*14:05JST 極東貿易 Research Memo(5):3事業部門いずれも堅調に推移する見通し。新たな成長軌道へ乗る準備が整う
■極東貿易<8093>の今後の見通し
1. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の連結業績は、売上高は前期比4.2%増の45,500百万円、営業利益は同7.9%増の1,200百万円、経常利益は同0.9%増の1,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同3.7%増の1,200百万円を見込んでいる。
コロナ禍の影響から脱し、同社の売上高・利益は順調に回復してきたが、2025年3月期は売上高45,000百万円、営業利益1,200百万円の見通しで、過去最高の営業利益(2016年3月期1,203百万円)レベルの実現を目指している。3つの事業セグメント(産業設備関連部門、産業素材関連部門、機械部品関連部門)とも受注見通しは堅調に推移するものと思われ、事業環境によっては売上高・利益は上振れる可能性が高いと弊社は見ている。
2. 事業セグメント別見通し
(1) 産業設備関連部門
売上高は前期比4.1%増の12,825百万円、売上総利益は同7.9%増の3,330百万円と、増収増益の見込みである。産業インフラ関連事業では、基幹産業向け(鉄鋼、化学など)機器・設備事業は回復傾向が継続し、海外プラント向け機器事業も堅調に推移する見通しである。また、地震・振動計事業(地震計事業は2023年3月期より事業承継により連結子会社の日本システム工業で地震計の生産を開始)は売上伸長の見込みである。資源・計測関連事業では、風力発電向け鳥類調査用レーダーシステムや自動車向け計測・検査装置の受注が安定的に推移するとしている。
基幹事業である産業設備関連部門の業績は長らく低迷していたが、2023年3月期で底を打ったと見られる。同社でも産業インフラ関連事業及び資源・計測関連事業とも業績のプラス材料が多く、全体的に伸びていくと予想している。
(2) 産業素材関連部門
売上高は前期比7.6%増の14,160百万円、売上総利益は同6.9%増の2,100百万円と、おおむね堅調に推移する見込みである。機能素材関連事業においては、主力の自動車部品向け樹脂・塗料は米国市場を中心に底堅く推移する見通しである。中国における日系自動車部品メーカーなどの落ち込みにより、厳しい状況にあるため、それを補完する商圏(中国現地の新規取引先など)の開拓が急がれる。
成長分野の炭素繊維副資材は、航空機業界の復調により堅調に推移するとみている。炭素繊維の海外市場(特に北米・中国)は日本市場の数十倍と大きく、市場は現在主力の航空機市場から新市場(EV、風車ブレード、液体水素貯蔵用タンクなど)まで幅広く、高い成長が期待される。同社では、国内、欧米向け市場をターゲットに事業を積極的に展開し、2025年3月期以降の売上貢献を見込んでいる。生活・環境関連事業においては、食品向け資材は為替の影響を最小限に抑え、復調した需要により回復の見込みである。
(3) 機械部品関連部門
売上高は前期比1.8%増の18,515百万円、売上総利益は同2.6%増の4,170百万円と、好調が続く見込みである。精密ファスナー関連事業においては、産業機械向けは中国景気減速の影響の懸念があるものの、車両向けは米・東南アジア向けを中心に堅調に推移するとみている。また今後は、インド拠点を足場に市場開拓強化が課題となっている。特殊スプリング関連事業は、主力の自動車向けが低調のなか、海外や医療・コンビニ向けなど新市場開拓に注力している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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1. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の連結業績は、売上高は前期比4.2%増の45,500百万円、営業利益は同7.9%増の1,200百万円、経常利益は同0.9%増の1,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同3.7%増の1,200百万円を見込んでいる。
コロナ禍の影響から脱し、同社の売上高・利益は順調に回復してきたが、2025年3月期は売上高45,000百万円、営業利益1,200百万円の見通しで、過去最高の営業利益(2016年3月期1,203百万円)レベルの実現を目指している。3つの事業セグメント(産業設備関連部門、産業素材関連部門、機械部品関連部門)とも受注見通しは堅調に推移するものと思われ、事業環境によっては売上高・利益は上振れる可能性が高いと弊社は見ている。
2. 事業セグメント別見通し
(1) 産業設備関連部門
売上高は前期比4.1%増の12,825百万円、売上総利益は同7.9%増の3,330百万円と、増収増益の見込みである。産業インフラ関連事業では、基幹産業向け(鉄鋼、化学など)機器・設備事業は回復傾向が継続し、海外プラント向け機器事業も堅調に推移する見通しである。また、地震・振動計事業(地震計事業は2023年3月期より事業承継により連結子会社の日本システム工業で地震計の生産を開始)は売上伸長の見込みである。資源・計測関連事業では、風力発電向け鳥類調査用レーダーシステムや自動車向け計測・検査装置の受注が安定的に推移するとしている。
基幹事業である産業設備関連部門の業績は長らく低迷していたが、2023年3月期で底を打ったと見られる。同社でも産業インフラ関連事業及び資源・計測関連事業とも業績のプラス材料が多く、全体的に伸びていくと予想している。
(2) 産業素材関連部門
売上高は前期比7.6%増の14,160百万円、売上総利益は同6.9%増の2,100百万円と、おおむね堅調に推移する見込みである。機能素材関連事業においては、主力の自動車部品向け樹脂・塗料は米国市場を中心に底堅く推移する見通しである。中国における日系自動車部品メーカーなどの落ち込みにより、厳しい状況にあるため、それを補完する商圏(中国現地の新規取引先など)の開拓が急がれる。
成長分野の炭素繊維副資材は、航空機業界の復調により堅調に推移するとみている。炭素繊維の海外市場(特に北米・中国)は日本市場の数十倍と大きく、市場は現在主力の航空機市場から新市場(EV、風車ブレード、液体水素貯蔵用タンクなど)まで幅広く、高い成長が期待される。同社では、国内、欧米向け市場をターゲットに事業を積極的に展開し、2025年3月期以降の売上貢献を見込んでいる。生活・環境関連事業においては、食品向け資材は為替の影響を最小限に抑え、復調した需要により回復の見込みである。
(3) 機械部品関連部門
売上高は前期比1.8%増の18,515百万円、売上総利益は同2.6%増の4,170百万円と、好調が続く見込みである。精密ファスナー関連事業においては、産業機械向けは中国景気減速の影響の懸念があるものの、車両向けは米・東南アジア向けを中心に堅調に推移するとみている。また今後は、インド拠点を足場に市場開拓強化が課題となっている。特殊スプリング関連事業は、主力の自動車向けが低調のなか、海外や医療・コンビニ向けなど新市場開拓に注力している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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