【QAあり】ルネサンス、上期は増収増益 スポーツオアシス「ツイストステッパー」等、家庭用運動機器の販売が計画を上回って推移

投稿:2024/11/14 13:00

目次

岡本利治氏(以下、岡本):代表取締役社長執行役員の岡本です。本日はお忙しい中、株式会社ルネサンスの決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。これより、2025年3月期中間期の決算についてご説明します。

それでは、目次に沿ってご説明します。

1.業績ハイライト

業績ハイライトです。スライドに記載のとおり、2024年3月31日付で、株式会社東急スポーツオアシス、現在の株式会社スポーツオアシス(以下、オアシス)の全株式を取得し、完全子会社化しました。これにより、当期決算への影響がありますので、ご承知おきください。

中間連結損益計算書

中間連結損益計算書の概要です。連結売上高は、前年同期比48.3パーセント増の313億6,700万円となりました。連結営業利益は8億7,400万円、連結経常利益は4億6,800万円、親会社株主に帰属する中間純利益は2億2,200万円となりました。

当中間連結会計期間においては、ルネサンス単体の各事業の売上がほぼ計画どおりに推移し、前年同期比6.8パーセント増収したことに加えて、オアシスの家庭用運動機器の通販事業である ホームフィットネス事業が、当初計画を上回って推移したことが増収の要因となっています。

営業利益に関しては、スライドに記載のとおり、水道光熱費が計画より下振れしたことに加えて、各店舗の修繕等の設備費やオアシスとの業務統合費用が一部下期にずれ込んだことで、原価・経費が計画を下回ったことが増益の要因となります。

経常利益に関しては、差益差損および支払利息による変動がありました。親会社株主に帰属する中間純利益に関しては、固定資産除却損などによる特別損失ならびに法人税等の影響によるものです。

中間連結営業利益増減要因(前期比)

スライドに記載のグラフは、前年同期からの営業利益の増減要因を比較しています。売上高については、ルネサンス単体において、昨年度にスポーツクラブを4店舗開設したことに加え、本年3月末にKSC金町を営業継承し、スポーツクラブの会員数が前年より増加したこと、さらに昨年7月にフィットネス、10月にジュニアスクールの会員価格を値上げしたことによる会員単価の上昇といった複数の要因があり、14億1,500万円増収しました。

原価・販管費については、新店4クラブとKSC金町の運営コスト増に加え、人的資本経営の取り組みの一環として、従業員の給与水準と人材確保のための採用基準を引き上げたことで、人件費は8億1,700万円増加しました。

水道光熱費は、クラブ数が増加したことで7,700万円増加しました。その他設備費は、各店舗の修繕、リニューアル投資等で、2億7,800万円増加しました。その他諸費用も店舗数増加の影響により6,800万円増加しました。

子会社の増収要因は、主にオアシスのホームフィットネス事業が計画を超過したことと、合併による業務統合費用が下期に一部ずれたことによるもので、4億3,500万円増益となりました。結果、営業利益は8億7,400万円となりました。

中間連結部門別売上高

部門別の売上高についてはスライドに記載のとおりで、全部門で増収しています。

中間連結貸借対照表

連結貸借対照表についてはスライドに記載のとおりです。

中間連結キャッシュフロー計算書

連結キャッシュフロー計算書についてはスライドに記載のとおりです。

スポーツクラブ事業

続いて、事業別の概況をご説明します。

スポーツクラブ事業においては、オアシスが100パーセント子会社となったことで、総合型スポーツクラブを中心とするオアシスの施設が32増加しました。今後、ルネサンスの法人会員プランやジュニアスイミングスクール等のノウハウを活用し、シナジー創出を目指していきます。

また、KSC金町を「スポーツクラブ ルネサンス KSC金町24」として引き継いだことで、スポーツクラブ事業の売上高は264億7,000万円と、前年同期比38パーセント増となりました。

スポーツクラブ事業 部門別会員数

こちらはスポーツクラブの部門別会員数となります。当連結決算により、オアシスのスポーツクラブ会員が8万5,933名増加しています。

フィットネス部門については、オアシスのフィットネス会員に加え、昨年度の新店4店舗分の会員数およびKSC金町の会員数が加わったことと、新規入会者数が堅調に推移したことで、前年同期比36.0パーセント増となりました。

スクール部門についてもフィットネス同様、オアシスとKSC金町および昨年の新店4施設の会員数が加わり、前年同期比18.4パーセント増となりました。オンライン会員も順調に増加しています。

