ICDAホールディングスのニュース
【QAあり】ICDAホールディングス、「伊勢オートモール」が盛況 新規ブランド「ヴァーサス」を基軸に、三重県での今後の出店を検討
社名の由来
向井弘光氏(以下、向井弘):代表取締役社長の向井弘光です。投資家や個人のみなさま、本日はお忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。我々のいろいろな会社をご紹介します。
我々のICDAホールディングスという社名は、「International Conglomerate of Distribution for Automobile」の頭文字からきています。国際的な自動車流通業という意味で、ICDAホールディングスという社名をつけました。
代表取締役社長 向井 弘光の経歴と沿革
創業は本田技研工業のホンダのディーラーで、本業です。
その後、さまざまな貿易摩擦の影響から、輸入車の取り扱いを始めました。その時に驚いたのは、アメリカのゼネラルモーターズ(以下、GM)とヨーロッパのフォルクスワーゲンが日本に進出したのですが、GMは貿易摩擦の影響で約3年後、「日本は儲からない」という理由で撤退したことです。
22法人が設立されましたが、アメリカのドライさを実感しました。その中で、我々はホンダを中心に、フォルクスワーゲン、アウディ、スズキの特約店として新車から中古車、リサイクルまで取り扱っています。このような会社は意外と少ないです。
我々は輸入車を取り扱う時に、1ヶ所に1つだけではやはりお客さまの信頼を得られないと感じました。そこで、日本で初めて複数のディーラーが集まるオートモールを作りました。現在は7ヶ所あり、トータルでは35拠点を展開しています。
市場環境
自動車業界は100年に一度の大変革といわれ、新しい時代が来ています。EV車、プラグインハイブリッド車、水素カーなどと多種多様ですが、EV車の時代だといわれており、その先陣を走っているのは中国です。中国はやはり需要も大きく、国策として進めているため、EV車のインターナショナルの評価は高いです。
このように、大きな変化が起きています。もしトランプ氏がアメリカ大統領選に当選すると、アメリカ市場はどうなるのかというと、EV車の普及はそこまで促進しないだろうと思います。率直に言いますと、自動車業界の100年に一度の投資は、まだ不安が多い状況です。
日本の自動車業界では、地方の路線バスや電車の利用が進むのかというと、そのようなことはありません。その点では、モビリティの世界は地域にはなくてはならない存在であり、今後もさまざまなかたちで進化していくと思います。
また、みなさまにお伝えしておきたいのは、コロナ禍の時に、我々ディーラーはほとんど訪問販売ができなかったということです。
電話やSNSでの対応となり、その後も半導体不足で何年も車が来ないという状況が続きました。フォルクスワーゲンは日本市場において、10年間でシェアが半分になってしまいました。
そのような中で、自動車業界では大きな変化が起きています。国際的にはトヨタ自動車をはじめ、ホンダ、スズキはインドで圧倒的に強い立場にあります。
日本の自動車業界や、それを扱うディーラーは、車は法律に定められており、法定点検の12ヶ月点検や車検制度があります。他国と比べると非常に法律に守られています。もちろん安全第一のため当然ですが、そのような業界であるということで、比較的安定した経営ができていると我々は思っています。
我々は、2023年4月から投資を再開しました。脱炭素やEV時代を迎え、銀行に「5年間で60億円の投資をする」とお話しした時に、「支援する」と即座に返事がありました。その結果、発電所付きで、1週間の停電が発生しても充電ができる蓄電方式の伊勢オートモールを2024年4月に作りました。
伊勢オートモールのお客さまの反応は予想以上で、1週間に100台の受注がありました。我々は57年の歴史がありますが、初めてのことで驚きました。おそらくみなさまも我々の業界について理解を深めていると思いますが、本当に驚くべき反応がありました。
多くの方々がバスで見学に来られ、時代の流れを感じました。これから我々は、伊勢街道に発電所付きのEVスタンドを作っていきたいと思っています。停電してもEVスタンドに行けば、1週間程度は充電できるように設置します。
