GLテクノ Research Memo(2):分析機器・半導体・自動認識を軸に見えない領域で社会を支える技術企業グループ
配信元:フィスコ
投稿:2025/12/22 11:02
*11:02JST GLテクノ Research Memo(2):分析機器・半導体・自動認識を軸に見えない領域で社会を支える技術企業グループ
■会社概要
1. 会社概要
ジーエルテクノホールディングス<255A>は、2024年10月1日、ジーエルサイエンス及びテクノクオーツによる共同株式移転によって発足した精密機器製造の企業グループである。大手の傘下には属さず、独立系メーカーとして永年の業歴があり、2025年3月31日時点で連結従業員数1,192名、2025年3月期連結売上高43,261百万円の業容である。同社の事業は主に「分析機器事業」「半導体事業」「自動認識事業」の3つのセグメントで構成されており、なかでも分析機器事業と半導体事業が柱である。分析機器事業における中核の事業会社はジーエルサイエンスであり、GC・LC用カラムや前処理装置などの消耗品・装置を手掛けている。半導体事業における中核の事業会社はテクノクオーツが担っており、高純度石英ガラス・結晶シリコン部材の加工・製造を手掛ける。自動認識事業はジーエルサイエンスの子会社だったジーエルソリューションズ(株)が担っており、非接触ICカードや入退室管理機器などが含まれる。
同社の提供する製品・サービスは完成品の部品や製造工程に利用されるものが中心であり、目に見えないところで間接的に貢献している。こうした事業特性から「人と社会の可能性を触発する」というミッションを掲げている。このミッションを具現化するための行動指針として「枠にとらわれない自由な価値創造に挑戦する」とのビジョンを掲げ、持株会社体制によるグループシナジーの拡大、事業ポートフォリオの最適化、グローバル展開を進めている。
2. 沿革
(1) ジーエルサイエンス
ジーエルサイエンスは、1968年にガスクロ工業(株)として創業し、ガスクロマトグラフ用カラムや充填剤などの分析機器の製造販売から事業をスタートした。1970年代以降、生産拠点を拡充し、福島工場の新設などで製造体制を強化した。1990年に現社名へ改称し、分析・分離技術を中核とする総合分析機器メーカーとして成長を遂げた。1995年に店頭上場、2005年には東京証券取引所第2部上場を果たし、非接触ICカード関連や自動認識分野へも進出した。2024年10月、テクノクオーツとの経営統合によりジーエルテクノホールディングスの中核企業として新たな発展段階を迎えている。
(2) テクノクオーツ
テクノクオーツは、1976年にガスクロ工業(現 ジーエルサイエンス)の子会社として山形県で設立され、1978年より半導体製造装置用の高純度石英ガラス製品の製造を開始した。1980年代には東芝セラミックス(株)と業務・資本提携を結び、石英加工技術を高度化した。1991年に現社名へ変更し、1999年に店頭登録を果たすなど事業を拡大した。2000年代以降は中国杭州に現地法人を設立し、グローバル生産体制を整備した。2022年にはアイシンテック(株)を子会社化し、2024年10月のジーエルテクノホールディングス発足に伴い、半導体事業の中核企業として新たな成長段階を迎えている。2025年5月にはベトナム・ニンビン省にTECHNO QUARTZ VIETNAM CO., LTD.を設立し、「持続可能な収益性の向上」を狙う。
(3) ジーエルソリューションズ
ジーエルソリューションズは、2013年にジーエルサイエンスから自動認識事業本部を分社化し完全子会社として独立した。2024年10月のジーエルテクノホールディングス発足に伴い、ジーエルソリューションズはその完全子会社となる。
(4) ジーエルテクノホールディングス
ジーエルテクノホールディングスは、ジーエルサイエンスとテクノクオーツの経営統合により、2024年10月1日に設立された共同持株会社である。設立目的は、分析機器と半導体製造装置部材という異なる成長ステージにある両社の経営体制を再構築し、経営資源を最適配分することで、グループ全体の企業価値を最大化することにある。
経営統合のスキームは「共同株式移転」方式で行われ、両社が発行する株式を新設会社であるジーエルテクノホールディングスに移転し、両社がその完全子会社となる構造を採用した。株式移転比率は、ジーエルサイエンス株式1株に対して新会社株式1株、テクノクオーツ株式1株に対して新会社株式2.10株である。
統合のねらいは、「グループ戦略機能の強化と投資判断の一元化」「管理機能の集約による経営効率化」「意思決定の迅速化と利害関係者への提供価値最大化」にある。テクノクオーツの半導体分野の高成長と、ジーエルサイエンスの安定的な分析機器事業を両輪とし、自動認識事業のジーエルソリューションズを第3の柱に育てる体制を構築した。今後、PMI※がどのように進展するか注目したい。
※ Post Merger Integration(M&A後の統合プロセス)の略で、合併後の効果を最大化するための活動を指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)
