【IRアナリストレポート】ADワークスグループ(2982)

著者:鈴木 行生
投稿:2025/12/10 12:17

~個人富裕層向け収益不動産事業を拡大、新規事業への展開~

ポイント
・今2025年12月期の会社計画を上方修正した。今期3回目である。計画を上回る好調が続いている。収益不動産事業、とりわけ、不動産小口化事業がリード役となっている。今期は、中期3ヵ年計画の2年目に当たるが、不動産小口化商品「ARISTO(アリスト)」の販売は、2023年50億円、2024年132億円に対して、2025年は220億円が見込めよう。

・中期3ヵ年計画は、3年目を待たずに大幅に上回ってくるので、次のターゲットを設定しつつある。2027年12月期について、ROEで13~14%を目指すと新たな目標を公表したが、今期で15%を上回ってこよう。上方修正に伴い、期末配当を2円増配し年16円とした。

・なぜ想定を上回る好調を持続しているのか。第1に、人材が集まっており、リテンション(人材の保持)の仕組みも充実させている。実際退職者が出ていない。第2に、好業績をベースに案件の大型化が進み、ポートフォリオが拡大している。仕入れ情報がかつてよりも入るようになり、販売ネットワークも実績をベースに積み上げ効果を生んでいる。第3に、事業開発力が充実し、新規事業がテンポよく広がりをみせている。

・1年前には、プライム上場基準をいかにクリアするか。ハードルが高く難しいのではないかという見方もあったが、業績の拡大で軽々とクリアしてきたことは、サプライズである。創業者である田中社長のリーダーシップを核に、役職員が一丸となったパワー結集の成果であると高く評価できよう。

・3つの新規事業がスタートしている。①オフィス区分事業、②不動産クラウドファンディング事業、③系統用蓄電所事業である。いずれも有望で、急ピッチの立ち上げを見せている。数年で本格化してこよう。これらによって成長性が高まるので、PERも切り上がってこよう。次なる挑戦として注目したい。

・株価は400円を超えてきたので、次は600円を目指そう。株価250円で、プライム上場維持基準の流通株式時価総額100億円はクリアできる。中長期業績のもう一段飛躍に向けて、引き続きビジネスモデル(価値創造の仕組み)の革新が進もう。

目次
1.特色 個人富裕層向け不動産事業に専心
2.強み 不動産小口化商品で独自の領域を拡大
3.中期経営計画 新3ヵ年計画は上方修正
4.当面の業績 ピーク利益の更新が続こう
5.企業評価 プライム上場基準のクリアし、新たな成長へ

ADワークスグループ <2982>
企業レーティング A
株価
(2025年12月9日)
489円
時価総額 245億円
(50.08百万株)
PBR 1.17倍
ROE 15.6%
PER 7.52倍
配当利回り 3.3%
総資産 65218百万円
純資産 20277百万円
自己資本比率 31.0%
BPS 417.0円
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 EPS 配当
2020.12 16840 645 427 264 6.8 2.6
2021.12 24961 933 650 312 7.2 3.5
2022.12 27856 1376 953 527 11.3 4.5
2023.12 41342 2441 1978 1419 29.9 8.0
2024.12 49910 3216 2547 1610 33.5 10.0
2025.12(予) 64200 5500 4500 3160 65.0 16.0
2026.12(予) 73000 6300 5100 3500 72.0 18.0

(25.9ベース)

(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想。2020.12期は 9カ月決算。
 
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/ADWG202512.pdf

日本ベル投資研究所の過去レポートはこちらから

配信元: みんかぶ株式コラム

関連銘柄

銘柄 株価 前日比
483.0
(15:30)
-6.0
(-1.22%)