我々はリサイクルをはじめ、あらゆることに取り組んでいることや、リサイクルセンターを持っているため、輸出保税の許可もすべて取得しており、中古車の輸出ができます。
今後、EV車のインフラが整わない時に、我々はガソリン車を買い取ることで、EV車に変えたいと考えています。したがって、我々は買取センターPOINT⑤という買取センターやリサイクルセンターも持っており、非常に強いです。
おかげさまで、我々は三重県で9年連続の中古車小売りナンバーワンです。多くの大手企業が三重県に進出しても我々が優位なのは、リサイクルセンターを持っているからです。修理代が高いと言われた時にリユースパーツがあり、仮に新品の部品代が1万円の修理の場合はリユースパーツを利用し5,000円になる、というような信頼を得て、9年連続三重県の小売りではナンバーワンを維持しています。
伊勢オートモールを設立し、買取、リサイクル、輸出などすべてを行っています。「ガソリン車を買い取ってくれて、新しいEV車の対応としてEVスタンドを活用できるから良い」と、好評を得ています。他のディーラーと比べて、未来型の会社です。
しかし、大手中古車販売会社のように全国に広げるかというと、我々は地域の中でモビリティの世界に貢献したいと考えています。ただ規模だけを追いたくはなく、モビリティの世界で、地域のみなさまに徹底的に貢献したいと考えています。
投資家のみなさまにとってあまり魅力がないかもしれませんが、モビリティの世界で、株式の長期保有という点で、我々は期待していただいて、さまざまな情報を提供できる会社です。
鈴鹿オートリサイクルセンターでは年間2,000名を超える見学者が訪れ、オートモールに関心を持っていただいています。業界のみなさまがバスで来て、オートモールに見学にくるというかたちです。
鈴鹿オートリサイクルセンターや伊勢オートモールの蓄電方式について、中部電力にいろいろなアドバイスをお願いしようと思っていたら、専務の方が「見学したい」とおっしゃって、驚きました。
「停電がないとは言い切れない」「蓄電方式をやっていただけると助かる」とおっしゃっていました。伊勢オートモールは1万平方メートル以上の敷地があるため、ソーラーを張っても非常に可能性があります。鈴鹿オートリサイクルセンターもあり、廃バッテリーを利用して蓄電ができるということが、評価されているとのことでした。そのような点で、我々は自動車ディーラーとして、将来への対応や脱炭素が一番進んでいると自負しています。
これからのEV車時代はどうかというと、まだ非常に迷走中です。メーカー自身がはっきりとまだ、EV車の時代になると言い切っていません。この変わる瞬間がどうかというと、簡単なことです。
ガソリン車よりも維持費が安くなれば、一気に転換していきます。今はまだ明確な答えが出せないのですが、EV車の時代はトータル的なコストとして、EV車のほうが安くなれば、大きな変化が起きると思っています。
ホンダは大衆的なEV車を10月からいよいよ発売します。どのくらいの反応があるか非常に期待していますが、まだアメリカでもプラグインハイブリッド車がかなり人気のようです。その中で、自動車やモビリティの世界は、お客さま自身も我々ディーラーも、どのような方向転換ができるのか、まだ不確実です。
自信を持って「こんな時代だ」とは言えませんが、我々は脱炭素など公害の少ない車の発売をしていきます。自動化が進む中で、安全で脱炭素のような装置がさらにつくことが、専門家として私から報告できるように努めます。
みなさまからご質問をいただきましたが、私が先ほどお話ししたことが、みなさまからのご質問の答えに含まれていると思っています。
車は作りませんが、車を売り、リサイクルまで行っている会社は、日本ではそうはありません。我々の会社について「この会社はモビリティの世界では結構最先端を走っているのだな」と注目していただければ大変嬉しいです。
伊勢オートモール 2024年4月完成
向井俊樹氏(以下、向井俊):代表取締役副社長の向井俊樹です。先ほど社長から説明がありましたとおり、伊勢オートモールの動画を少し見ていただきたいと思います。
(動画が流れる)
