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【QAあり】プラネット、2024年は増収増益で着地 既存サービスの拡販と新たな付加価値の提供で中長期的な増収増益基調へ

投稿:2024/09/30 17:00

決算説明会資料 ⽬次

坂田政一氏(以下、坂田):株式会社プラネット代表取締役社長兼執行役員社長の坂田政一です。本日はご多用の中、当社の決算説明会にご参加いただきまして誠にありがとうございます。

はじめに、このたび、能登半島の大雨により被害を受けられたみなさまに心よりお見舞い申し上げます。被災地域の1日も早い復旧を、心よりお祈り申し上げます。

本日は、当社の会社概要と2024年7⽉期決算の概要、2025年7月期の通期予想、配当方針についてご説明します。よろしくお願いします。

会社概要

会社概要です。当社は、企業間の受発注等に必要なデータ交換を仲介するEDI基幹プラットフォームの構築・提供・運用をしています。設立は1985年で、資本金は4億3,610万円、純資産は54億2,603万円です。東証スタンダード市場に上場しており、決算期は7月となっています。

設立経緯

当社は、日用品・化粧品業界の流通システムを最適化する業界共通のネットワークインフラを目指して、同業界の有力メーカー8社と、独立系ITベンダーの株式会社インテックによって設立されました。

プラネットの存在意義

当社のEDIについて詳しくご説明します。スライドにあるように、当社はメーカーと卸売業の間に入って、取引に必要なデータをやり取りできるようにしています。例えば、卸売業が複数のメーカー宛の発注データを当社に送ります。それを、当社が宛先ごとに振り分けてメーカーに送る仕組みです。当然、その反対もあります。

多数の企業がつながっていますので、その企業間でEDIを使っていただくには、データフォーマットを標準化するなど共通のルールを決め、それを守っていただく必要があります。つながっているみなさまが、業界共通のルールに準じてEDIを行うことで、業務を飛躍的に効率化できます。

また、日々のさまざまな環境変化に合わせて、お客さまとともにルールを変更したり、その変更したルールを新たな標準として維持したりしていくことも必要になります。

プラネットの存在意義

ルールを見直した具体的な事例をご紹介します。

1989年に消費税が導入されました。2019年には軽減税率制度の導入、2023年にはインボイス制度への対応、そして直近では、今年の1月から完全義務化となった電子帳簿保存法への対応もありました。

これらの制度にEDIとして対応するにあたり、全国化粧品日用品卸連合会とともに、業界関係者の意見を集約しました。監督省庁に運用ルールの確認を行い、メーカーと卸売業のEDIの担当者は、実務上、どのような対応を迫られるのかを取りまとめ、複数の請求処理パターンへの対応方法を推奨・通知するなど、関係者と協調しながら取り組んできました。

これらの活動の結果、私どものお客さまは、さまざまな対応や手続きを自社で調べて、それぞれの取引先と細かな調整をする必要がなくなり、本業に専念することが可能となりました。

プラネットのビジネス

ここまで、メーカーと卸売業のシステムをつなぐ「基幹EDI」という、当社の主力サービスについてお話ししました。

他にも、資材サプライヤーとメーカー間のEDIや、メーカーと卸売業を簡易につなぐサービスを提供しています。また、取引先や商品などのデータベース事業も行っている会社です。これらのサービスを利用いただいているユーザー数は、2024年7月末の時点で、メーカーが879社、卸売業が490社、資材サプライヤーが168社、合わせて1,537社となっています。

当社のお客さまが取り扱う主な商品カテゴリは、スライドに記載のとおり、生活に密着した日用品です。

プラネットのビジネス

当社のビジネスモデルについてご説明します。当社の売上の約9割を占めるEDI事業の料金構成は、一時金、月次の固定料金、月次の従量料金の3つからなっています。このうち、8割強を占める月次の従量料金は、私どもの持っているデータの種類ごとに単価を決めて、通信されたデータ量に応じて料金がかかる仕組みになっています。

1件のデータは取引伝票の1行に相当すると考えていただいてよいと思いますが、その1データあたり約1円の料金をいただいています。

私どものEDIサービスを一度使い始めたお客さまは、ほぼ継続的に利用いただいています。そして、お客さまはさらなる業務効率化を目指して、接続先を増やしていきます。結果としてデータ量も増えるという特性を持つ、ストック型のビジネスになっています。

