*13:02JST メイホーHD Research Memo(2):企業支援プラットフォームを核とする中小企業集合体
■会社概要
1. 会社概要
メイホーホールディングス<7369>は「変わる勇気が、未来を変える。」を合言葉に、企業支援プラットフォームを核として実業を営む中小企業集合体を形成している。グループ理念に「増収増益企業を共創するネットワークの拡大を通じて一人ひとりがしあわせを実感できる社会を創造する」を掲げ、地域に根差した企業へのM&Aを積極的に行い、能動的に主体的に生きることが一人ひとりのしあわせにつながることを共有する企業文化を形成することを目指している。
2025年6月期中間期末時点で、本社所在地は岐阜本社が岐阜県岐阜市、東京本社が東京都千代田区、総資産は8,099百万円、純資産は2,004百万円、株主資本は2,049百万円、自己資本比率は24.7%、発行済株式数は1,565,600株(自己株式数167株を含む)である。なお株式流動性の向上や投資家層の拡大を目的として、基準日2025年3月31日(効力発生日2025年4月1日)で株式3分割を実施する。
2021年6月に東証と名証に株式上場
2. 沿革
同社は2017年2月に前身となる(株)メイホーエンジニアリング(1981年7月創業)の株式移転によって持株会社として設立された。その後2021年6月に東京証券取引所(以下、東証)マザーズ及び名古屋証券取引所(以下、名証)セントレックスに株式上場、2022年4月の東証及び名証の市場区分再編に伴い東証グロース市場及び名証ネクスト市場へ移行した。純粋持株会社へ移行後、M&Aを活用して業容を拡大している。
■事業概要
企業支援プラットフォームを通じてグループ企業の成長を支援
1. 事業概要
同社は、M&Aによって成長意欲の高い中小企業と資本提携し、企業支援プラットフォームを通じてグループ企業の成長を支援している。グループインした企業に対して経営効率化(月次決算・経営会議・資金調達・コンプライアンス・ガバナンスなど)、人材支援(採用・教育・人材交流・理念共有など)、業務連携(相互補完・相互成長を目的とした技術協力・業務連携など)などをサポートし、グループ企業の「稼ぐ力」を高める。また、各企業で働く人々に安定した職場の提供や所得の向上をもたらし、さらには地域創生に貢献することを目指している。グループインした企業にとっては、経営基盤構築(会計・人事等のシステム導入、価値観共有など)、グループ企業とのシナジー創出(業務連携・人的交流・異業種交流など)に加えて、グループの信用力を活用した資金調達が可能になるなどのメリットがある。
グループは2025年6月期中間期末時点で同社を含めて21社
2. グループ構成とセグメント区分
同社はグループ各社支援体制強化に向けて2024年10月1日付で中間持株会社を廃止するなどグループ内組織再編を行い、グループ(2025年6月期中間期末時点)は純粋持株会社の同社及び事業会社20社の合計21社で構成されている。セグメント区分は、建設コンサルタント業務を中心とする建設関連サービス事業、建設技術者派遣を中心とする人材関連サービス事業、公共工事を中心とする建設事業、通所介護(デイサービス)などを運営する介護事業としている。収益に安定性のある公共事業関連を中心にM&Aを積極活用していることが特徴である。建設関連サービス事業は国内8社、人材関連サービス事業は国内4社及び海外1社、建設事業は国内6社、介護事業は国内1社で、地域別には特に重点エリアを設けず、北海道から九州まで幅広く各地域に根差した優良企業をグループ化している。
2024年6月期以降に実施したM&Aとしては、2023年7月に(株)フジ土木設計の全株式を取得、2023年11月に今田建設ホールディングス(傘下の今田建設(株)及びハーミット(株)を含む、その後2024年4月1日付で今田建設が今田建設ホールディングスを吸収合併)の全株式を取得、2024年2月にイギアルホールディングス(傘下の(株)レゾナゲートを含む、その後2024年5月1日付でレゾナゲートがイギアルホールディングスを吸収合併)の全株式を取得した。今田建設ホールディングスの売上高は20~40億円規模、営業利益は2.5~5億円規模であり、同社にとって過去最大規模のM&A案件となった。イギアルホールディングスの売上高は20億円規模、営業利益は0.2~0.3億円規模と今田建設ホールディングスに次ぐ規模のM&A案件であり、同社の東京本社で成約した初のM&A案件だった。