動画で見ていただいたとおり、伊勢オートモールは初めての超急速EV充電ステーションです。伊勢の立地はインフラがあまり整備されていないという懸念もあったのですが、EV車が大変走っており、急速充電器が非常に活用されていると認識しています。今後の展開にこのような特色を持たせることは大変重要です。
また、伊勢オートモールでは「ヴァーサス」というブランドを立ち上げました。よくご質問いただくのですが、「ヴァーサス」は全メーカーの中古車を扱っています。ホンダ、アウディ、フォルクスワーゲンはエリアテリトリー制が非常に厳しいため、東海3県を含めたエリアでは「ヴァーサス」を基軸にして、みなさまのお役に立ちたいと考え、今後の出店を計画しています。まずは、1号店となる伊勢オートモールが立ち上がったことをご報告します。
細かい領域については、後ほど資料に沿って、今後の成長戦略をご説明します。
営業環境
営業環境についてです。我々の認識として、少子高齢化による人口減少を感じています。特に労働人口が減ってくるという意味合いでは、私自身も各地域の社長さまとお話ししていますが、人が採れないことを非常に懸念している印象です。
労働人口減少がしばらく続くという予測に加え、消費者の環境意識の高まりも挙げられます。先ほどお話ししたEV車をはじめ、本日も非常に暑いですから、環境認識が高まっていくことと、生活スタイルのデジタル化が今後の予想です。そのような中で、お客さまを増やしていくための取り組みを非常に重要視しています。
後ほど動画でも見ていただきますが、我々の最大の武器である自動車リサイクル事業を基軸にしていきます。
人財の確保・育成や、バリューチェーンクロス・ミックスビジネスの強化にも取り組みます。そして、みなさまにお詫びしなければならないことですが、内部統制などのコーポレートに関しては、引き続き強化していくことをお約束します。
ESGの取り組み
マーケット環境ではESGが注目されているため、こちらのスライドに沿って今後の成長戦略の展開をお話しします。
ESGの取り組み ①環境への取り組み
自動車リサイクル事業についてです。何度か講演しているため、すでにご存知かと思いますが、スライドに記載のような環境事業を順調に推進しています。ただし、初めてご覧になる方もいらっしゃると思いますので、我々の手がけている事業について動画で簡単にご紹介します。
ESGの取り組み ①環境への取り組み
(動画が流れる)
動画では簡単な事例をご紹介しましたが、自動車リサイクル法施行のきっかけは、車の不法投棄です。私の子ども時代にはそのような風景が街中でも見られたのですが、今や車の不法投棄はほとんど見かけなくなりました。そのような意味で、環境ビジネスは日本にとっても重要な位置づけであり、我々の大きな武器になっています。
ESGの取り組み ①環境への取り組み
さらに、地域の小学校を対象に工場を無料開放し、見学者を受け入れています。環境事業としては、人に見てもらうことを非常に重要視しています。私も全国を回ると「解体屋さんだ」と言われるのですが、工場施設に来てもらうと、機械の操作に驚いてもらえます。
社会環境に貢献できる事業を通じて、子どもたちに車に触れてもらい、リサイクルへの認識を訴えていくことは重要だと思います。引き続き活動に取り組んでいきます。
ESGの取り組み ②社会貢献への取り組み
我々は自動車ビジネスを手がけていますが、ディーラー業界で上場する企業は今後おそらく出てこないのではないかというほど、珍しい会社だと思います。
鈴鹿市制70周年で初の上場会社でもあり、ブランドをさらに広めていくためにも、地域の子どもたちにホンダを含めたブランドのスポーツカーにレーサーと一緒に乗ってもらい、車に興味を持ってもらう活動を行っています。
ESGの取り組み ②社会貢献への取り組み
その一環ではないですが、株主総会後には「鈴鹿サーキット マイカーラン走行会」も開催しています。今年は大盛況で、120名ほどの方に参加していただきました。ご夫婦や小さなお子さま、あるいはご友人と一緒にいらっしゃったという方もいて、楽しみの一環として提供できる株主総会後のプランとなっています。こちらについてもご認識いただければと思います。
ESGの取り組み ②社会貢献への取り組み
