ここからは「一筋縄ではいかない」を基本としながら…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2024/12/27 11:03

◆ “ドル買い”“円売り”の両輪にて・・・ - 一時“158円台”到達


流動性が戻し切れない中、米10年債利回りは“5/2以来水準(→4.63%)”へと上昇しました。
新規失業保険申請件数が“2週続けて減少(21.9万件)”したことが主な要因ですが、「米利下げペース鈍化」を背景にした“ドル買い”がさらに意識されたからです。

一方で“利上げを急がない”姿勢を繰り返した前日の「植田日銀総裁発言」は、“円売り”となってドル円を押し上げています。
こうしてドル円は、NYタイム中盤にかけて“158円台(高値は158.085円)”に到達するに至っています。

その後は“好調”に終わった「米7年債入札」を背景に、米10年債利回りが“低下(→4.57%)”に転じる中、ドル円も“157.870円”へと押し下げられましたが、“下値はしっかり”という印象のまま、昨日の取引を終えています。

◆ 方向感としては“まだ上方向”と見るが・・・?


本日よりマーケットに欧州勢が戻って来ますので、ある程度の“流動性回帰”は見込まれるところです。
そうした中、“もう一段の利益確定売り(ポジション調整)”となるのか?、それとも“チャート上の節目(7/16高値:158.850円)”を窺うのか?は、極めて微妙といわざるを得ない・・・?

短期金融市場を見ると、「来年の米利下げ幅」は“2回(0.50%)弱”を織り込み始めているのが実状といえます。
そうなると“一段のドル買い”が進行してもおかしくないといえますが、ただここから先は「口先介入」を意識せざるを得ないだけに、どこまで“上値模索”を後押しできるか…?

“ドル買い”“円売り”に「安心感」が台頭しやすくなっていますので、方向性としては“まだ上方向”と考えるのが自然です。
ただ「一筋縄ではいかない」を基本としながら、回帰する欧州勢の動向を見極めたいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

159.092(+2σ)
159.000(大台)
上値5:158.850(7/16高値)
上値4:158.736(ピボット2ndレジスタンス)
上値3:158.623(7/17高値)
上値2:158.377(ピボット1stレジスタンス)
上値1:158.085(12/26高値)
前営業日終値:158.019(大台)
下値1:157.583(12/20~12/26の23.6%押し)
下値2:157.368(ピボット1stサポート)
下値3:157.273(12/20~12/26の38.2%押し)
下値4:157.076(12/26安値、12/20~12/26の50%押し)
下値5:156.967(12/25安値、12/17~12/26の23.6%押し、大台)
156.890(12/24安値)
156.771(12/20~12/26の61.8%押し、ピボット2ndサポート)
156.691(+1σ)

《10:50》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想