*11:02JST GセブンHD Research Memo(2):業務スーパー事業が売上高、経常利益の過半を占める収益柱
■事業概要
G-7ホールディングス<7508>の事業セグメントは、車関連事業、業務スーパー事業、精肉事業、その他事業の4つで開示している。2025年3月期中間期の事業別構成比を見ると、業務スーパー事業が売上高の58.0%、経常利益の76.4%を占める主力事業となっている。また業務スーパー事業、精肉事業とその他事業に含まれるこだわり食品・プライベートブランド事業やミニスーパー事業、アグリ事業を加えると、売上高の7割強を食品小売事業で占めることになる。
1. 車関連事業
車関連事業は、「オートバックス」のフランチャイジーでカー用品販売、メンテナンスなどを展開する(株)G-7・オート・サービスを中心に、バイク用品の販売・メンテナンス店「バイクワールド」を運営する(株)G-7バイクワールド、マレーシアで「オートバックス」のフランチャイジー展開及び「バイクワールド」を運営するG7 RETAIL MALAYSIA SDN.BHD.、自動車輸出販売事業を手掛ける(株)G-7.CrownTradingの4社で構成されている。
売上構成比の7割強を占めるG-7・オート・サービスでは、オートバックス関連店舗を2024年9月末時点で国内76店舗(オートバックス69店舗、オートバックスエクスプレス7店舗)、マレーシア3店舗の合計79店舗展開している。国内の出店エリアは兵庫県、京都府、福井県、岡山県、広島県、千葉県、茨城県で、なかでも兵庫県で38店舗と全体の5割を占める。オートバックスグループ(国内597店舗、海外131店舗)のなかで最大規模のフランチャイジーとなっており、従業員1人当たりの生産性や売上総利益率、在庫回転率などを重視した店舗運営により、グループのなかでも高い収益性を維持している。また、「BPセンター」(鈑金・塗装)9店舗、新車・中古車買取販売の「スズキカーズ大阪」1店舗のほか、「オートバックス」等の店舗敷地内でアウトドア用品専門店「FIELD SEVEN」5店舗、フランチャイジー展開としてコインランドリーショップ「マンマチャオ」6店舗、たい焼専門店「やまや本舗」2店舗、洋菓子専門店「シャトレーゼ」2店舗を出店している。
売上構成比の1割弱を占める「バイクワールド」は、2024年9月末で国内15店舗、マレーシア5店舗の合計20店舗を展開しており、国内では資本業務提携先のバイク王&カンパニー<3377>とのコラボ出店も行っている。売上構成比の2割弱を占めるG-7.CrownTradingでは中古自動車の輸出販売を主に行っており、仕向け地別売上高ではマレーシアが約50%と主力販売先となっており、次いで中近東が1~2割を占めている。マレーシア子会社は、「バイクワールド」5店舗、「オートバックス」3店舗を運営しているが、売上規模はまだ数億円程度で軽微である。
2. 業務スーパー事業
業務スーパー事業は、「業務スーパー」をフランチャイジー展開する(株)G-7スーパーマートの事業となる。出店エリアは関東、中部、関西、九州、北海道で、2024年9月末の店舗数は211店舗と業務スーパーグループ(1,077店舗)のなかで最大規模である。地域別店舗数については、関東が88店舗(東京23、神奈川18、埼玉30、千葉17)と最も多く、次いで中部46店舗(愛知29、三重10、岐阜7)、関西34店舗(兵庫23、大阪11)、九州26店舗(福岡17、熊本7、長崎2)、北海道17店舗となっている。従業員1人当たりの生産性や在庫回転率を重視した店舗収益力を強みに店舗を拡大しており、ここ数年は関東や九州、北海道で店舗数を拡大してきたが、今後はこれらの地域に加えて中部地域でも積極的に出店を拡大する方針だ。
3. 精肉事業
精肉事業は、精肉小売店「お肉のてらばやし」を全国展開する(株)G-7ミートテラバヤシの事業となる。2015年の子会社化以降「業務スーパー」との同時出店戦略を推進し、店舗を拡大している。また、首都圏の飲食店や給食・惣菜事業者向けに卸販売を展開するアンデス食品事業部を有している(2020年にアンデス食品(株)を子会社化後、吸収合併)。
2024年9月末の店舗数は「お肉のてらばやし」が175店舗、アンデス食品が13店舗の合計188店舗となる。地域別店舗数は関東が71店舗と最も多く、次いで関西36店舗、中部34店舗、九州26店舗、北海道14店舗等となっている。「お肉のてらばやし」に関しては全体の約9割が「業務スーパー」や「めぐみの郷」の店舗内出店であり、グループシナジーを高めながら店舗拡大している。
4. その他事業