「鈴鹿サーキット マイカーラン走行会」も動画がありますので、ご覧ください。
(動画が流れる)
鈴鹿サーキットは愛知県から1時間ほどの場所のため、みなさまをご招待できると思っています。我々の株主総会のマイカーラン走行会も5年ぶりの開催でした。みなさまにも期待していただいていましたが、株主の方々と触れ合える貴重な機会でもあるため、継続開催していく考えです。
ESGの取り組み ③人財戦略の取り組み
先ほど、労働人口が減っていくとお話ししましたが、マーケットで生き残るためには人の確保が肝要です。三重県には大学が少ないと言います。私自身も娘がいますが、高校も大学も愛知県の学校に進みましたので、地方の学生が都会に出ていくという流れがあります。そのような中で、企業の生き残りをかけていくという意味でも、上場ブランドが非常に大きい後押しになっています。
ESGの取り組み ③人財戦略の取り組み
先ほど株主総会の様子を見ていただきましたとおり、車の楽しさを集約するかたちで採用活動を進めています。私は中日ドラゴンズのファンなのですが、野球と同様、採用活動はスカウトがやはり大事だと、店長をしながら気づきました。10年間をかけて、一次面接から社長が入り採用活動にトライしています。
大谷翔平選手がすばらしい記録を樹立しましたが、彼はロサンゼルス・ドジャースやロサンゼルス・エンゼルスの人気を高めました。
そのような意味でも、「人が企業をつくっていく」ことを念頭に置くことは変わらず、続けていきたいと考えています。「スターになりたい」という学生たちをスカウトしながら、我々の会社環境を提供する形態を取っており、体育学部の学生が非常に多いことが特色です。
ESGの取り組み ④人財育成
採用活動としてスカウトを10年間続けてきた結果として、営業領域の基軸であるホンダの日本ナンバーワンの営業スタッフを2年連続で地方企業である当社から輩出できました。非常に大きな成果が出ています。
ほかにも多数の賞をいただいており、やはり人が回転していく企業は結果的に強くなっていくということを念頭に置いています。このように今後の成長戦略を組んでおり、人を基軸に成長していくことは崩さずがんばっていきたいと思っています。
ESGの取り組み ⑤女性活躍・社会貢献
当社は4年前から女性活躍推進プロジェクトにチャレンジしています。女性の才能を活かす企業でないと、お客さまに良いものは提供できないと考えています。
その結果の1つとして三重県知事賞をいただくなど、女性ならではのきめ細やかな取り組みがディーラーである我々のパワーとなって、少しずつ形に表れています。今後も女性活躍推進プロジェクトのような取り組みを推進して、企業体としては少し特殊ではあるものの、人財の採用・育成につなげていきたいと思っています。
ESGの取り組み ⑤女性活躍・社会貢献
昨今、南海トラフ地震への備えが叫ばれています。そのため、災害協定についても必ず貢献していかなければいけないと考え、先ほどお伝えした超急速EV充電ステーションもそうですし、災害に対応できる会社づくりについても少しずつ対策しています。
また、女子ハンドボールのトップリーグチームである「三重バイオレットアイリス」を支援しています。三重県にはなかなかスポーツのクラブチームがないのですが、現在は2名の選手を受け入れています。東京オリンピックでは、当チームのキャプテンが日本代表のキャプテンを務め、地域ではブランド力も非常に高いスポーツになっていることをご報告します。
当社のマーケット
「自動車ビジネスは大丈夫なのか?」などと言われる時代でもありますが、三重県は普及台数、保有台数ともに全国では上位のほうのため、しばらくはきちんとした成長がお約束できるかと思っています。
EV・PHV・HV車の市場動向
これからのマーケットの変化についてです。特にEV車は新しい選択肢として街に増えていくのではないかと思います。
従来のガソリン車からハイブリッド車、そしていよいよEV車が選択肢に加わっていく中で、これをチャンスと捉え、成長していきたいと考えています。環境意識もどんどん高まっていますし、そのような事業を持っていることは大きな武器であり、上手にミックスしながら成長していけたらと思います。
