米国債利回り急低下・・・・

著者:柳澤浩
投稿:2014/09/22 15:38

ドル円の上昇一服も・・・・

 金曜日の欧米市場では、スコットランド独立が否決された事がもっぱら注目されましたが、その結果を受けて急落したのは、ポンドとともに米国の長期債利回りでした。米30年国債利回りは6bp、10年国債利回りは4bp、そして、中期ゾーンの5年国債利回りでさえも2bp程度低下しました。

 米国債相場の堅調な地合いは週明けの東京市場でも維持され、これがドル円の上値を抑える役目を果たしているものと思われます。今週は、明日から、米国で2年、5年、7年国債の入札が始まります。利上げ観測の影響を受け易く、今月の相場下落を主導してきた、2年国債や5年国債の入札が無難なものとなれば、米国債利回りの上昇基調が転換する可能性があります。

 米国株式市場では、この処の原油相場下落により、石油関連株が大幅安となっており、最近は、ドル高への警戒感も強まっているとの声が聞こえ始めています。この様な懸念が今後強まる事となれば、史上最高値圏にあるだけに、今後の米国株市場の地合いが悪化する可能性もあります。

 こうなると、株安・債券高と云う、典型的な「リスク・オフ」の相場動向に移行する事となりますから、ドル円の地合いも転換する可能性があります。米国では、来年からの金融引き締め開始観測は揺るがないと思われますから、ドルを積極的に売る向きは少ないでしょうが、投機筋のドル・ロング・ポジションが大きく積み上がっているだけに、短期的な調整モードが強まる可能性には注意すべきかと思われます。 
柳澤浩
(株)FXプライム byGMOチーフアナリスト
配信元: 達人の予想