*14:58JST 東邦チタニウム:航空機需要調整局面でも底堅さ示す、触媒・化学品が次の成長軸に
東邦チタニウム<5727>は、スポンジチタンを主力とする金属チタンメーカーであり、JX金属グループに属する。事業は「金属チタン」「触媒」「化学品」の3セグメントで構成され、売上規模では金属チタン事業が最大を占める一方、利益面では触媒事業および将来の成長ドライバーとして化学品事業の重要性が高まっている。航空機、電子部品、水素といった中長期的な成長分野との関係性が深く、ニッチかつ参入障壁の高い市場を主戦場としている点が特徴だ。
2026年3月期第2四半期(中間期)の連結業績は、売上高410.4億円(前年同期比6.2%減)、営業利益13.2億円(同49.5%減)と減収減益で着地した。主因は金属チタン事業における航空機向けスポンジチタン販売の減少であり、米国大手航空機メーカーであるボーイング社の生産停滞に起因したサプライチェーン上の在庫調整が、当初想定より長期化している影響が大きい。航空機向けについては受注残自体は相当抱えているものの、機体生産機数が回復していないため、実需への転換が進んでいない状況にある。
セグメント別に見ると、金属チタン事業は航空機向けに加え、一般産業用途向けでも中国メーカーによる過剰生産の影響を受け、販売量において厳しい環境が続いた。一方で、半導体向け高純度チタンは堅調に推移しており、同用途が下支え要因となっている。触媒事業は、中国におけるポリプロピレン生産能力過剰の影響が一部で残るものの、市場全体としては回復基調にあり、欧米や東南アジア向けを中心に販売が増加した結果、増収増益を確保した。化学品事業では、主力製品である超微粉ニッケル粉の用途先であるMLCC(積層セラミックコンデンサ)向け需要が回復基調にあり、販売量は前年同期を上回った。依然として営業損失は計上しているものの、損失幅は大きく縮小しており、生産稼働率の改善が進んでいる。
通期では、2026年3月期の会社計画として売上高813.0億円(前期比8.6%減)、営業利益40.0億円(同39.8%減)を見込んでいる。航空機需要の回復時期が当初想定より後ろ倒しとなっていることから、金属チタン事業については引き続き慎重な見通しが示されている。一方、触媒事業は比較的高い利益率を維持しており、化学品事業についても今期は損益分岐点近辺、来期以降の黒字化が視野に入る段階にある。特に化学品については、従来のハイエンドスマートフォン向けに加え、AIサーバー向け電子部品需要の拡大が中期的な追い風になるとみられる。
中期的な視点では、同社は既に大規模な設備投資フェーズを概ね終えており、次期中期経営計画では投下資本を活用した利益最大化、すなわちROICを重視した経営へ軸足を移す方針を示している。新規事業として位置付けられている水電解装置向けの「WEBTi(R)(チタン多孔質体薄板)」については、量産工場の稼働を控えており、2027年度以降の黒字化を目標としている。水素政策や補助金動向に左右される側面はあるものの、脱炭素関連分野における将来オプションとして注目される。
株主還元については、2026年3月期の年間配当を18円とする予定であり、従来の利益連動型方針に加えて、連結配当性向30~35%または連結純資産の2%以上のいずれか高い水準を目安とする新たな考え方を導入している。業績変動の大きい事業構造を踏まえた下限設定であり、安定配当を意識した姿勢がうかがえる。
総じて同社は、短期的には航空機向け需要調整という逆風下にあるものの、触媒・化学品事業が収益の下支え役として機能しており、事業ポートフォリオ全体の耐性は確認できる。中長期的には、航空機需要の正常化とともに、電子部品・水素といった成長分野への展開がどの程度収益貢献してくるかが評価の焦点となろう。短期業績よりも、構造的な収益力改善の進捗を注視したい。
<NH>
2026年3月期第2四半期(中間期)の連結業績は、売上高410.4億円(前年同期比6.2%減)、営業利益13.2億円(同49.5%減)と減収減益で着地した。主因は金属チタン事業における航空機向けスポンジチタン販売の減少であり、米国大手航空機メーカーであるボーイング社の生産停滞に起因したサプライチェーン上の在庫調整が、当初想定より長期化している影響が大きい。航空機向けについては受注残自体は相当抱えているものの、機体生産機数が回復していないため、実需への転換が進んでいない状況にある。
セグメント別に見ると、金属チタン事業は航空機向けに加え、一般産業用途向けでも中国メーカーによる過剰生産の影響を受け、販売量において厳しい環境が続いた。一方で、半導体向け高純度チタンは堅調に推移しており、同用途が下支え要因となっている。触媒事業は、中国におけるポリプロピレン生産能力過剰の影響が一部で残るものの、市場全体としては回復基調にあり、欧米や東南アジア向けを中心に販売が増加した結果、増収増益を確保した。化学品事業では、主力製品である超微粉ニッケル粉の用途先であるMLCC(積層セラミックコンデンサ)向け需要が回復基調にあり、販売量は前年同期を上回った。依然として営業損失は計上しているものの、損失幅は大きく縮小しており、生産稼働率の改善が進んでいる。
通期では、2026年3月期の会社計画として売上高813.0億円(前期比8.6%減)、営業利益40.0億円(同39.8%減)を見込んでいる。航空機需要の回復時期が当初想定より後ろ倒しとなっていることから、金属チタン事業については引き続き慎重な見通しが示されている。一方、触媒事業は比較的高い利益率を維持しており、化学品事業についても今期は損益分岐点近辺、来期以降の黒字化が視野に入る段階にある。特に化学品については、従来のハイエンドスマートフォン向けに加え、AIサーバー向け電子部品需要の拡大が中期的な追い風になるとみられる。
中期的な視点では、同社は既に大規模な設備投資フェーズを概ね終えており、次期中期経営計画では投下資本を活用した利益最大化、すなわちROICを重視した経営へ軸足を移す方針を示している。新規事業として位置付けられている水電解装置向けの「WEBTi(R)(チタン多孔質体薄板)」については、量産工場の稼働を控えており、2027年度以降の黒字化を目標としている。水素政策や補助金動向に左右される側面はあるものの、脱炭素関連分野における将来オプションとして注目される。
株主還元については、2026年3月期の年間配当を18円とする予定であり、従来の利益連動型方針に加えて、連結配当性向30~35%または連結純資産の2%以上のいずれか高い水準を目安とする新たな考え方を導入している。業績変動の大きい事業構造を踏まえた下限設定であり、安定配当を意識した姿勢がうかがえる。
総じて同社は、短期的には航空機向け需要調整という逆風下にあるものの、触媒・化学品事業が収益の下支え役として機能しており、事業ポートフォリオ全体の耐性は確認できる。中長期的には、航空機需要の正常化とともに、電子部品・水素といった成長分野への展開がどの程度収益貢献してくるかが評価の焦点となろう。短期業績よりも、構造的な収益力改善の進捗を注視したい。
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