プラネットのビジネス

私どものお客さまは、生活必需品を扱っている企業が多いのが特徴です。それから、ストック型のビジネスモデルということもあり、過去にバブル崩壊やリーマン・ショック、消費税の導入や引き上げなど、大きな景気変動があっても、あまり影響を受けずに、設立以来増収を続けています。

以上がプラネットの会社概要です。

2024年7⽉期 主な取り組みに対する振り返り

2024年7月期の決算概要をご説明します。

まず、2024年7月期の主な取り組みを3つご紹介します。1つ目は、「基幹EDIの横展開」です。OTC医薬品や健康食品など、まだ利用いただける可能性が大きい業界に向けて、積極的に営業活動を展開しました。

具体的には、対象業界の製品を扱っている当社の既存ユーザーの方々の協力を得て、その取引先へ営業を展開してきました。

2つ目に、「基幹EDIデータの深掘り」です。当社は、商取引に関する受発注から請求・支払まで、20種類のデータ種を用意しています。受発注にかかわるデータについては、かなり多くのお客さまにご利用いただいていますが、その他のデータ種は、まだ十分に活用いただいていません。

そこで、未利用のEDIデータの利用拡大に向けて活動してきました。具体的には、今まであまり接点がなかった物流部門や経理部門の方々に、「ロジスティクスEDI」や請求関連データをご利用いただけるよう、営業展開してきました。これら2つの活動に注力したことで、利用企業数と接続本数が増加しました。

3つ目は、「対象領域の拡大」です。具体的には、「ロジスティクスEDI」と「POSデータクレンジングサービス」の2つを展開しました。

日用品・化粧品業界の大手企業において、「ロジスティクスEDI」の出荷予定データの活用が徐々に浸透し始めています。その結果、このデータの利用企業数、接続本数ともに、着々と増加しています。

「POSデータクレンジングサービス」は、導入前にトライアル利用期間を設けて、効果を実感いただけるような勉強会を実施するなど、利用拡大に向けた活動に注力しました。

2024年7⽉期 決算概要:サマリー

決算概要です。今年の7月に第39期が終わりましたが、当社を取り巻く環境は厳しい状況が続きました。

さまざまな要因がありますが、主な背景として、2024年7月期(第39期)は賃上げを表明する企業が相次いだものの、物価の伸びに対して賃金の伸びが追いつかない状況が続いたことが挙げられます。そして、生活者の生活防衛意識が依然として高く、結果的に購買頻度の減少が見られました。さらに、ナショナルブランドより低価格帯の、卸流通を通らないプライベートブランド商品が広がりました。

このように、私どもを取り巻く環境がアゲインストな中でも、新規ユーザー獲得のための営業活動を積極的に行った結果、売上高は前年同期比1.3パーセント増の31億7,200万円と、増収で着地しました。

2024年7⽉期 決算概要

売上は、業界の横展開などの営業活動を積極的に行った結果、新規の利用企業が増え、その分増加しました。一方で、商品データベースの顧客満足度をさらに上げるため、2024年3月に、既存ユーザーの利便性の向上や機能拡張を目的としたリニューアルを実施しました。その結果、売上原価が前年同期に比べ増加しました。

先期(第39期)は新しいサービスの検討を進めていたのですが、その過程で、実現に向けた調査・検証をより確実に進めるという判断のもと、事業推進フェーズに移行する時機を見極めました。結果として、投資時期を後ろ倒しにしたことで販売費および一般管理費が減少しています。

これらの結果、最終的に増益で着地しました。

2024年7⽉期 決算概要

期首計画に対しての結果です。事業推進の時機を見直したことによって、計画してきた活動が後ろ倒しになったため、売上については、期首計画に対する進捗率が98.4パーセントと、わずかに届かない結果になりました。

一方で、それらにかかわる活動費の発生も後ろ倒しになったため、利益としては増益で着地しました。

以上、2024年7月期の決算概要の説明でした。

2025年7月期 通期予想

すでにスタートしている2025年7月期の業績予想についてご説明します。売上は引き続き増収を目指していきます。営業利益は、新規事業の開発を継続していく予定であり、そこに必要な活動費の増加を見込み、利益としては減益を計画しています。

中長期的に増収・増益基調を継続するために、2025年度7月期も事業投資に力を入れていく大切な時期と考えています。必要な投資をしっかりと行っていくことで、将来に向けて種をまきたいと思っています。

