放れの時間が接近中!!

著者:菊川弘之
投稿:2014/05/16 11:30

嵐の前の静けさ

 ドル円のボラティリティが過去最低を更新している。2月4日に安値を付けてからは、季節傾向からは大きく動く3月も、アノマリーの多かった4月も動意付かず、101円~105円の狭いレンジ相場が継続している。テクニカル分析からは、保合いが長ければ長いほど放れた際の値動きは大きくなりトレンドが発生する事から、現在の状況は「嵐の前の静けさ」と言って良いだろう。

 足もとのドル円は、米金利下落もあり、一目均衡表の雲の下限の抵抗を確認後、反落となっている。下値支持は200移動平均線と重なる2月4日安値~3月3日安値水準。同水準を割り込んでくると、パターン分析からは三尊天井が意識されやすくなる。レンジ下限で、これまで同様、逆張りの買いが入ってくるのか、それとも支持線を割り込み、下げ加速となるのか、日柄からは来週辺りには答えが出るかもしれない。

メリマンの重要変化日は5月16日~19日。
一目均衡表の雲のねじれが、20日前後に位置する。
火星の逆行期間(3月2日~5月20日)も来週には終了する。ウクライナの大統領選挙が25日。20~21日には、CICAアジア相互協力信頼醸成措置会議(上海)で中露首脳会議が行われる可能性も浮上しており、地政学リスクの面からも何らかの変化が起きるかもしれない。

 仮に、ドル円が押し目を買われた場合は、雲の抵抗~4月4日高値を試す流れへ、反対に支持線割れから下げが加速した場合は、一目均衡表からは、N=100.19円、V=99.59円、E=98.48円などがカウントできる。放れの確認は、NY金の放れとのダブルチェックでダマシを避けたい。
菊川弘之
日産証券調査部 主席アナリスト
配信元: 達人の予想