建設関連サービス事業は国及び地方公共団体を主な顧客として、道路・河川・橋梁などの公共工事における建設コンサルタント業務を主力としている。高度な技術と豊富な業務実績により、発注者の技術パートナーとして施工管理業務を支援する。さらに、公共工事を進めるための土地買収や建物移転に伴って生じる損失の調査・算定を行う補償業務、交通量などの各種調査を行う調査業務なども展開している。
人材関連サービス事業は、国内では大手ゼネコン向け建設技術者派遣や製造業向けスタッフ派遣などの人材サービス事業を主力として、施設警備・交通誘導・雑踏警備などを受託する警備事業、海外ではカンボジアで建築用CAD図面作成や測量データ処理などを行うアウトソーシング事業、カンボジア人技能実習生の送り出し事業などを展開している。これらは大手ゼネコンからの継続受注が安定収益源となっている。なお2024年2月にグループインしたレゾナゲートは一般事務を中心とする人材派遣事業を展開し、派遣スタッフの給与水準が高いことが競争優位性となっている。今後はレゾナゲートのシステムをグループ内に水平展開し、レゾナゲートの全国展開を推進する方針であり、人材関連サービス事業のさらなる領域拡大が期待される。
建設事業は総合建設業として、公共事業の道路や橋梁の新設工事及び維持・修繕工事のほか、緑化・法面工事なども展開している。2023年11月にグループインした今田建設は、1891年に大阪市浪速区で創業された老舗企業で、大阪メトロなどの鉄道工事(駅構内関連)を得意としている。今後はグループ企業間の人材・技術交流や相互補完をさらに推進する方針だ。
介護事業はデイサービス、認知症対応型デイサービス、居宅介護支援事業所(ケアマネージャーが常駐する事業所)を展開している。同一エリアの複数店舗で経営資源を融通し合う地域密着型運営などにより、人材確保とコスト低減を実現している。なお事業拡大に向けて、2024年9月に住宅型有料老人ホーム「アルトのお家 旦島(だんのしま)」(岐阜市)を開設した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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1. 会社概要
メイホーホールディングス<7369>は「変わる勇気が、未来を変える。」を合言葉に、企業支援プラットフォームを核として実業を営む中小企業集合体を形成している。グループ理念に「増収増益企業を共創するネットワークの拡大を通じて一人ひとりがしあわせを実感できる社会を創造する」を掲げ、地域に根差した企業へのM&Aを積極的に行い、能動的に主体的に生きることが一人ひとりのしあわせにつながることを共有する企業文化を形成することを目指している。
2025年6月期中間期末時点で、本社所在地は岐阜本社が岐阜県岐阜市、東京本社が東京都千代田区、総資産は8,099百万円、純資産は2,004百万円、株主資本は2,049百万円、自己資本比率は24.7%、発行済株式数は1,565,600株(自己株式数167株を含む)である。なお株式流動性の向上や投資家層の拡大を目的として、基準日2025年3月31日(効力発生日2025年4月1日)で株式3分割を実施する。
2021年6月に東証と名証に株式上場
2. 沿革
同社は2017年2月に前身となる(株)メイホーエンジニアリング(1981年7月創業)の株式移転によって持株会社として設立された。その後2021年6月に東京証券取引所(以下、東証)マザーズ及び名古屋証券取引所(以下、名証)セントレックスに株式上場、2022年4月の東証及び名証の市場区分再編に伴い東証グロース市場及び名証ネクスト市場へ移行した。純粋持株会社へ移行後、M&Aを活用して業容を拡大している。
■事業概要
企業支援プラットフォームを通じてグループ企業の成長を支援
1. 事業概要
同社は、M&Aによって成長意欲の高い中小企業と資本提携し、企業支援プラットフォームを通じてグループ企業の成長を支援している。グループインした企業に対して経営効率化(月次決算・経営会議・資金調達・コンプライアンス・ガバナンスなど)、人材支援(採用・教育・人材交流・理念共有など)、業務連携(相互補完・相互成長を目的とした技術協力・業務連携など)などをサポートし、グループ企業の「稼ぐ力」を高める。また、各企業で働く人々に安定した職場の提供や所得の向上をもたらし、さらには地域創生に貢献することを目指している。グループインした企業にとっては、経営基盤構築(会計・人事等のシステム導入、価値観共有など)、グループ企業とのシナジー創出(業務連携・人的交流・異業種交流など)に加えて、グループの信用力を活用した資金調達が可能になるなどのメリットがある。