2025年7⽉期 通期予想

スライドに、今ご説明した営業利益の計画に対しての増減分析を示しています。

2025年7月期 通期予想達成に向けて

2025年7月期の主な活動内容をお伝えします。

1つ目に、既存事業のサービス利用度を上げていきます。具体的には、2024年7月期に続き、基幹EDIの横展開、データの深掘りを中心に、EDIの拡販活動を継続していきます。そして「ロジスティクスEDI」のさらなる利用企業の拡大、接続本数の増加を目指します。併せて、「POSデータクレンジングサービス」の利用企業の拡大も図っていきます。

2つ目に、当社の強みを活かした新たな付加価値の展開を目指し、新規事業の創出に注力していきます。

3つ目に、新たなサービスを創出し続ける、構想力ある組織にシンカ(進化)させるため、人材育成の新たな取り組みを推進していきます。

これらの取り組みを確実に進め、増収は当然ですが、増益も継続できる組織に成長させていきたいと思っています。

ロジスティクスEDI

「ロジスティクスEDI」「POSデータクレンジングサービス」、人材育成の3つについて、もう少し詳しくご説明します。

今年の5月27日、日用品メーカー14社が、連携して物流問題に取り組むことを目的として、日用品サプライチェーン協議会を設立しました。

当社は「ロジスティクスEDI」基盤を提供することで、日用品サプライチェーン協議会が目指す、円滑な物流データの共有と活用の推進を支援していきます。

2024年8月現在、参加しているメーカー数は3社増え17社となっています。参加しているメーカー17社は、卸流通を利用している日用品・化粧品市場において、売上高が業界の半分以上を占めており、業界を挙げての取り組みとなっています。

この協議会のみなさまとともに、「ロジスティクスEDI」の利用拡大を目指してまいります。

これからの物流領域は、競い争う「競争」領域ではなく、共に創り上げていく「共創」領域になる、また、そうしていかなければ、物流問題は解決できないと思っています。

当社が得意としている標準化、そしてその維持に関する業界調整力などを発揮し、業界全体のサステナビリティに貢献していきます。

ロジスティクスEDI

「ロジスティクスEDI」に関する新たなサービスの実働開始についてご紹介します。

2024年6月より、「LOGITERAS(以下、ロジテラス)」の実働を開始しました。「ロジテラス」は現在、メーカーから卸売業に送信する出荷予定データ、いわゆるASNデータに、物流事業者が持っている情報を付加する機能を提供しています。

当社の「ロジテラス」を介して、商品の輸配送に関わるさまざまな事業者が必要なデータを連携することにより、さらなる効率的な輸配送を実現できるようになります。

POSデータクレンジングサービス

「POSデータクレンジングサービス」についてです。本サービスは、POSデータのフォーマット変換などの作業を代行し、分析に適したかたちでお渡しするサービスです。

分析前の煩雑な業務を請け負うだけでなく、このPOSデータをユーザーマーケティングへ活用することを支援するサービスと位置づけています。

今までは、各小売業からのPOSデータの整理・加工に時間がかかっていましたが、このサービスを利用することで、その時間が大幅に短縮されます。結果として、商談などの生の情報と合わせて、よりスピーディで正確な経営判断ができるようになります。

さらには、経営管理、販売管理、在庫管理など、メーカー各社が自社の戦略に合わせ、このデータを高度に活用することも可能となります。

POSデータクレンジングサービス

「POSデータクレンジングサービス」の利用拡大に向けた取り組みを2つご紹介します。

1つ目に、販売活動の強化を継続していきます。具体的には、顧客が持っている実POSデータを使ったトライアル利用や、「POSデータクレンジングサービス」そのものに加え、POSデータの活用事例も合わせた説明会を実施することで、サービスの認知から利用につながる活動に注力します。

2つ目に、経営情報としての活用を提案していきます。卸売業から小売業への出荷データ、いわゆる販売データと、店頭の購買データ、いわゆるPOSデータの両方がわかると、店舗の理論在庫を推測することもできます。このような経営情報としての活用も提案していく予定です。

これらの活動により、「POSデータクレンジングサービス」の利用企業の拡大も目指していきます。

企業価値向上に向けた人的資本経営への取り組み

企業価値向上に向けた人的資本経営への取り組みについてご説明します。

当社は、人こそが企業価値の向上を実現するための重要な源泉であると捉えています。自分自身の視野、視点、視座を自ら高める意識を持った人材が必要と考えます。そして、人の成長なくして企業の成長はないため、多様な経験を得ることで、新たな価値観、知見を得られるような制度を検討しています。具体的には、スライドにある5つの施策を展開していきます。