その他事業には、ミニスーパー「リコス」を運営する(株)G-7リコス・ストアズ、こだわり食品・プライベートブランド(以下、PB)事業を展開する(株)G7ジャパンフードサービス、農産物直売所「めぐみの郷」を運営する(株)G7アグリジャパン、女性向け健康体操教室「カーブス」のフランチャイズ展開や自転車販売店「トレジャーサイクル」等を運営する(株)G7リテールジャパンなどの事業が含まれる。2025年3月期中間期の売上構成比は、ミニスーパー事業が47%、こだわり食品・PB事業が36%と両事業で8割強を占める。
ミニスーパー「リコス」は東京都、神奈川県で展開しており、2024年9月末で58店舗(東京45店舗、神奈川13店舗)を出店している。1店舗当たり平均売上高は約1.8億円で「業務スーパー」の4割弱の水準となる。2020年4月にユニー(株)から株式を取得し子会社化した時点では73店舗あったが、巣ごもり需要の一巡で売上低迷が続いたこともあり、不採算店舗の整理を段階的に進めてきた。2023年4月以降は経営管理体制を刷新したことで、収益も徐々に改善しつつある。
こだわり食品・PB事業では、地域の名産品・特産品を発掘し百貨店や専門店、ECショップなどで販売しているほか、冷凍食品や加工食品等を中心に各種PB商品の開発・製造・販売を行っている。名産品・特産品については全国7千社超のメーカーから6万点以上の商品を仕入れている。また、2023年7月に酒類のインターネット通販を行う(有)ミツワ酒販を子会社化した。ミツワ酒販は楽天市場やYahoo!ショッピング、Amazon等に出店し、全国各地の地酒を販売している。ネットショッピングを運営するためのノウハウや商品企画力に強みを持つ。月商は10~20百万円と小さいが、ミツワ酒販の持つノウハウをグループで共有することで、シナジーをねらっている。
「めぐみの郷」については、2023年3月期に不採算となった中部、関東の店舗をすべて退店し、現在は関西で20店舗(兵庫17、大阪1、奈良2)、うち9店舗は「業務スーパー」内に出店している。生産者の委託販売方式を採用しており、販売額の約2割を手数料収入として売上高に計上している。このため、商品の廃棄ロスリスクもなく、安定した収益を獲得できるビジネスモデルとなっている。
そのほか、フランチャイジーとして女性向け健康体操教室「カーブス」を25店舗(神奈川県)、自転車販売店「トレジャーサイクル」を1店舗(兵庫県)出店しているほか、2024年6月にアウトレット店「RJ market」を1店舗出店するなど新業態にも挑戦している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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G-7ホールディングス<7508>の事業セグメントは、車関連事業、業務スーパー事業、精肉事業、その他事業の4つで開示している。2025年3月期中間期の事業別構成比を見ると、業務スーパー事業が売上高の58.0%、経常利益の76.4%を占める主力事業となっている。また業務スーパー事業、精肉事業とその他事業に含まれるこだわり食品・プライベートブランド事業やミニスーパー事業、アグリ事業を加えると、売上高の7割強を食品小売事業で占めることになる。
1. 車関連事業
車関連事業は、「オートバックス」のフランチャイジーでカー用品販売、メンテナンスなどを展開する(株)G-7・オート・サービスを中心に、バイク用品の販売・メンテナンス店「バイクワールド」を運営する(株)G-7バイクワールド、マレーシアで「オートバックス」のフランチャイジー展開及び「バイクワールド」を運営するG7 RETAIL MALAYSIA SDN.BHD.、自動車輸出販売事業を手掛ける(株)G-7.CrownTradingの4社で構成されている。
売上構成比の7割強を占めるG-7・オート・サービスでは、オートバックス関連店舗を2024年9月末時点で国内76店舗(オートバックス69店舗、オートバックスエクスプレス7店舗)、マレーシア3店舗の合計79店舗展開している。国内の出店エリアは兵庫県、京都府、福井県、岡山県、広島県、千葉県、茨城県で、なかでも兵庫県で38店舗と全体の5割を占める。オートバックスグループ(国内597店舗、海外131店舗)のなかで最大規模のフランチャイジーとなっており、従業員1人当たりの生産性や売上総利益率、在庫回転率などを重視した店舗運営により、グループのなかでも高い収益性を維持している。また、「BPセンター」(鈑金・塗装)9店舗、新車・中古車買取販売の「スズキカーズ大阪」1店舗のほか、「オートバックス」等の店舗敷地内でアウトドア用品専門店「FIELD SEVEN」5店舗、フランチャイジー展開としてコインランドリーショップ「マンマチャオ」6店舗、たい焼専門店「やまや本舗」2店舗、洋菓子専門店「シャトレーゼ」2店舗を出店している。
