*13:58JST 為替週間見通し:ドルはもみ合いか、米インフレ持続も日銀追加利上げの思惑残る
【今週の概況】
「ドルはやや強含み、米利下げ終了予想でドル売り縮小
今週の米ドル・円はやや強含み。ウクライナ戦争を巡って欧米とロシアの対立が深まっていることから、リスク回避的な米ドル売り・円買いが一時活発となった。日本銀行による年内利上げの可能性が浮上したこともドル売りにつながり、11月20日に153円台前半まで米ドル安円高が進行した。ただ、米国の利下げは12月が最後になるとの見方は少なくないこと、ユーロ圏経済の停滞を受けて米ドル買い・ユーロ売りが優勢となったことから、リスク回避的な米ドル売り・円買いは一服した。
22日のニューヨーク外為市場で米ドル・円は154円20銭まで下落後、一時155円02銭まで上昇した。この日発表された米S&Pグローバル11月サービス業PMI速報値と同総合PMI速報値は市場予想を上回ったことから、リスク選好的な米ドル買い・円売りが活発となった。米国の主要株価指数は底堅い動きを見せたこともドル買い材料となった。米ドル・円は154円80銭でこの週の取引を終えた。米ドル・円の取引レンジ:153円29銭-155円89銭。
【来週の見通し】
■ドルはもみ合いか、米インフレ持続も日銀追加利上げの思惑残る
来週のドル・円はもみ合いか。米国のインフレ率は高止まりの状態が続いていること、米国経済の軟着陸が期待されていることから、連邦準備制度理事会(FRB)の追加利下げの後退を見込んだドル買い・円売りが強まる可能性がある。ただ、日本の為替介入が引き続き警戒されていること、日本銀行による12月追加利上げの可能性は残されていることから、リスク選好的な米ドル買い・円売りがただちに拡大する可能性は低いと予想される。直近発表の米国の消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)は市場予想を上回っており、パウエルFRB議長は今後の政策運営について、利下げを急がないスタンスを明確に示している。
FRBが政策判断の材料としているPCEコア価格指数の上昇率は9月時点で2%台後半を維持しており、10月も2%台後半となる可能性が高い。そのため、市場予想と一致してもインフレ持続を裏付ける材料になりやすい。12月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きが決定される可能性があろう。その際にはドル買いを強める可能性がある。
なお、円安進行阻止に向けた日本政府によるドル売り・円買い介入はドル・円が155円以上の水準で実施される可能性が高いとみられているが、市場参加者の間からは「直近におけるドル上昇ペースは急激とは言えない」との声が聞かれている。ただ、米ドル高円安が続いた場合、日本銀行による12月利上げ観測が強まり、ドル・円相場を圧迫する要因となり得る。
【米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨】(26日公表予定)
FRBは11月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を11月26日に公表する。この時は0.25ポイントの利下げを決定したが、利下げ継続の必要性を支持する意見が少なかった場合はドル買い要因になる。
【米10月コアPCE価格指数】(27日発表予定)
27日発表の米10月コアPCE価格指数は前年比+2.8%と、上昇率は前回の+2.7%を上回る見通し。想定通りなら緩和的な金融政策の後退を見込んだドル買いの手がかりとなる。
ドル・円の予想レンジ:153円00銭-156円50銭
<FA>
「ドルはやや強含み、米利下げ終了予想でドル売り縮小
今週の米ドル・円はやや強含み。ウクライナ戦争を巡って欧米とロシアの対立が深まっていることから、リスク回避的な米ドル売り・円買いが一時活発となった。日本銀行による年内利上げの可能性が浮上したこともドル売りにつながり、11月20日に153円台前半まで米ドル安円高が進行した。ただ、米国の利下げは12月が最後になるとの見方は少なくないこと、ユーロ圏経済の停滞を受けて米ドル買い・ユーロ売りが優勢となったことから、リスク回避的な米ドル売り・円買いは一服した。
22日のニューヨーク外為市場で米ドル・円は154円20銭まで下落後、一時155円02銭まで上昇した。この日発表された米S&Pグローバル11月サービス業PMI速報値と同総合PMI速報値は市場予想を上回ったことから、リスク選好的な米ドル買い・円売りが活発となった。米国の主要株価指数は底堅い動きを見せたこともドル買い材料となった。米ドル・円は154円80銭でこの週の取引を終えた。米ドル・円の取引レンジ:153円29銭-155円89銭。
【来週の見通し】
■ドルはもみ合いか、米インフレ持続も日銀追加利上げの思惑残る
来週のドル・円はもみ合いか。米国のインフレ率は高止まりの状態が続いていること、米国経済の軟着陸が期待されていることから、連邦準備制度理事会(FRB)の追加利下げの後退を見込んだドル買い・円売りが強まる可能性がある。ただ、日本の為替介入が引き続き警戒されていること、日本銀行による12月追加利上げの可能性は残されていることから、リスク選好的な米ドル買い・円売りがただちに拡大する可能性は低いと予想される。直近発表の米国の消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)は市場予想を上回っており、パウエルFRB議長は今後の政策運営について、利下げを急がないスタンスを明確に示している。
FRBが政策判断の材料としているPCEコア価格指数の上昇率は9月時点で2%台後半を維持しており、10月も2%台後半となる可能性が高い。そのため、市場予想と一致してもインフレ持続を裏付ける材料になりやすい。12月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きが決定される可能性があろう。その際にはドル買いを強める可能性がある。
なお、円安進行阻止に向けた日本政府によるドル売り・円買い介入はドル・円が155円以上の水準で実施される可能性が高いとみられているが、市場参加者の間からは「直近におけるドル上昇ペースは急激とは言えない」との声が聞かれている。ただ、米ドル高円安が続いた場合、日本銀行による12月利上げ観測が強まり、ドル・円相場を圧迫する要因となり得る。
【米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨】(26日公表予定)
FRBは11月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を11月26日に公表する。この時は0.25ポイントの利下げを決定したが、利下げ継続の必要性を支持する意見が少なかった場合はドル買い要因になる。
【米10月コアPCE価格指数】(27日発表予定)
27日発表の米10月コアPCE価格指数は前年比+2.8%と、上昇率は前回の+2.7%を上回る見通し。想定通りなら緩和的な金融政策の後退を見込んだドル買いの手がかりとなる。
ドル・円の予想レンジ:153円00銭-156円50銭
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