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1. 会社概要
ジーエルテクノホールディングス<255A>は、2024年10月1日、ジーエルサイエンス及びテクノクオーツによる共同株式移転によって発足した精密機器製造の企業グループである。大手の傘下には属さず、独立系メーカーとして永年の業歴があり、2025年3月31日時点で連結従業員数1,192名、2025年3月期連結売上高43,261百万円の業容である。同社の事業は主に「分析機器事業」「半導体事業」「自動認識事業」の3つのセグメントで構成されており、なかでも分析機器事業と半導体事業が柱である。分析機器事業における中核の事業会社はジーエルサイエンスであり、GC・LC用カラムや前処理装置などの消耗品・装置を手掛けている。半導体事業における中核の事業会社はテクノクオーツが担っており、高純度石英ガラス・結晶シリコン部材の加工・製造を手掛ける。自動認識事業はジーエルサイエンスの子会社だったジーエルソリューションズ(株)が担っており、非接触ICカードや入退室管理機器などが含まれる。
同社の提供する製品・サービスは完成品の部品や製造工程に利用されるものが中心であり、目に見えないところで間接的に貢献している。こうした事業特性から「人と社会の可能性を触発する」というミッションを掲げている。このミッションを具現化するための行動指針として「枠にとらわれない自由な価値創造に挑戦する」とのビジョンを掲げ、持株会社体制によるグループシナジーの拡大、事業ポートフォリオの最適化、グローバル展開を進めている。
2. 沿革
(1) ジーエルサイエンス
ジーエルサイエンスは、1968年にガスクロ工業(株)として創業し、ガスクロマトグラフ用カラムや充填剤などの分析機器の製造販売から事業をスタートした。1970年代以降、生産拠点を拡充し、福島工場の新設などで製造体制を強化した。1990年に現社名へ改称し、分析・分離技術を中核とする総合分析機器メーカーとして成長を遂げた。1995年に店頭上場、2005年には東京証券取引所第2部上場を果たし、非接触ICカード関連や自動認識分野へも進出した。2024年10月、テクノクオーツとの経営統合によりジーエルテクノホールディングスの中核企業として新たな発展段階を迎えている。
(2) テクノクオーツ
テクノクオーツは、1976年にガスクロ工業(現 ジーエルサイエンス)の子会社として山形県で設立され、1978年より半導体製造装置用の高純度石英ガラス製品の製造を開始した。1980年代には東芝セラミックス(株)と業務・資本提携を結び、石英加工技術を高度化した。1991年に現社名へ変更し、1999年に店頭登録を果たすなど事業を拡大した。2000年代以降は中国杭州に現地法人を設立し、グローバル生産体制を整備した。2022年にはアイシンテック(株)を子会社化し、2024年10月のジーエルテクノホールディングス発足に伴い、半導体事業の中核企業として新たな成長段階を迎えている。2025年5月にはベトナム・ニンビン省にTECHNO QUARTZ VIETNAM CO., LTD.を設立し、「持続可能な収益性の向上」を狙う。
(3) ジーエルソリューションズ
ジーエルソリューションズは、2013年にジーエルサイエンスから自動認識事業本部を分社化し完全子会社として独立した。2024年10月のジーエルテクノホールディングス発足に伴い、ジーエルソリューションズはその完全子会社となる。
(4) ジーエルテクノホールディングス
ジーエルテクノホールディングスは、ジーエルサイエンスとテクノクオーツの経営統合により、2024年10月1日に設立された共同持株会社である。設立目的は、分析機器と半導体製造装置部材という異なる成長ステージにある両社の経営体制を再構築し、経営資源を最適配分することで、グループ全体の企業価値を最大化することにある。
経営統合のスキームは「共同株式移転」方式で行われ、両社が発行する株式を新設会社であるジーエルテクノホールディングスに移転し、両社がその完全子会社となる構造を採用した。株式移転比率は、ジーエルサイエンス株式1株に対して新会社株式1株、テクノクオーツ株式1株に対して新会社株式2.10株である。
統合のねらいは、「グループ戦略機能の強化と投資判断の一元化」「管理機能の集約による経営効率化」「意思決定の迅速化と利害関係者への提供価値最大化」にある。テクノクオーツの半導体分野の高成長と、ジーエルサイエンスの安定的な分析機器事業を両輪とし、自動認識事業のジーエルソリューションズを第3の柱に育てる体制を構築した。今後、PMI※がどのように進展するか注目したい。
※ Post Merger Integration(M&A後の統合プロセス)の略で、合併後の効果を最大化するための活動を指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)
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