売上構成比の1割弱を占める「バイクワールド」は、2024年9月末で国内15店舗、マレーシア5店舗の合計20店舗を展開しており、国内では資本業務提携先のバイク王&カンパニー<3377>とのコラボ出店も行っている。売上構成比の2割弱を占めるG-7.CrownTradingでは中古自動車の輸出販売を主に行っており、仕向け地別売上高ではマレーシアが約50%と主力販売先となっており、次いで中近東が1~2割を占めている。マレーシア子会社は、「バイクワールド」5店舗、「オートバックス」3店舗を運営しているが、売上規模はまだ数億円程度で軽微である。
2. 業務スーパー事業
業務スーパー事業は、「業務スーパー」をフランチャイジー展開する(株)G-7スーパーマートの事業となる。出店エリアは関東、中部、関西、九州、北海道で、2024年9月末の店舗数は211店舗と業務スーパーグループ(1,077店舗)のなかで最大規模である。地域別店舗数については、関東が88店舗(東京23、神奈川18、埼玉30、千葉17)と最も多く、次いで中部46店舗(愛知29、三重10、岐阜7)、関西34店舗(兵庫23、大阪11)、九州26店舗(福岡17、熊本7、長崎2)、北海道17店舗となっている。従業員1人当たりの生産性や在庫回転率を重視した店舗収益力を強みに店舗を拡大しており、ここ数年は関東や九州、北海道で店舗数を拡大してきたが、今後はこれらの地域に加えて中部地域でも積極的に出店を拡大する方針だ。
3. 精肉事業
精肉事業は、精肉小売店「お肉のてらばやし」を全国展開する(株)G-7ミートテラバヤシの事業となる。2015年の子会社化以降「業務スーパー」との同時出店戦略を推進し、店舗を拡大している。また、首都圏の飲食店や給食・惣菜事業者向けに卸販売を展開するアンデス食品事業部を有している(2020年にアンデス食品(株)を子会社化後、吸収合併)。
2024年9月末の店舗数は「お肉のてらばやし」が175店舗、アンデス食品が13店舗の合計188店舗となる。地域別店舗数は関東が71店舗と最も多く、次いで関西36店舗、中部34店舗、九州26店舗、北海道14店舗等となっている。「お肉のてらばやし」に関しては全体の約9割が「業務スーパー」や「めぐみの郷」の店舗内出店であり、グループシナジーを高めながら店舗拡大している。
4. その他事業
その他事業には、ミニスーパー「リコス」を運営する(株)G-7リコス・ストアズ、こだわり食品・プライベートブランド(以下、PB)事業を展開する(株)G7ジャパンフードサービス、農産物直売所「めぐみの郷」を運営する(株)G7アグリジャパン、女性向け健康体操教室「カーブス」のフランチャイズ展開や自転車販売店「トレジャーサイクル」等を運営する(株)G7リテールジャパンなどの事業が含まれる。2025年3月期中間期の売上構成比は、ミニスーパー事業が47%、こだわり食品・PB事業が36%と両事業で8割強を占める。
ミニスーパー「リコス」は東京都、神奈川県で展開しており、2024年9月末で58店舗(東京45店舗、神奈川13店舗)を出店している。1店舗当たり平均売上高は約1.8億円で「業務スーパー」の4割弱の水準となる。2020年4月にユニー(株)から株式を取得し子会社化した時点では73店舗あったが、巣ごもり需要の一巡で売上低迷が続いたこともあり、不採算店舗の整理を段階的に進めてきた。2023年4月以降は経営管理体制を刷新したことで、収益も徐々に改善しつつある。
こだわり食品・PB事業では、地域の名産品・特産品を発掘し百貨店や専門店、ECショップなどで販売しているほか、冷凍食品や加工食品等を中心に各種PB商品の開発・製造・販売を行っている。名産品・特産品については全国7千社超のメーカーから6万点以上の商品を仕入れている。また、2023年7月に酒類のインターネット通販を行う(有)ミツワ酒販を子会社化した。ミツワ酒販は楽天市場やYahoo!ショッピング、Amazon等に出店し、全国各地の地酒を販売している。ネットショッピングを運営するためのノウハウや商品企画力に強みを持つ。月商は10~20百万円と小さいが、ミツワ酒販の持つノウハウをグループで共有することで、シナジーをねらっている。
「めぐみの郷」については、2023年3月期に不採算となった中部、関東の店舗をすべて退店し、現在は関西で20店舗(兵庫17、大阪1、奈良2)、うち9店舗は「業務スーパー」内に出店している。生産者の委託販売方式を採用しており、販売額の約2割を手数料収入として売上高に計上している。このため、商品の廃棄ロスリスクもなく、安定した収益を獲得できるビジネスモデルとなっている。
そのほか、フランチャイジーとして女性向け健康体操教室「カーブス」を25店舗(神奈川県)、自転車販売店「トレジャーサイクル」を1店舗(兵庫県)出店しているほか、2024年6月にアウトレット店「RJ market」を1店舗出店するなど新業態にも挑戦している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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