴を踏まえて、発電所向けの蓄電池の需要が世界各地で高まっています。現在は中国、アメリカが先行していますが、いずれは日本での需要も高まってくると思われます。
質疑応答:中期経営計画の進捗達成への確度について
司会者:「中期経営計画の進捗、達成への確度について教えてください」というご質問です。
齋藤進氏(以下、齋藤):中期経営計画(2024-2026)ベースプランについては、2024年は計画どおり順調に進んでいると思っています。ベースプランについては、引き続き計画どおり進めていきます。アップサイドプランについては、今後M&AやLEシステムなどを成長させて、達成できるよう進めていきます。
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