マイクロX線CT顕微鏡 “ApexXCT-150”を日産アークが国内初導入 大型サンプルの高解像かつ迅速な非破壊観察を実現

配信元:PR TIMES
投稿:2024/11/26 13:47
キヤノンマーケティングジャパン株式会社(代表取締役社長:足立正親、以下キヤノンMJ)は、国内独占販売契約を締結しているSigray(シグレイ)社(Sigray, Inc.、本社:アメリカ合衆国カリフォルニア州コンコード市、CEO:Dr. Wenbing Yun)製マイクロX線CT顕微鏡 “ApexXCT-150”が、国内で初めて株式会社日産アーク(代表取締役社長:浅見孝雄、以下日産アーク)に導入されたことをお知らせします。“ApexXCT-150”の導入により、日産アークによる全固体電池や半導体など大型サンプルの、高解像かつ迅速な非破壊観察の実現を支援します。



- 市場における非破壊観察のニーズと既存CT装置の懸念点

日産アークは、高度な分析と提案型の解析で、企業活動を支援しています。昨今、電気自動車用バッテリーとしても注目されている全固体電池や次世代半導体の需要増加に伴い、故障解析や研究開発における非破壊分析のニーズが高まっています。中でも10cm程度の全固体電池内部の微細な亀裂の観察や、数十センチ程度の半導体基板における微小な欠陥の観察など、より大型なサンプルの解析が求められるようになり、日産アークでは新規CT装置の導入を検討してきました。しかし、従来のCT装置では「解像度の不足」、「大きいサンプルの測定が困難」という課題がありました。
- マイクロX線CT顕微鏡 “ApexXCT-150”の導入理由

日産アークが“ApexXCT-150”の導入を決めた理由は、大きなサンプルでもサブミクロンの空間分解能で観察が可能であることでした。
一般的なCT装置では、0.5μmの分解能で撮像するためにはサンプルを1mm程度に小さくする必要がありました。しかし、“ApexXCT-150”は最大300mmφのサンプルまで0.5μm分解能(※)で観察することが可能です。そのため、全固体電池や半導体基板などを、非破壊でも高コントラスト、高空間分解能で観察することが可能となりました。
※ 最小ボクセルサイズとは異なる。
<日産アークさまからのコメント>
新規のX線CT装置の導入を計画していましたが、機種の選定にあたり2つ懸念がありました。ひとつは解像度、もう一つは平板のようなアスペクト比の高いサンプルへの対応です。これまでも放射光を利用した手法を含めさまざまなタイプのX線CTを活用してきましたが、ラボ用X線CTは測定がタイムリーにできる反面、今後のニーズも踏まえると解像度不足が否めないという実感がありました。また全固体電池については、実用化に向けこれまで以上にアスペクト比の大きな大型のセルが開発されています。このような平板上のサンプルをそのまま非破壊で内部観察できれば、お客さまの開発に大きく貢献できるのではという強い思いがありました。このような点を考慮し機種選定を進めている中で、今回の“ApexXCT-150”導入に至りました。
Sigray社製斜交型X線顕微鏡“ApexXCT-150”の測定事例
■全固体電池:従来装置(直交型X線CT)との比較
- 45mm×80mmの全固体電池セルを、従来の直交型ハイエンドCT装置と“ApexXCT-150”で測定した事例。S/N比の向上により、電池セルの各層が明瞭に区別できている。




■全固体電池:“ApexXCT-150”による3次元可視化と電極局所観察の観察
- 全固体電池を非破壊で高精細に3次元可視化画像解析を用いて定量化することが可能。
- 固体/固体界面の様子を明瞭に観察。




■半導体の画像
- 100mm×240mmの大形の基盤を、従来のSigray社製直交型CT装置と、“ApexXCT-150”にて測定した事例。S/N比の向上により、クラックが明瞭に可視化できている。また、測定時間も約15倍短縮できている。




〈日産アーク企業概要〉

■一般の方のお問い合わせ先:産業機器事業部 営業部 営業第三課 03-3740-3399(直通)
X線分析装置ホームページ
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