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サニーサイドアップグループ、3Q累計営業利益は34%増益で過去最高を更新 ブランドコミュニケーション事業で統合効果が拡大
アジェンダ
次原悦子氏:株式会社サニーサイドアップグループ代表取締役社長の次原悦子です。当社はPR、ブランディング等を担う事業会社を傘下に持つ、コミュニケーションをデザインする企業です。1985年の創業以来「まだ知られていないモノ・ヒト・コトを世の中に伝えたい」と、数多くの「たのしいさわぎ」を世の中に送り出してきました。
環境は目まぐるしく変化しておりますが、「人の心が動けば、行動が変わり、やがて世の中全体が変わっていく」との想いを今後とも実現する企業でありたいと考えています。
当社は2023年5月に公表した中長期経営方針に沿って、コア事業と位置づけるブランドコミュニケーション事業の強化に向けて、さまざまな施策に取り組んできました。まだ課題もありますが、手応えや可能性も感じ始めていますので、ブランドコミュニケーション事業の取り組みを中心にご説明します。
はじめに2024年6月期第3四半期連結決算レビュー、次に事業状況、最後に中期成長戦略の進捗についてご説明します。
連結決算ハイライト
2024年6月期第3四半期累計の営業利益は34.3パーセント増益となり、過去最高を更新しました。2023年9月に連結子会社3社間の吸収合併が完了し、ブランドコミュニケーション事業で統合効果が持続・拡大し、利益改善が進んだことによるものです。
営業利益率は11.0パーセントとなり、前期より3ポイント上昇しました。ブランドコミュニケーション事業は収益性向上にも寄与し、同事業の営業利益率は前期の15.4パーセントから20.0パーセントへと上昇しました。
通期業績予想に対する進捗率は営業利益で96.5パーセントとなり、利益計画達成確度が高まりました。ただし、例年第4四半期単独の販管費が多くなる傾向があるため、通期業績予想を据え置いています。
親会社株主に帰属する四半期純利益は42.4パーセント増益となったほか、1株当たり四半期純利益は前期の45.13円から64.29円へ増加しました。期末配当金は1株当たり15円を予想し、1株当たりの年間配当金は5円増配となる見込みです。
第3四半期累計 連結業績サマリー
2024年6月期第3四半期連結決算についてご説明します。
売上高は前期比2.5パーセント減の136億6,300万円となりました。第1四半期にブランドコミュニケーション事業で販促施策・商品企画の特需剥落により大幅減収となりましたが、その影響が逓減し、累計では僅かに減収となりました。
営業利益は前期比34.3パーセント増の15億500万円、経常利益は32.5パーセント増の15億3,500万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は42.4パーセント増の9億5,900万円となりました。
通期業績予想に対する進捗は、売上高で65.1パーセントと低い状況にありますが、営業利益以下の段階利益は順調に進捗し、親会社株主に帰属する四半期純利益は通期予想を超過しました。
四半期別売上高推移
四半期別売上高は第2四半期まで減収が続きましたが、第3四半期単独は41.1パーセント増収となりました。これは、主にブランドコミュニケーション事業でPRの順調な受注が続いたことに加え、販促施策・商品企画の売上高が第3四半期単独で増加に転じたことによるものです。
なお、販促施策・商品企画はスポットでの受注が多く連結売上高が変動する要因の一つとなっているため、グラフでは薄い黄色で表示しています。
四半期別営業利益推移
四半期別営業利益は、第3四半期単独で89.0パーセント増益となりました。売上高同様、ブランドコミュニケーション事業の改善が寄与しました。
営業利益推移の背景について補足します。2020年以降、事業ポートフォリオの改善を図り、コロナ禍で影響を受けたフードブランディング事業の海外事業を整理するとともに、新規事業開発を担うビジネスディベロップメント事業の改善を進めました。その結果、2023年6月期の営業利益が大きく改善しました。2024年6月期からはコア事業であるブランドコミュニケーション事業を強化し、改善を続けています。
報告セグメントの変更