先ほど伊勢オートモールについて動画をご覧いただきましたが、まずは三重県での体制を固めていく考えです。三重県の中でEV車のライフラインをきちんと構築した上で、全国で活躍するメンバーとともに、東海3県、そして関西地域に進出することを中長期のビジョンとしています。
「愛知県や岐阜県にも早く進出してほしい」とよく言われるのですが、先ほど社長からもお伝えしたとおり、売上だけを追うのはどうなのかと思っています。そのため、まずはしっかり体制を固めてから、三重県外にも進出していく考えです。
今後の戦略(オートモールの出店)
その際に特に武器になってくるのが、我々の基幹事業であるオートモールのビジネスモデルかと思いますので、こちらも簡単に動画でご紹介します。
今後の戦略(オートモール紹介動画)
(動画が流れる)
同一敷地内で全ブランドを扱っている店舗はなかなかありません。私も開店準備で訪れたのですが、本当に同じ会社なのかと言われるくらいです。
例えば、免許を取りたての方がはじめは中古車を購入するのですが、徐々にランクアップして、最終的には輸入車を購入しようと思った時に、それらすべてのブランドが揃っているというのがオートモールの最大のバリューかと思っています。
まだまだ先行きは厳しいですが、このような仕掛けを重視しながら、しっかりとした特色を持って成長していきたいと考えています。
資本コスト・株価についての現状認識
ROEに関してです。稼ぐ力が少しずつ強化されていることが、スライドの左側のグラフからも見ていただけると思います。これは人財の採用・育成に特化してきた成果が出ていることが要因です。
一方、東京証券取引所からの要請もありますが、PBRに関しては1倍を割っており、まだ市場の評価が低いものと認識しています。そのため、今後はPBRを高めていく取り組みも非常に重要かと思っています。
ROEのデュポン分析
ROEに関する3つのグラフを記載しています。2015年3月期の数字と比較すると、各指標は順調に改善しています。
投資額の推移
今後については、コロナ禍で成長戦略を少し止めていたため、成長できるようなかたちで投資を増やして、還元についても見直していくことが必要かと認識しています。
資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応
スライドは、話題になっているPBRについてです。現時点では我々自身も株主ですし、オーナー自体が資産会社を持っているため、配当を増やすことはとてもメリットのあることです。しかし、成長に向けて舵を切って運営してきたことは事実で、この部分も含めて要請がかなり出ているため、今後は変えていかなければならないと思っています。
株主還元策
株主還元策です。配当については、1株当たり年間配当50円以上を基本に安定配当を継続というかたちでお約束できたと思います。
一方で、「もう少し出してほしい」というお声はかなり届いており、我々自身も株主である以上、配当性向は上げるべきものと認識しているため、来期以降から見直していくことを考えています。
現状の株価は割安感が出ており、特にPBRは非常に低くなっているため、株主の期待値が株価に反映されていないと我々自身も思っています。
ただ、社長からはしっかりとした基軸を持っていくことを教えられてきました。そこは大事にしながら、今後の上場会社の運営をしていきますので、今日を機会にまた応援していただけたらなと思います。本日はご清聴ありがとうございました。
質疑応答:EV車を巡る経営判断について
質問者:PHV車に乗っており、天井には太陽光パネルを取り付けているのですが、昨日行った岐阜県の道の駅では充電ステーションが1台だけでほとんどなく、前の人が使っていると充電ができません。仕方がないのでエンジンを動かしてチャージしながら走りましたが、探し回るのも大変で、EV車はまだ無理だなと感じました。充電ステーション施設が足りません。
そのため、エンジン車にも力を入れたほうが良いのではないかと思いました。経営をEV車に向けると、非常に偏った判断になってしまうため、ハイブリッド車を扱ったほうが良いのではないかと思います。
また、個人的なことで大変申し訳ないのですが、社名に横文字を4文字使っていますが、どうも横文字が嫌いなので、できたら日本語の社名にしていただけるとありがたいと思います。勝手な判断ですが、社長のわかる範囲内で教えてください。
