【QAあり】グリッド、着実な増収により2Qも営業黒字を確保 電力・エネルギー領域での新規顧客獲得・本番導入の進展が寄与

投稿:2025/02/25 15:00

サマリー:中間期業績

曽我部完氏(以下、曽我部):株式会社グリッド代表取締役社長の曽我部です。よろしくお願いします。それでは、2025年6月期中間期の決算概況についてご説明します。

全体のサマリーです。売上高および各段階利益については、売上高が8億9,000万円、営業利益が6,200万円、当期純利益が3,800万円となりました。売上高は前年同期比プラス39.5パーセントの高い成長率となり、営業利益は前年同期よりも大幅に増加しています。

四半期累計業績見通し

四半期累計の業績見通しです。

第1四半期、第2四半期の利益水準は低調でしたが、今後の第3四半期、第4四半期はしっかりと利益計上できる見通しとなっています。通期においては、当初の計画どおり売上高22億円、営業利益4億円を十分に達成できると考えています。

また、利益水準についても、営業利益率18パーセント以上をしっかりとクリアできる見込みです。そのため、当初掲げた計画から変更はありません。

産業ドメイン別の売上構成

産業ドメイン別の売上構成比率です。従前より変わらず、電力・エネルギーが全体の半分を占めており、物流・サプライチェーンが34.3パーセント、都市交通・スマートシティが10.7パーセントとなっています。

今後も電力・エネルギーの比率は同等の傾向で推移すると考えており、2025年6月期もこの比率のまま進行していく見通しです。

フロー型売上とストック型売上

フロー型売上とストック型売上についてご説明します。

AIエンジン開発およびシステム開発を総称して、フロー型売上と呼んでいます。フロー型売上は、前年同期4億5,600万円に対し、6億4,300万円まで増額する結果となりました。

ストック型売上である運用・サポートについては、前年同期1億8,200万円に対して2億円半ばまで増額し、堅調に積み上がってきている状況です。

受注高と受注残高

受注高と受注残高です。上期の受注高は約8億円、上期終了時点の受注残高は10億3,200万円という状況です。

四半期プロジェクト数

四半期ごとのプロジェクト数の推移についてご説明します。

プロジェクト数は堅調に推移しており、運用・サポート、システム開発、AIエンジン開発ともに増加傾向です。第2四半期は、運用・サポートで14件、システム開発で10件、AIエンジン開発で23件のプロジェクトが進行している状況です。

また、スライドに括弧書きで示しているのは、既存のお客さまのアップセル・クロスセルの件数です。既存のお客さまから新しいエンジン開発の依頼を受けており、アップセル・クロスセルも順調に増加しています。

営業利益増減要因

営業利益の増減要因です。2024年6月期中間期の営業利益300万円に対し、今期の中間期終了時点の営業利益は6,200万円に増加しています。この内訳についてご説明します。

主な要因は、フロー型売上とストック型売上の合計が2億5,000万円強増加したことです。費用についても、主に人件費や採用費が増加した結果、費用は合計約1億9,000万円となり、営業利益は6,200万円まで増加しました。

人件費以外の販管費は、前年対比おおむね横ばいで推移しています。今後も売上増加に伴い、エンジニアおよび営業側の人件費、それに関連した採用費が増加していく傾向にあります。

一方で、損益分岐点を上回る売上が発生すると、そのまま営業利益に積み上がる構造のため、今期の中間期終了時点では営業利益が増加しています。

エンジニア一人当たり売上高

通期の見通しでは、エンジニア1人当たりの売上高は今年度も2,600万円程度になると見通しています。

エンジニアの人員体制については、期末に80人台半ばまで到達する見込みです。体制を強化しながら生産性を下げず、通期目標である売上高22億円、営業利益4億円をしっかりと達成していきたいと考えています。

主要な経営指標

主な経営指標です。2025年6月期中間期の売上高成長率は、39.5パーセントに増えました。ストック型売上比率は3割弱程度で推移していくと想定しており、中間期は27.7パーセントで着地しています。