当社では、中長期経営方針に沿ってコア事業を「ブランドコミュニケーション」と再定義し、株式会社サニーサイドアップを存続会社とする連結子会社3社間の吸収合併を実施したのを契機に経営管理区分を見直し「ブランドコミュニケーション事業」として報告セグメントを集約しました。
変更後の報告セグメントは、ブランドコミュニケーション事業、フードブランディング事業、ビジネスディベロップメント事業の3つで構成しています。
第3四半期累計 セグメント別業績
ブランドコミュニケーション事業の売上高は前期比3.2パーセント減の111億1,300万円、セグメント利益は前期比25.4パーセント増の22億2,300万円となりました。売上高は販促施策・商品企画の減収影響が残りましたが、利益についてはPRと販促施策・商品企画双方で改善することができました。
フードブランディング事業の売上高は前期比14.8パーセント増の24億1,600万円、セグメント利益は前期比55.9パーセント増の7,800万円となりました。同事業ではインバウンド需要獲得や店舗改装により、国内売上高が好調に推移しました。
ビジネスディベロップメント事業の売上高は前期比68.2パーセント減の1億3,300万円、セグメント損失は200万円となりました。減収は主に2023年7月に連結子会社1社の株式を譲渡したこと、減益は2023年9月にXR事業立ち上げたことによるものです。
調整額に含まれる全社費用が増加しており、連結子会社3社間の吸収合併完了後、組織連携の強化や職場環境改善を目的としてオフィスの全面改装を実施したことによるものです。
第3四半期累計 営業利益変動要因
営業利益の増加要因は、ブランドコミュニケーション事業の改善によるものです。同事業で4億5,000万円を改善していますが、その内訳はPRで3億1,000万円、販促施策・商品企画で1億4,000万円となります。
2024年6月期 通期業績予想
通期業績予想は期初公表値を据え置き、売上高210億円、営業利益15億6,000万円、経常利益15億4,000万円、親会社株主に帰属する当期純利益9億3,000万円としています。
売上高の進捗率は低いものの、第4四半期も受注を積み上げる予定です。営業利益以下の段階利益は順調に進捗していますが、期初予想を据え置いた理由を次のスライドでご説明します。
2024年6月期 通期業績予想に関する補足
例年、第4四半期の販管費が多くなる傾向があり、過去3期では第3四半期累計の販管費の約半分が第4四半期単独の販管費に相当しています。
当社では業績連動型インセンティブ賞与を支給していますが、第4四半期単独の販管費が増加する要因の一つと捉えています。前期は第3四半期末時点で賞与引当金1億6,900万円を計上し、賞与支給実績2億9,600万円との差額を第4四半期単独に費用計上しました。
当期は第3四半期末時点で賞与引当金1億1,100万円を計上していますが、賞与支給実績と賞与引当金に差異が発生する場合、第4四半期に費用計上する見込みです。
ブランドコミュニケーション事業 業績推移
次に、事業状況についてご説明します。
ブランドコミュニケーション事業では、PRを中心とするコミュニケーションサービスに加えて、キャラクターなどのIP(知的財産)を活用した販促施策・商品企画を手掛けています。
当事業には株式会社サニーサイドアップのほか、日本・韓国のアーティストやプロスポーツ選手のキャスティングを行う株式会社クムナムエンターテインメント、人気タレントを起用したCMや記者発表のPR等を担う株式会社エアサイド、ファッション関連のPRやイベントを手掛ける株式会社ステディスタディが含まれています。
株式会社サニーサイドアップは、吸収合併完了後、販促施策・商品企画の機能を統合して効率化を進めるとともに、インフルエンサーマーケティングを組織的に組み入れ、PRとの共同提案につなげています。
当事業の売上高は第3四半期単独36億6,900万円、累計111億1,300万円、セグメント利益は第3四半期単独7億5,900万円、累計22億2,300万円となりました。前年の第3四半期単独はPR、販促施策・商品企画ともに減収となりましたが、第3四半期単独で双方増収となり、利益改善が進みました。
ブランドコミュニケーション事業 四半期別売上高
当期より報告セグメントを統合したため、PR(旧マーケティング&コミュニケーション事業)と販促施策・商品企画(旧セールスアクティベーション事業)に区分した売上高を参考値として表示しています。