1つ目は社内兼業です。他のセクションの業務を、前工程、後工程を含めて見ることで、会社の動きを理解できるようになります。そして、業務知識も広がり、セクションを超えて社内コミュニケーションを活性化させることもできます。

2つ目は副業です。視野、視点、視座を広げることはもちろん、コスト意識の醸成も期待しています。

これら2つは、2024年にすでに導入しました。

また3つ目、4つ目として、視野の拡大や新たな人脈の形成を期待し、在籍型出向や留学についても制度が整い次第、導入していく予定です。

さらに5つ目として、社員一人ひとりに対する能力開発支援というかたちで、人材育成計画を策定し、その計画に基づいた新たな教育を2025年7月期(40期)から実施します。

階層ごとにカリキュラムを作り、受講してもらう予定です。ゆくゆくは部署ごと、チームごとなど、いろいろカスタマイズして各々に合ったものを受講できるようにしていきます。

このように、社員が継続的に成長できる制度を整え、組織の力を最大化していきます。

配当⽅針と実績

配当方針についてお伝えします。当社は配当方針として大きく2つ掲げています。

1つ目が安定的な配当の継続、2つ目が配当性向50パーセント以上の維持です。

2025年7月期は、1株当たり43.5円とし、21期連続の増配を予定しています。

9月20日の終値は1,232円、予想配当利回りは3.53パーセントとなります。

2025年7月期は増収を目指していきますが、増収のみならず増益の基調を中長期的に継続するための投資をするフェーズと考えており、減益を計画しています。しかし、株主還元を重視し、配当方針は変更しません。

安定的な配当を継続していく所存であるため、ぜひ中長期的な視点でご支援いただきたいと思っています。よろしくお願いします。

以上で私からの説明を終わります。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答:同業他社の認識について

質問者:非常に基本的なことを教えてほしいのですが、御社が同業他社と考える会社は日本に何社くらいあり、その中で御社は何位くらいという認識をお持ちでしょうか? また、同業の売上高を全部足すといくらくらいか、だいたいの感覚を教えていただければと思います。

坂田:同業他社をどう定義するかにより、大きく変わってくると思っています。まず、当社事業が中心的に関わる日用品・化粧品業界においては、競合となる企業はいないと思っています。

また、違う業界を同業他社と呼ぶかどうかなのですが、例えば酒類・加工食品業界ではファイネットさん、医薬品業界だとJD-NET協議会さんがいらっしゃいます。

当社以外はそれぞれ未上場であるため、具体的な業績等については私どもでは把握できない部分もあります。しかしながら、ファイネットさんやJD-NET協議会さんと比較しても、私どもは決して劣らないような業績、事業規模を上げているのではないかと私どもでは見ています。

それから、EDI事業の全体のマーケットサイズは、実は正確に取れるデータがありません。そのため回答申し上げるのが難しいのですが、どこまでを業界として含めるかによりますが、感覚的には数十億から数百億円ぐらいはあるのかもしれないと思っています。

質問者:日用品、医薬品などの各業界において代表的なEDIの会社があって、その会社ががんばっているため、非常に激しい価格競争は起きづらいく、イメージで言うなら、例えばボクシングのように戦うのではなくて、水泳の競争のようになっていると思います。誰が速く泳いでいるのかは実は分かりませんが、御社の売上高、営業利益率20パーセントは非常に高いと思います。そのような業界環境と御社の努力でこのような利益率なのかと思ったのですが、私の話を聞いてご感想はいかがですか?