通期の顧客平均売上は、中間期の倍程度になると考えています。そのため、中間期終了時点の1社当たりの顧客平均売上2,700万円に対し、通期は5,400万円程度まで増加する見込みです。

取引先数に関しては、全体で33社、主なサービス区分のお客さまで29社と堅調に推移しており、通期では33社から40社弱(「50社強」と発言がありましたが、正しくは「40社弱」です。訂正いたします)まで増加していくと考えています。

貸借対照表

貸借対照表については、スライドをご覧ください。上期の決算概況について、ご説明は以上となります。

質疑応答:需給管理自動化システムについて

司会者:「日清製粉ウェルナ向けの電力需要増加への対応についてご説明ください」というご質問です。

曽我部:スライドは、先日発表した日清製粉ウェルナさまとの取り組みです。

需給管理自動化システムは、電力とは関係なく、お客さまの需要に対して生産計画をどのように考えたらよいかという需給計画(製造計画)を立案し、その後、お客さまのサプライチェーンの中で工場や倉庫間の荷物移動に関する在庫転送計画を自動的に立案する仕組みです。

もともと電力領域においては、需要に対してどのように発電機を動かせば良いかを立案する技術があります。その技術を応用し、お客さまの販売需要に合わせて、いつ、どの工場で、どのくらいの量を、どのように作ればよいのか、生産計画に近いものを立案します。さらに、工場から全国の物流倉庫への最適な配置、いわゆる在庫転送計画も同時に立案します。

先日、この取り組みに関するプレスリリースを日清製粉ウェルナさまと発表しました。すでにお客さまにもお使いいただいている仕組みです。

質疑応答:大手電力会社の開拓状況について

司会者:「大手電力会社の開拓状況を教えてください」というご質問です。

曽我部:電力会社に関しては、着実にお客さまが増えている状況です。お客さまの了承を得られなければ社名やプレスリリースは出せないため、お時間をいただきながら、徐々に出せるだろうと考えています。さまざまな電力会社からお話をいただき、新しい電力会社とのお取引も着実に増えています。

また、同じ会社の中でも、小売、発電、送配電など各部門が別立ての会社となるため、横展開でご紹介いただくことで新たな取引がどんどん増え始めています。その結果、クロスセル・アップセルは引き続き堅調に進んでいると理解しています。

質疑応答:上期実績の進捗について

司会者:「上期実績の進捗が悪く見えますが、何か理由はありますか?」というご質問です。

曽我部:今期の業績はおおむね計画どおりの着地を見せると思っていますが、収益認識基準によって上期に想定した売上が入らず、第3四半期に動いている状況です。

現時点では、全体として今期の売上および売上利益計画はしっかり達成できると考え、そのようにオペレーションを行っています。

上期は数字的に大変ご心配をおかけする結果となりましたが、通期見通しはしっかりと計画どおり果たすことができると考えています。

質疑応答:電力会社向けビジネスの状況について

司会者:「電力会社向けのビジネスに関して、既存顧客向けおよび新規顧客向けの状況についてもう少し具体的に教えてください」というご質問です。

曽我部:プレスリリース等が徐々に出てくると思われるため、個別の社名は控えますが、電力会社の中でも、最初は需給計画から入っています。それ以外にも、現在は発電部門の方々がさまざまな計画を行い、それぞれ新たなエンジン開発を行っている状況が続いています。

最近では小売部門や送配電部門の方々にもアクセスし始めており、電力会社のさまざまな計画の横展開や幅広いご支援を始めています。その結果、多くの電力会社からお引き合いをいただき、具体的なお話が始まり、エンジン開発やシステム開発まで進んでいるお客さまもいらっしゃいます。

今期に入り、新しい取り組みを限定的に始めているお客さまもますます増えてきています。日本には「旧一電」と呼ばれる大手電力会社が約10社ありますが、現在はその多くの企業とさまざまなプロジェクトを行っている状況です。