PRは増収基調が続きました。販促施策・商品企画は第1四半期に大幅減収となりましたが、第2四半期単独の減収幅は縮小し、第3四半期単独で大幅増収となっています。
ブランドコミュニケーション事業 生産性の変化
ブランドコミュニケーション事業では、クライアントリレーションの強化に取り組みリテナー契約の獲得・更新を進めました。また、クロスセルやアップセルの提案を通じて提供サービスの高付加価値化を図り、クライアント当たりの売上高が増加しました。さらに、低収益案件の見直しや稼働の適正化にも着手し、従業員1人当たりの営業利益が改善しました。
ブランドコミュニケーション事業 業種別売上構成
当社では特定の業種に依存することなく、多様な業種のPRを受注しています。特に強みとしているのは、コスメ・ファッション、食品・飲料のほか、商業施設・ホテル等の「場」に関するPRです。
ブランドコミュニケーション事業 ハイライト
「場」に関するPRの受注は順調に推移し、最近の事例として、2024年4月に開業した東京都渋谷区の商業施設のPRを担当しました。また、インバウンド需要の広がりを背景に、広域中心都市でもホテルの開業が相次いでいます。
官公庁や地方自治体とともに、地域の観光や文化振興支援等に携わってきた知見を活かし、株式会社サニーサイドで「地方創生ユニット」を発足し、PRやコンサルティング等を受注しています。
さらに、国内外のキャスティングやクリエイティブ制作を手掛ける株式会社クムナムエンターテインメントでも受注が順調に推移しています。
フードブランディング事業 業績推移
フードブランディング事業では、オーストラリア・シドニー発のオールデイダイニング「bills」の国内におけるブランディング、韓国におけるライセンス管理と店舗運営を行っています。国内では直営7店舗、韓国2店舗を展開しています。
当事業の売上高は第3四半期単独7億6,800万円で累計24億1,600万円、セグメント利益は第3四半期単独600万円で累計7,800万円となりました。
出退店はありませんが、ブランド価値向上に向けてリニューアルを進めています。2022年12月の神奈川県横浜市の横浜赤レンガ倉庫店に続き、2023年12月に神奈川県鎌倉市の七里ヶ浜店、2024年3月に東京都渋谷区の表参道店をリニューアルしました。
売上高につきましては銀座店、インバウンド需要を取り込んだ大阪店、福岡店が好調に推移したほか、年2回のメニュー改編等が客数増加や客単価上昇につながりました。
営業利益は第3四半期累計で増益となりましたが、改装費用や原価上昇に加え、改装に伴う休業期間も影響し第3四半期単独では減益となりました。
ビジネスディベロップメント事業 業績推移
ビジネスディベロップメント事業には、株式会社サニーサイドエックス、ウェルビーイングや女性活躍推進等の社会課題の解決に資するコミュニケーションサービスを提供する株式会社グッドアンドカンパニーが含まれています。
当事業は、新規事業の開発・創出を通じてグループの事業領域を拡充する位置づけにあり、セグメント特性上、費用が先行する傾向にあります。
当事業の売上高は第3四半期単独4,600百万円で累計1億3,300万円、セグメント利益は第3四半期単独100万円で累計200万円の損失となりました。
減収の主な要因は、2023年7月に連結子会社1社の株式を譲渡し、連結対象外としたためです。その影響額は累計2億5,000万円となりました。
2023年9月にXR事業を開始し営業体制を強化したものの、収益安定化に時間を要することから、2024年3月に株式会社STPRとスタジオ機能の移管を含む戦略的な提携で合意しました。
今後、当社のクライアント企業と同社の一般顧客向けエンターテイメント領域の双方でXR技術の活用を促進する予定です。
中長期の事業成長イメージ
最後に、中期成長戦略の進捗についてご説明します。
当社では、中長期経営方針において10年程度の時間軸で事業成長イメージを示しています。中期3か年は、コア事業と定めるブランドコミュニケーション事業の強化に取り組んでいます。
中期3か年成長ターゲット
当社では定量目標として、中期3か年最終年度である2026年6月期の連結営業利益20億円を掲げています。
目標達成にはブランドコミュニケーション事業の強化が不可欠であり、同事業の売上成長率を3か年平均13パーセント、営業利益率を16パーセント程度と想定しています。
ブランドコミュニケーション事業で売上成長と収益性向上の双方が実現できれば、連結営業利益目標を達成できると見ております。