坂田:私ども自身もそう思っています。

質疑応答:「ロジスティクスEDI」と「POSデータクレンジングサービス」の評価、組織変更、PB(プライベートブランド)拡大への対応について

質問者:2024年7月期に導入された新しい「ロジスティクスEDI」と「POSデータクレンジングサービス」は、これから拡大していくと思いますが、まず初年度導入に当たっての社長ご自身の出足に関しての評価について端的にお答えいただければということが1点です。

それから、4月に組織変更されていますが、歴史的に見てもプラネットの中でかなり大きな組織の改編だったかと思っています。この成果について、社内の雰囲気など、なにか変わったことがあったかどうか教えてください。

また、卸を通さないPBの拡大は今後も当然続いていくと思います。これに対してプラネットとしてなにか考えられる打ち手があれば、お答えください。以上3点、お願いします。

坂田:まず1つ目の「ロジスティクスEDI」と「POSデータクレンジングサービス」の出足の評価ですが、実際には、39期(2024年7月期)の途中からスタートしていますので、まだ確固たる成果を上げるところまではいっていません。今期、40期(2025年7月期)が実質的なスタートの期だと私は認識していますので、成果の数値についてはまだ評価できないと思っています。ただし、このサービスに対するユーザーさまのいろいろな声を聞く限りにおいては、かなりご期待いただいていることがわかります。よい状態で40期、41期と進んでいけるのではないかという感覚は持っています。

2つ目の組織変更ですが、4月1日に大きく変えました。私の知っている限り、当社でこれだけの組織変更をしたことはないのではないかと思います。

社内の変化や成果はどうかというご質問ですが、まずは、その新しい組織に向けての業務プロセスを全部変えていかなければいけません。当然ルールも含めて変えなければならず、対応するのに3、4ヶ月ほどかかっています。よって、ようやく今、新しい組織にマッチした業務プロセスでどのようにして仕事を進めていけばよいのか、社員の間で慣れ始めてきたというのが現状かと思っています。

これから新しい組織での成果が出てくると認識しています。

3つ目のPBについてです。大手ドラッグストア各社の決算説明会等でもPBをどのぐらい増やすか発表していますので、具体的にどのぐらいのスピードで増えていくのかはそちらをご覧いただいたほうがよいと思いますが、PBの拡大そのものについては私どもに何かできることはありません。そこは私どもではコントロールできません。したがって、PBが拡大することを前提に、私どもの経営をどうするか考えていくしかないと思っています。

PB以外の商品の中でどれだけ私どもの利用率を上げていくか、または卸売業を通すデータ種の中で利用されていないデータ種の活用を増やしていくか、それから私どもはデータ交換という分野でここまで伸びてきた会社ですが、データ交換だけに固執するのかということも含めて、私ども企業の成長を少し広げて考えていかなければいけないと思っています。

質疑応答:「ロジスティクスEDI」と「POSデータクレンジングサービス」の社内指標、販管費増加要因、社内兼業について

質問者:3点教えていただきたいのですが、まず「ロジスティクスEDI」と「POSデータクレンジングサービス」について、今後の計画を考える時の会社で把握されている指標は、データ量などの伸びなのか、課金の売上なのか、取り扱い企業数なのか、何を使われているのでしょうか? 

2点目です。2025年7月期の減益の理由に販管費増加が入っていますが、これは、広告宣伝費が増えるということでしょうか? あるいは人を増やすという話でしょうか? どのあたりで増えるのか教えてください。

3点目です。社内兼業のWジョブとは、働いている従業員から見ると、その就業時間や給料などにどのような影響や変化があるのでしょうか?

坂田:まず、「ロジスティクスEDI」と「POSデータクレンジングサービス」の社内での指標は、基本的には接続数がどれだけ伸びるかと、それに伴っての売上、つまりデータ量はどれだけ伸びるかの2つを見ていきたいと考えています。

販管費は、新サービスの調査・検証のための費用を大きく見込んでいます。それが販管費増加の一番大きな要因になっています。

3つ目の兼業については、社内兼業とはWジョブであり、セクションをいくつかまたぐかたちになります。基本的には、決められた工数の中で取り組んでいくことになります。それに対して特別に兼業手当をつけるものではありません。副業については業務時間外で行うことになりますので、会社から特別な手当などを出すことは考えていません。

質問者:いわゆる本業の時間外で兼業しても手当はないのですか? 時間外労働の手当が発生するのではないでしょうか?

坂田:例えば人事部と総務部を兼業した場合、その本人の工数を10として、例えば人事部8に対し、総務部で2働いたとすると、同じ10ですので、基本的にノー残業で仕事が終わるのであればなにも変わりません。残業が増えたということであれば、残業代が発生するということになります。

質疑応答:「ロジスティクスEDI」と「POSデータクレンジングサービス」の2025年7月期の売上について

質問者:「ロジスティクスEDI」と「POSデータクレンジングサービス」は、実質的には40期(2025年7月期)が初年度ということですが、2023年7月期と2024年7月期の売上高の伸びを見るとほとんどありません。「ロジスティクスEDI」と「POSデータクレンジングサービス」の今年度の売上はまだほとんどないということでしょうか?