質疑応答:受注残で特に増えている分野の特徴について

司会者:「受注残で特に増えている分野など、特徴はありますか?」というご質問です。

曽我部:全体の売上構成の比率は、電力・エネルギー領域が50パーセント強を占めています。今期の着地では6割程度まで上がると見込んでおり、受注残の多くも電力・エネルギー領域のお客さまとなっています。

一方で、サプライチェーン領域に加え、最近取り組み始めた鉄道領域においても、新たなお客さまの開拓を適宜行っています。都市交通・スマートシティ領域でも、鉄道領域のお客さまとともに新たなチャレンジを始めているため、下期にはこれらの分野の受注残も徐々に増えていくと認識しています。

質疑応答:蓄電所ビジネスの進捗状況について

司会者:「蓄電所ビジネスの進捗状況を教えてください」というご質問です。

曽我部:現在、まさにさまざまな取り組みが進んでいます。今期の売上については、非常に限定的な金額が計上される見込みですが、来期以降は積極的にビジネスを展開していきたいと考えています。そのため、収益の実現は来期からどんどん始まっていく予定です。

プロジェクト自体はすぐに終わるものではなく、比較的長い時間をかけて開発していくため、売上や収益の実現は来期以降にご期待いただければ幸いです。

ただし、今期も一部限定的ではありますが、第3四半期から第4四半期にかけて収益が実現していくと考えています。

質疑応答:取引会社数の変化に関する開示の可否について

司会者:「電力会社の個社名は開示できないとしても、取引会社数の変化は開示できますか?」というご質問です。

曽我部:これまでに開示したのは四国電力と北海道電力等ですが、実際の取引会社数は大幅に増えている状況です。具体的な数はなかなかお伝えしづらいものの、全体の半分以上とすでにお取引が始まっていると思っていただければと思います。

質疑応答:電力関連ビジネスの課題について

司会者:「電力関連ビジネスの課題があれば教えてください」というご質問です。

曽我部:比較的難しい問題を解いている、という感覚があります。開発には非常に時間がかかるため、お客さまが望むアウトプットを出せるエンジンを、いかに効率的かつ短い時間で作るにはどうしたらいいのかという問題に、メンバー一同、取り組んでいます。

開発期間がさらに短くなれば、お客さまに提供できるリードタイムもますます短くなります。このような点が課題の1つであると従前から考えていたため、組織をあげて取り組んでいる状況です。

質疑応答:クロスセル・アップセルが特に増えている事業分野について

司会者:「クロスセル・アップセルが特に増えている事業分野はどこですか?」というご質問です。

曽我部:電力・エネルギー領域です。この領域には多様な計画が存在するため、1つの実績がお客さまからご評価いただけると、さらに別の計画についてもお話をいただける環境ができ始めています。

そのため、クロスセル・アップセルの大多数は電力・エネルギー領域の中から生まれているとご理解ください。

質疑応答:今後の従業員数の増加ペースについて

司会者:「今後の従業員数の増加ペースについて、どのようにお考えですか?」というご質問です。

曽我部:今期の従業員数は、120人から130人弱まで増やしたいと思っています。

今後も毎年40人から50人ほどは増員したいと思っているものの、「人数ありき」というよりも、我々のカルチャーにフィットし、ビジョンを一緒に追いかけながらパフォーマンスを発揮できるメンバーを厳選して採用する方針は変わりません。

もちろん、定量的な目標人数は掲げていきますが、それ以上に仲間として一緒に取り組んでいける方々にジョインしていただき、やっていきたいことを進めているため、比較的慎重に採用を進めながら人数を増やしている状況です。

今後は採用人数の加速も図らなければならないため、現在は100数十名の会社ですが、まずは早期に200人から300人まで増やし、会社としてできることをさらに増やしたいと思っています。

配信元: ログミーファイナンス

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