向井弘:厳しいご指摘もいただきまして、ありがとうございます。おっしゃるとおり、現在のマーケットはハイブリッド車が大半を占めており、そのような市場の中で我々も事業をしています。
特に軽自動車に関してはガソリン車が主流ですし、EV化にはもう少し時間がかかると我々も認識しています。
一方で、先ほどご説明したように、伊勢オートモールでは「これだけEV充電器が使われているのか」ということも初めて認識しました。そのようなトライが、企業として、また環境の問題も踏まえて必要なのだろうと思います。
そのような選択の中できちんと推進していきたいと思っています。また、我々としても早くインフラをご提供できるように、働きかけも含めて、施設を作っていくということに尽力していきたいと思います。
横文字の件については、社名をいきなり変えるのは難しいため、貴重なご意見としていただきたいと思います。
質疑応答:配当および将来のビジョンについて
質問者:鈴鹿サーキットで株主総会を開催していることなどは感動して、良い会社だなと思いましたし、社長と副社長の思いが伝わる非常に良い説明だったと思います。
意見としては、安定配当50円の「安定配当」は死語のようになっているため、ここは思い切って倍にするくらいのインパクトがあると、PBRも改善しますし、株価も反応すると思います。
また、鈴鹿サーキットで株主総会を開催していらっしゃることは知らなかったので、もっとアピールしたら、「こんな良い会社はないな」と思います。
社員に対しても優しいなと思いましたし、上場についても、採用の面などにおいて上場コスト以上のものを得ているからだろうと思いますので、今後もますます発展していくためにも、やはり配当でアピールしていただきたいと思いました。
加えて、将来の事業設計としては、やはり売上の半分くらいは県外で上げたり、自動車リサイクル事業や輸出事業で稼いだりというような明確なビジョンを出されると、もう少しわかりやすくなるかと思います。
地域限定のエリア商売では、三重県民でないとどうしてもとっつきにくいと思います。このような明確なビジョンをお出しいただくと、もっと良い会社になっていくと思うので、がんばってください。
向井弘:すばらしいご指摘をありがとうございます。配当については、もう少し増やしてほしいというお声を頂戴していますが、我々は社員持株会やファミリーで75パーセントの株式を保有しています。ある時に配当の話をしたら強欲と言われたこともあります。
しかし、株主還元については認識していかなければいけないと思っています。外国からも、世界にないビジネスモデルだという評価をいただいているため、さまざまなかたちの中で、これから注目をしていただいて、株価が反映していけばと考えています。
我々はあまり進めるかたちはとっていませんが、会社そのものがモビリティの販売という点で評価されていることは事実のため、当社を覚えて、「これからのモビリティはどうなんだろう」ということをぜひとも確認してほしいです。
EV車の充電ステーションが少ないということですが、実を言うと、我々ディーラーの拠点にはあります。それは有料ではありません。ホンダの車だからホンダのディーラーでなければならないということもありません。
ディーラーの看板があったら、遠慮せずに「充電させてほしい」と言ってみてください。今のディーラーはほとんど急速充電器を用意しています。
どこのメーカーでもイエスと言えるようなEVスタンドで、しかも蓄電方式と併設しているものは、まだ普及は遅いと思いますが、みなさまがEVに乗っていたら、遠慮せずにディーラーに行って充電してください。そのようなことも覚えておいてほしいと思っています。
これからのモビリティの世界では、いろいろな変化に対して閉じこもらずに、積極的にディーラーに手配してもらったほうが、安く購入できると思いますので、ご利用いただきたいと思います。
当社のビジネスモデルにもぜひとも注目していただきたいと思います。
向井俊:配当性向に関しては社長の意向が強く働いており、我々は変えていくというかたちで議論していかなければいけない案件だと考えています。