坂田:2024年7月期は実質的にはまだありません。

質問者:質問の「今年度」とは、2025年7月期のことを指しています。

坂田:2025年7月期では売上を伸ばすことを考えています。

質問者:スライドの表の31億7,200万円と32億4,000万円の差分ということですか?

坂田:31億7,200万円と32億4,000万円の差分で6,800万円です。

質問者:その中にこの新しい2つの売上は入っていますか? 

坂田:入っています。

質疑応答:「POSデータクレンジングサービス」モデルについて

質問者:「POSデータクレンジングサービス」についておうかがいします。現状では、メーカー各社が小売業に対してお金を払ってPOSデータを購入しているのを、プラネットが代わりに購入して整備されたデータをお渡しする事業かと見えるのですが、その認識がまず正しいかどうかを教えていただけますでしょうか?

坂田:メーカーは従来と同じように小売業からPOSデータを購入します。そのPOSデータをメーカーがクレンジングできるように私どもがサービスだけを提供することになります。よって、私どもがデータを購入することは考えていません。

質問者:そうすると、ユーザーにとっては純粋に追加のコストを払ってクレンジングサービスを受けるというかたちになりますか? 

坂田:今現在、ユーザーであるメーカーにとってはPOSデータの整合・加工に自社の社員が多くの工数を使って非常に苦労されています。それを私どもに依頼することによって、より効率化できます。自社で発生する工数やコストよりも当社サービスを利用するコストのほうが魅力的だと思っていただけた場合、ご利用に至ると考えています。POSデータの活用に苦慮されているメーカーはたくさんいらっしゃって、ニーズはあると考えています。

質疑応答:「ロジテラス」の利用価値について

質問者:「ロジテラス」についてですが、これもサービスのキーとしてはASNデータを物流事業者のデータと連携させることによって、卸売業の効率を引き上げるサービスだと認識しています。

そうすると、今後の物流事業者の利用拡大は、彼らにどのようなメリットを提供できるかがキーになりそうな気がしますが、そのあたりはどのようなかたちになりますか? 

坂田:物流事業者にとっては、データを提供することによって、例えば卸売業の倉庫での待機時間が短くなっていきます。早く戻ってこられて、また次のところに行けるということから、いわゆる「2024年問題」と言われる物流の残業問題などの解決につながることになると思います。

質問者:物流事業者はユーザーとしては無料、あるいはお金を払って利用する、どちらでしょうか? 

坂田:今現在は荷主(メーカー)にご負担いただいていますが、今後、サービスを展開していく中で、さまざまな可能性を検討したいと思っています。

質疑応答:「ロジテラス」の利用企業について

質問者:「ロジテラス」についてですが、こちらはスタートして、利用企業がすでに何社か決まって始まっているという認識でよろしいですか?

坂田:はい。社数は発表できませんが、ご利用いただいています。

質問者:この仕組みとしては、出荷予定データに情報をプラスしていくように、だんだんと増えていくというイメージはありますか? 

坂田:はい。

質問者:今が完成形ではなくて、今後も深掘りされていくのでしょうか? 

坂田:おっしゃるとおりです。今は物流事業者のデータを使っていますが、さらに増やすというのも当然ありますし、物流事業者以外の事業者も、例えば倉庫事業者なども必要なところはたくさんありますので、ゆくゆくはそのようなところへ増やしていきたいと思っています。

質問者:数値目標は発表していませんか? 

坂田:申し訳ありません。発表していません。

質疑応答:インバウンド需要回復の影響について

質問者:インバウンド需要がある程度は回復してきています。単価や工数はコロナ禍前とはいろいろ違うと思いますが、プラネットの業績に対する影響はどれぐらいあるのでしょうか?

坂田:具体的な数字は把握できていませんが、コロナ禍前のような大きなインパクトは出ていないという認識を持っています。

インバウンドそのものは、金額としては確かにコロナ禍前まで膨らんできていますが、膨らんでいるのはほとんど「コト」や「サービス」のインバウンドで、「モノ」のインバウンドとしてはコロナ禍前の爆買いのような事象は起きていないというのが、私の認識です。

配信元: ログミーファイナンス
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