サンフロ不動産 Research Memo(3):既存不動産の活用と流通への取り組みにより、顧客の資産価値の最大化を実現

配信元:フィスコ
投稿:2026/03/06 12:03
*12:03JST サンフロ不動産 Research Memo(3):既存不動産の活用と流通への取り組みにより、顧客の資産価値の最大化を実現 ■サンフロンティア不動産<8934>の事業概要

同社グループは、ビル経営におけるすべてのステップをワンストップで提供しており、都心オフィスビル事業を中核に据え、ホテル・観光事業などにも取り組んでいる。ビル経営における各ステップで、同社グループの主要サービスを独自の事業として構築することで専門性を追求し、競争優位性を確保している。また、部門横断サービスの連携により、顧客視点に基づく付加価値提供を実現している。

1. 不動産再生事業
不動産再生事業では、「リプランニング事業」「賃貸ビル事業」を手掛けている。

「リプランニング事業」は、稼働率の低い収益不動産やリニューアルを要する建物を取得し、高収益の不動産に再生したうえで富裕層・資産家・事業法人・ファンド等へ販売している。日頃からテナントのニーズを把握しているプロパティマネジメントや賃貸仲介のノウハウを活用して時代やニーズにマッチしたオフィス空間を企画・演出し、コストパフォーマンスを追求した改修工事を行っている。そして、地域密着によるリーシング力を生かして早期満室稼働を実現し、収益性を高めている。

リプランニング事業において特徴的な商品化方法の1つである「セットアップオフィス」は、通常の賃貸オフィスとは異なり、受付や応接室などの設営や執務エリアにデザイン性の高い内装工事を施し、設備や什器の一部を予め設置した状態で貸し出すものである。入居テナント企業には、4つのメリットがある。1) オフィス内装の検討や業者選定などの手間がかからず、担当者の負担を軽減する。2) 配線関連や引越以外の作業が不要なため、移転後すぐに利用でき、テナント側で負担する内装工事や原状回復の工期が大幅に短縮されることで、契約期間内における正味の利用可能期間が増加する。3) オフィス内装の費用負担が削減できるため、テナント側での内装資産計上が不要となり、財務負担が軽減される。4) 意匠性と機能性が両立したオフィス内装により、人財採用や社員のモチベーション、生産性の向上が期待できる。これは地域特性に精通し、テナント動向を的確に把握している同社グループならではの商品である。

近年のオフィスのトレンドについては、全体的には大きな変化は見られないものの、人財採用の観点から若手が好むようなデザインが重視される傾向にある。同社が手掛けるセットアップオフィスでは、落ち着いた木目調のデスクや彩度を抑えた内装を採用している。天井はコンクリートむき出しを仕様とし、高さを確保することで開放感のあるオフィスを創出している。アクセントとして壁にアートを配置することもある。機能面では、一人用のテレカンブースを標準装備とし、家具メーカーと共同開発した可動式のブースを導入している。これは、会議室の確保が困難なコワーキングスペースからの移転ニーズを的確に捉えたものである。同社のセットアップオフィスは、収容人数10名程度の小規模なワンフロア設計であっても、会議スペースや男女別トイレを完備している。こうした設備面での利便性が利用者の実利的なニーズに合致し、高い成約率へとつながっている。

同社独自調査(2024年2月)によれば、東京23区内のセットアップオフィス市場において、数ベースで46.6%、面積ベースで38.5%のシェアを占めている。市場では競合他社参入も確認されるが、その多くは一時的な事業展開にとどまっている。これに対し、同社グループはセットアップオフィスの先駆者として、ノウハウと情報網を持つ。社是である「利他」の精神により顧客目線を貫き、新規入居者の希望や既存入居者の要望を迅速に商品に生かすことで、セットアップオフィス市場における競争優位性の源泉となっている。

また、「賃貸ビル事業」は、リプランニング事業における賃貸ビル物件数を拡大しながら、不動産サービス部門で培ったオペレーション力を適用することで、安定的な賃料収入を得ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)

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配信元: フィスコ

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