PBRに関する東京証券取引所の要請も、社長の方針ではすべてナンバーワンを目指すと言われていますので、そのようなKPIを含めて、上場会社のあり方として、数値の指標は私自身で捉えていかなければいけないと考えています。しっかりと議論し、今後発表できるように尽力していきたいと思います。
我々のビジネスモデルには期待感が高く、認知がまだ低いと私としても思っていますので、今後広めていきたいと思います。
質疑応答:伊勢オートモールの販売状況について
司会者:4月に伊勢オートモールがオープンしてから丸々5ヶ月経ち、「大盛況」という言葉もありましたが、これまでの販売状況とお客さまの反応について、もう少し詳しく教えてください。
向井俊:伊勢オートモールは新規出店になります。広大な土地になっていまして、先ほど「社員の有志が」とお話ししましたが、スーパーエースが送り込まれており、立ち上げから地域のお客さまに支援してもらい、受注台数を伸ばしています。
本当に順調で、驚くべき数字を出しているというのが、今言えることです。力強い結果が数字に出てきたという認識もありますので、先ほどからの「EV車の施設がまだない」というご要望にお答えできるように推進していきます。
また、東京でIR活動をしていた時に、「三重県ってどこですか?」と言われると同時に「伊勢は知ってる」とも言われたことがあり、伊勢はかなり有名ですので、良い場所に出店できたと思っています。
司会者:広大な土地とは、どのくらいでしょうか?
向井弘:約5,000坪です。我々は1万平方メートルとお話ししていますが、1万平方メートル以下ではオートモールとは言いません。通常はだいたい、我々の4分の1か5分の1の営業所です。
向井俊:例えば、通常ディーラーでは駐車場が5台から10台程度だと思いますが、50台程度というかたちでいくと、10倍くらいは大きいと思います。
司会者:「大盛況」「驚くべき数字」という言葉からも、きっとみなさまも想像しているのではないかと思いますが、お客さまからはどのような声が上がっていますか?
向井弘:伊勢は大変長い歴史があって、固定客もおり、我々が進出した時にこれほどまでに反応があるとは思っていませんでした。
したがって、これからEV車の時代、低炭素社会の時代が来るということを、お客さま自身が強く認識しています。そこまで大きくはありませんが、我々は亀山市にも進出していたのですが、そこでも瞬く間に地域一番店になりました。
アメリカのオートモールというものを日本で試して本当に良かったなと思います。今回、伊勢オートモールについてはかなりの赤字を予想していましたが、6ヶ月で累損が消えるというのは過去にないことです。
そのような点では、お客さまのほうが新しい時代を先取りしていると思っていますから、当社の株を買う買わないは抜きにして、このオートモールという会社、そして当社のビジネスモデルを注視していただきたいと思います。
鈴鹿オートリサイクルセンターはまったくの素人集団ではあるものの、4,200の自動車リサイクル業者の中で全国8位ですので、ディーラーが運営しているという点が技術的に安心感を与えているのではないかと思っています。
我々よりもお客さまのほうが近未来を認識しているというのを伊勢で感じていますし、オートモールは代理店とはまったく違うものだと感じています。
質疑応答:業績目標について
質問者:今年5月に発表された会社計画に対して、『会社四季報』の市況コメントでは「かためである」となっていますが、この計画はいつ頃修正されるか、差し支えない範囲で教えてください。
向井弘:当社は3つの会社によって構成されており、株式会社オートモールが伊勢オートモールを運営しています。我々としては、株式会社オートモールが赤字になるだろうと思うくらい、はっきり言って減価償却も大きかったのです。
しかしながら、お客さまの支持もあり、この半期が終わったら早急に会社計画を修正していくことが正直なところかと思います。
あまりに謙虚になることも良くないと思っているため、おっしゃるとおり、あまり大ぼらを吹かずに、70パーセントくらいの気持ちで修正していきたいと思っています。本当にお客さまに感謝しています。
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