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【IRアナリストレポート】オーウイル(3143)

著者:鈴木 行生
投稿:2024/06/14 11:16

~業界トップの食品原料を有する商社、環境ビジネスも主力事業へ~

【ポイント】
・業績は好調で、ピーク利益の更新が続こう。既存分野で天候要因の影響はあるものの、環境関連の成長と内外での新規分野の立上げが寄与してくることによる。

・3月末に水産加工分野の「海鮮」を5億円で買収した。今期から連結に入ってくる。いくらや寿司ネタの冷凍鮮魚の加工品を手掛け、安定的な収益を上げている。オ―ウイルグループに入ることで、業容の一段の拡大が見込めると判断した。当面、年商50億円、営業利益1~2億円がターゲットとなろう。

・前期は飲料向け果汁の減少や夏場の殺菌乳の減少が影響したが、環境関連のシーリングファンは好調に推移した。新しいビジネスを育てようという動きが加速しつつある。新商材、人材投資、M&Aの具体化に力を入れており、水産加工品の輸入販売、米国での食品ビジネスの強化、専門人材の採用など、次の路線作りを強化している。

・当社は、飲料用のビタミンC、缶コーヒーや製菓用の殺菌乳、飲料やデザート用のマンゴーピューレ・バナナピューレの取扱量で、民間企業として日本No.1、独自の専門性ときめ細かなサービスを特色とする提案型複合機能商社を実践している。

・近年は、食と環境のオーウイルに進化しつつある。物流倉庫などの大型施設で使われる大型シーリングファンが利益貢献を高めている。また、食品工場などで使われるボイラー用のノズル式スチームトラップ(水排出機器)の取り扱いも増加している。熱交換の高効率化に寄与する点が高く評価されている。米国での食品メーカーの開拓、国内への水産加工品の輸入販売なども進みそうである。

・次は営業利益15億円に向けて基盤作りが進もう。成長余力は十分にある。株価は割安である。ROE 15%×PER 10倍=PBR1.5倍が目途となろう。昨年11月に自社株買い16万株(取得価額2.0億円、株式総数の5.08%)を実施した。好業績と増配が期待できる安定好配当を反映して、株式市場での評価はさらに高まってこよう。

目次
1.特色 食品原料を軸に複合機能商社を志向
2.強み ビタミンC、殺菌乳、マンゴーピューレで業界トップクラス
3.中期経営方針 大型シーリングファンが主力ビジネスに成長、水産加工に進出
4.当面の業績 円安、原料高を乗り越えて、ピーク利益の更新続く
5.企業評価 引き続き安定した好配当利回りに注目

オーウイル <3143>
企業レーティング
株価
(2024年6月11日)
1594円
時価総額 50億円
(3150千株)
PBR 1.08倍
ROE 15.9%
PER 6.81倍
配当利回り 3.5%
総資産 13629百万円
純資産 4544百万円
自己資本比率 32.3%
BPS 1472.1円
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 税引き利益 EPS 配当
2015.3 27677 246 257 121 38.7 30.0
2016.3 27802 254 271 163 51.8 30.0
2017.3 28121 326 331 202 64.3 30.0
2018.3 31033 439 461 300 95.3 33.0
2019.3 31375 595 593 411 130.7 40.0
2020.3 32685 674 724 472 150.1 45.0
2021.3 29527 537 551 347 110.3 45.0
2022.3 28312 826 827 575 182.7 47.0
2023.3 31255 942 875 580 184.3 47.0
2024.3 31775 958 909 681 220.7 50.0
2025.3(予) 35000 1030 1030 700 234.1 55.0
2026.3(予) 37000 1200 1200 800 267.6 60.0

(2024.3ベース)

(注)ROE、PER、配当利回りは直近予想ベース。

企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/ouiru202406.pdf

日本ベル投資研究所の過去レポートはこちらから

配信元: みんかぶ株式コラム
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