雇用統計後もドル高基調は維持へ・・・・

著者:柳澤浩
投稿:2014/11/07 09:41

もし数字が弱くてもドル売りは一時的か?

 昨日、発表された米失業保険申請件数は、27.8万件に留まり、予想の28.5万件や前週の28.8万件を下回りました。又、4週移動平均も27.9万件となり、実に2000年5月以来の低水準となっています。

 本日は、米・10月雇用統計の発表が控えていますが、失業保険申請件数と非農業部門雇用者数との相関関係は必ずしも高いとは云えないものの、ここまで、失業保険申請件数が下がって来ると、否が応でも、非農業部門雇用者数も強い数字になるのではないかと期待してしまいます。又、10月後半以降に発表されている米国の経済指標は、概ね良好な数字のものが続いて発表されており、この流れからも、良い数字となる事を期待する方が自然だと思います。

 そして、期待通りに雇用統計の数字が強い数字となれば、ドルは一段と上昇幅を拡大する動きとなり、ドル円は116円台に上値を伸ばす事になりそうです。もし、予想よりも弱い数字となれば、一時的にはドルが売られる事となりそうですが、それでも、ドル高基調を転換させる様な事にはならないと思います。

 昨年4月、黒田異次元緩和がスタートした翌日、米国で13年3月雇用統計が発表され、非農業部門雇用者数が8.8万人増と予想の19.0万人増を大きく下回る事がありましたが、ドル円の下落は本当に一時的なものとなり、下げ幅も限定的でした。これを思えば、今回も大きく下がる事は余り予想出来ず、このまま、ドル高基調が続くと考えるべきだと思います。
柳澤浩
(株)FXプライム byGMOチーフアナリスト
配信元: 達人の予想