―待機児童も高水準続く、国の子育て支援策追い風にビジネスチャンスは拡大中―
少子化の深刻化・人口減少が国家的な課題となるなか、引き続き子育て支援に関する関心は高い。7月20日に行われた参議院選挙においても、各党が子育て支援策の充実を訴えた。子育て支援関連企業にとっては、追い風となることが期待されている。
そうしたなか、こども家庭庁から7月29日、気になる数字が発表された。「令和7年度放課後児童クラブの実施状況(速報値)」によると、今年5月1日時点で放課後児童クラブ、いわゆる「学童保育(学童クラブ)」に登録している児童の数は156万8588人を数え、前年に比べて4万8636人増加し過去最多となったという。学童保育へのニーズは根強く、その整備も急務となっており、関連銘柄のビジネスチャンスも広がりそうだ。
●学童保育利用児童数は27年前の4.5倍
学童保育とは、放課後や夏休み・冬休みの長期休業期間などに、保護者に代わって児童の保育をすることで、親の仕事と子育ての両立支援を保障する施設のこと。学童保育を利用する子どもの数は、調査を開始した1998年には34万8543人だったが、2015年には102万4635人と100万人を突破。そして今年は157万人に接近し、27年前に比べて4.5倍となっている。共働き家庭の増加などが背景にあるとされ、少子化の中にあって利用者は年々増え続けている。
一方、25年に学童保育を利用できなかった児童数(待機児童数)は1万7013人となった。前年比673人減と4年ぶりに減少したものの、過去6番目に多い数字となっている。同庁は待機児童解消に向けて23年12月に「放課後児童対策パッケージ」を発表し、放課後児童クラブを開設する場の確保や人材の確保などの支援を強化している。
●学童保育は大きく分けて3種類ある
学童保育は、自治体が設置・運営する「公立公営学童」と自治体が設置し、民間が運営する「公立民営学童」、民間企業やNPO法人などが設置・運営する「民立民営学童」に大きく分けられる。また、学童保育に似たものとして、文部科学省が管轄し、学校の余裕教室などを利用して行われる「放課後子ども教室」もあるが、こちらは児童の居場所づくりが目的で、夏休みなどには実施していないところも多い。
公営の学童と民営の学童の運営には大きな差はないものの、利用料金や児童を預けることのできる時間などには大きな差がある。また、民営の学童には施設やサービス内容、カリキュラムの提供などで公立学童にはない特徴を持つところも多く、近年では料金が高くても、民営学童を選択する人も増えている。
●都市部中心に民営学童が増加
近年では都市部を中心に物理的・人的リソース不足から、公立公営学童の運営が厳しさを増しており、公立民営や民立民営の学童が増加している。「令和6年 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況」では、公立公営学童は6176カ所と前年に比べて531カ所減少した一方、公立民営学童は1万2859カ所から1万3076カ所へ、民立民営学童は6241カ所から6383カ所へそれぞれ増加した。
この傾向は今後も続くとみられ、学童保育の運営や運営受託を行う企業、運営コンサルティングやシステム面の支援を行う企業には、今後もビジネスチャンスの拡大が期待できる。
●学童保育の関連銘柄
JPホールディングス <2749> [東証P]は、保育園「アスク」などを全国に展開する子育て支援事業のリーディングカンパニー。子会社日本保育サービスを通じて保育園や学童クラブ、児童館の運営を行っており、学童クラブは4月時点で118施設を運営している。現在取り組んでいる28年3月期を最終年度とする中期経営計画では、今年度スタートした東京都認証学童クラブ事業などを受けて今期25~30施設の受託・開設を目標に掲げており、中計最終年度の数値目標である営業利益63億2700万円(25年3月期実績58億900万円)達成に貢献しそうだ。
ライク <2462> [東証P]は、「保育」「人材」「介護」を3本柱として事業を展開しており、「保育」分野では子会社ライクキッズを通じて認可保育園「にじいろ保育園」などの子育て支援サービスを提供している。学童保育に関しては、「にじいろ学童クラブ」の展開を中心に、公設(公立)民営学童クラブ、公設民営全児童対策施設の運営を受託しており、グループシナジーを生かした「人材力」を強みに業容を拡大。また、ここ数年学童保育の受注にも注力しており、子育て支援サービス事業の成長の牽引役の一つとなっている。
ポピンズ <7358> [東証S]は、ベビーシッター派遣から事業を開始し、現在は保育施設や学童児童館などの運営を行うエデュケア事業が主力となっている。学童クラブの運営や運営受託を行う子会社ポピンズエデュケアの展開する「ポピンズアフタースクール」はポピンズ独自の教育と保育を融合させた「エデュケア」に基づいた質の高いプログラムを導入しているのが特徴で、先進自治体における付加的サービスの開始なども追い風となっている。
グローバルキッズCOMPANY <6189> [東証S]、Smile Holdings <7084> [東証G]、テノ.ホールディングス <7037> [東証S]の3社は主に認可保育所の運営で成長してきた企業だが、いずれも学童保育の運営も手掛けている。Gキッズは現在、東京都と神奈川県で計9カ所の学童保育を運営。スマイルHDは「キッズガーデンアフタースクール」のブランドで2校展開している。また、テノ.HDは、現在49施設を展開しているが、利用者増加を見込んで首都圏を中心に営業活動を強化しており、新規開設にも注力している。
このほか、リソー教育 <4714> [東証P]、明光ネットワークジャパン <4668> [東証P]、城南進学研究社 <4720> [東証S]などの学習塾大手も学童保育を運営。学研ホールディングス <9470> [東証P]も長年の教育事業で培ったノウハウを生かして「学研の学童保育」を運営している。一方、人材サービス大手のパソナグループ <2168> [東証P]では子会社パソナフォスターが公立学童保育の運営受託を行うほか、直営の学童施設を運営しており、同様に人材事業を主力とするヒューマンホールディングス <2415> [東証S]も子会社ヒューマンスターチャイルドが東京都や横浜市で学童保育の運営を受託しており要注目だ。
株探ニュース
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