グループは2025年6月期中間期末時点で同社を含めて21社
2. グループ構成とセグメント区分
同社はグループ各社支援体制強化に向けて2024年10月1日付で中間持株会社を廃止するなどグループ内組織再編を行い、グループ(2025年6月期中間期末時点)は純粋持株会社の同社及び事業会社20社の合計21社で構成されている。セグメント区分は、建設コンサルタント業務を中心とする建設関連サービス事業、建設技術者派遣を中心とする人材関連サービス事業、公共工事を中心とする建設事業、通所介護(デイサービス)などを運営する介護事業としている。収益に安定性のある公共事業関連を中心にM&Aを積極活用していることが特徴である。建設関連サービス事業は国内8社、人材関連サービス事業は国内4社及び海外1社、建設事業は国内6社、介護事業は国内1社で、地域別には特に重点エリアを設けず、北海道から九州まで幅広く各地域に根差した優良企業をグループ化している。
2024年6月期以降に実施したM&Aとしては、2023年7月に(株)フジ土木設計の全株式を取得、2023年11月に今田建設ホールディングス(傘下の今田建設(株)及びハーミット(株)を含む、その後2024年4月1日付で今田建設が今田建設ホールディングスを吸収合併)の全株式を取得、2024年2月にイギアルホールディングス(傘下の(株)レゾナゲートを含む、その後2024年5月1日付でレゾナゲートがイギアルホールディングスを吸収合併)の全株式を取得した。今田建設ホールディングスの売上高は20~40億円規模、営業利益は2.5~5億円規模であり、同社にとって過去最大規模のM&A案件となった。イギアルホールディングスの売上高は20億円規模、営業利益は0.2~0.3億円規模と今田建設ホールディングスに次ぐ規模のM&A案件であり、同社の東京本社で成約した初のM&A案件だった。
建設関連サービス事業は国及び地方公共団体を主な顧客として、道路・河川・橋梁などの公共工事における建設コンサルタント業務を主力としている。高度な技術と豊富な業務実績により、発注者の技術パートナーとして施工管理業務を支援する。さらに、公共工事を進めるための土地買収や建物移転に伴って生じる損失の調査・算定を行う補償業務、交通量などの各種調査を行う調査業務なども展開している。
人材関連サービス事業は、国内では大手ゼネコン向け建設技術者派遣や製造業向けスタッフ派遣などの人材サービス事業を主力として、施設警備・交通誘導・雑踏警備などを受託する警備事業、海外ではカンボジアで建築用CAD図面作成や測量データ処理などを行うアウトソーシング事業、カンボジア人技能実習生の送り出し事業などを展開している。これらは大手ゼネコンからの継続受注が安定収益源となっている。なお2024年2月にグループインしたレゾナゲートは一般事務を中心とする人材派遣事業を展開し、派遣スタッフの給与水準が高いことが競争優位性となっている。今後はレゾナゲートのシステムをグループ内に水平展開し、レゾナゲートの全国展開を推進する方針であり、人材関連サービス事業のさらなる領域拡大が期待される。
建設事業は総合建設業として、公共事業の道路や橋梁の新設工事及び維持・修繕工事のほか、緑化・法面工事なども展開している。2023年11月にグループインした今田建設は、1891年に大阪市浪速区で創業された老舗企業で、大阪メトロなどの鉄道工事(駅構内関連)を得意としている。今後はグループ企業間の人材・技術交流や相互補完をさらに推進する方針だ。
介護事業はデイサービス、認知症対応型デイサービス、居宅介護支援事業所(ケアマネージャーが常駐する事業所)を展開している。同一エリアの複数店舗で経営資源を融通し合う地域密着型運営などにより、人材確保とコスト低減を実現している。なお事業拡大に向けて、2024年9月に住宅型有料老人ホーム「アルトのお家 旦島(だんのしま)」(岐阜市)を開設した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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