コア事業の極限までの成長
ブランドコミュニケーション事業の強化に向けて、クライアントと長期的な関係を構築していくことを重視しています。グループ企業の知見・ノウハウを集結し、積極的にアップセルやクロスセルを行い、幅広いサービスを提案しながら高付加価値化を目指します。
また、連結子会社3社間の吸収合併を通じて経営資源を集約し、人員配置を最適化するなど生産性の向上を図ります。
新生サニーサイドアップ 変革の進捗
株式会社サニーサイドアップでは、第2四半期に顕在化した統合効果が持続・拡大し、クライアントリレーションの強化や提供サービスの高付加価値化への取組みが定着しつつあります。
企業のマーケティング責任者との接点を持ち、クライアント開拓に取り組むほか、商品企画やインフルエンサーマーケティングなどのサービスをPRと共同で受注するケースも徐々に増えています。
クライアントリレーションの強化
2024年2月、AnyMind Group株式会社と株式会社サニーサイドアップとの共催による「Influencer Marketing Summit(インフルエンサー・マーケティング・サミット)」に大手企業のCMOやマーケティング責任者を招待し、現役インフルエンサーによるセッションや事例紹介などを行いました。同イベントは、クライアントとの関係構築、更には新規クライアントの開拓へとつなりました。
戦略的パートナーシップによる成長機会の創出
2024年5月13日、当社は三菱商事系投資ファンドである株式会社丸の内キャピタルとパートナーシップ契約を締結しました。当社グループが培ってきたRR・ブランドコミュニケーションの知見・ノウハウを活かし、同社の投資先企業に対するマーケティング・PR支援等を行い、同社の投資先企業の長期的な企業価値向上を目指します。
株式会社丸の内キャピタルの豊富な投資実績のうち、特に流通・小売分野等のリテイル領域への投資は当社グループにとって親和性が高く、相乗効果が期待できると考えています。本提携がブランドコミュニケーション事業の成長機会の創出につながるよう取り組みます。
人的資本経営ガイドライン
成長を目指しながらも大切にしたいのが、サニーサイドアップグループを支える人財です。その指針を「人的資本経営ガイドライン」として示しています。
当社グループは性別・年齢・国籍等の属性に関わらず、機会を等しく提供することを基本方針としており、女性活躍推進についてさまざまな施策を講じています。
教育投資の拡充も既に取り組みが進んでおりますが、エンゲージメントの向上への動きもようやく本格化しました。代表取締役社長を含むメンバーで構成する「ワークエンゲージメント委員会」を設置し、エンゲージメント・スコア調査の結果分析を踏まえ、さまざまな施策を検討しています。
人財投資 トピックス
教育投資の拡充として開講した「SUNNY UNIVERSITY」では、マーケティング領域を中心に実践的なトレーニングを提供しています。これまで開催した8回に延べ1,070名が参加しました。
また、組織連携の強化や職場環境の改善を目的として、2023年12月に本社オフィスの1フロアを全面改装しています。
女性活躍推進 トピックス
女性活躍や健康増進に向けて対外的な発信を強化するとともに、社内でも継続的な取り組みを進め、厚生労働省が定める女性の健康週間を「ヘルスキュアDAY~自身の身体をいたわる一日~」として、有給取得を奨励しました。
なお、代表取締役社長の次原悦子は、2021年6月より一般社団法人日本経済団体連合会のダイバーシティ推進委員会委員長を務めています。2024年3月に経団連が開催した「ダイバーシティと女性の健康増進セミナー」において、女性の健康課題への取組み強化を呼びかけました。今後より一層これらに取り組んでいく所存です。
第3四半期を終了した現在、ブランドコミュニケーション事業を中心に、さまざまな施策の成果が着実に出てきたと実感しています。今後取り組みを加速しながら、クライアント企業様の期待に応えられるような付加価値の高い提案とサービスの提供、多様な人財の活躍支援にさらに注力したいと考えています。
株主さま、また投資家のみなさまにおかれましては、サニーサイドアップグループのこれからの活動に引き続きご支援をいただけると幸いです。ありがとうございました。
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