結果、在籍会員数は前年同期比28.9パーセント増の50万3,852名と過去最高となりました。

スポーツクラブ事業 既存クラブ動向

こちらはルネサンス単体の既存クラブの動向について表したグラフで、前年同期実績との比較ができます。新規入会者数が前年同期には若干届かなかったものの、退会率が改善したことで、9月末の会員数は前年同期比0.4パーセント増となりました。また、価格改定による会員単価の上昇により、売上高は前年同期比4.1パーセント増となりました。

スポーツクラブ事業周辺ー BtoG (地域の健康づくり)

スポーツクラブ事業のノウハウを活かしたBtoG事業、いわゆる地域の健康づくり支援事業についてご説明します。

昨年に続き、地域課題解決に向けての健康づくりや、災害時の地域支援の体制づくり、また、学校水泳授業の受託など、スライドに記載したような自治体との取り組みを行った結果、売上高は11億8,000万円、前年同期比81.5パーセント増となりました。

スポーツクラブ事業周辺ー BtoB (企業・健康保険組合向け働く人の健康づくり)

スポーツクラブ事業のノウハウを活かしたBtoB事業、企業・健康保険組合に向けた働く人の健康づくり事業においても、オンラインレッスンサービス「RENAISSANCE Online Livestream」や、企業の健康経営を支援するオンライン配信サービス「スマートAction」を通じ、企業の顧客や従業員に向けた健康づくり施策のサポートを拡大してきました。

介護・医療周辺事業

介護・医療周辺事業においては、「スポーツクラブ ルネサンス 港南台24」の施設内に、訪問看護ステーション「ルネサンス リハビリステーション港南台」を開設しました。

これは、スポーツクラブの施設内に開設する2つ目のケースで、今後の開設加速に向けて、重要な取り組みと位置付けています。

また、下期には、10月と11月にリハビリ特化型デイサービス「元氣ジム」を2施設、新規開設しました。今後も、スポーツクラブ施設内への訪問看護ステーション開設と、「元氣ジム」の新規開設に力を入れていきます。

当社が自社開発した脳活性化メソッド、「シナプソロジー」を活用した認知症予防の取り組みについては、スライドに記載のとおり、認知症の方が自分らしく暮らせる共生の社会を目指し、当事者参画型開発を普及する、経済産業省の「オレンジイノベーション・プロジェクト」参画企業に採択されました。

今後も、自社開発の「シナプソロジー」や、理学療法士が開発した機能改善のノウハウを活かし、超高齢化社会が直面する課題解決に取り組んでいきます。

ホームフィットネス事業

オアシスが展開しているホームフィットネス事業についてです。売れ筋商品の「ツイストステッパー」のネット販売売上が計画を上回って推移したことと、「スタイリーボール」の卸売販売が好調となり、売上高は23億7,000万円となりました。今後は、ルネサンスが持つ介護リハビリのノウハウを活用した新たな商品開発にも取り組んでいきます。

第2四半期(中間期)及び第3四半期以降の新規出店

出店の実績等についてご説明します。当中間連結会計期間における新規出店と、第3四半期以降の新規出店については、スライドに記載のとおりです。

施設数(2024年9月末時点)

この結果、BEACH TOWN社・オアシスの施設を含め、9月末の国内施設数の合計は279施設となりました。海外のベトナム3施設を合わせると、グループ合計では282施設です。

2025年3月期 連結業績予想の修正・配当予想

最後に、2025年3月期の通期見通しをご説明します。11月8日に発表のとおり、2025年3月期の通期連結業績予想と配当予想については一部、予想数値を修正しました。

売上高は、各事業の売上推移をかんがみ5億円プラスし、635億円です。営業利益については、今後の水道光熱費の高騰に伴うコストの上昇影響や、下期にずれたオアシスとの統合費用等をかんがみ、当初予想どおり18億円です。また、経常利益ならびに親会社株主に帰属する当期純利益についても同様に、当初予想どおりに据え置いています。配当についても変更ありません。

岡本氏からのご挨拶

今回は、長期ビジョンならびに本年5月にお示しした中期経営計画の実現に向けた、スタートの年度として重要な決算でした。

引き続き、持続可能な成長を実現し、「生きがい創造企業」として、長期ビジョンに掲げた「人生100年時代を豊かにする健康のソリューションカンパニー」に、健康ビジネスにおけるリーディングカンパニーを目指し、社会に貢献できるように取り組んでいきます。

みなさま、引き続きご支援、ご協力のほどよろしくお願いします。本日はありがとうございました。

質疑応答:下期発生予定のPMI費用について

司会者:「今回、通期業績予想の売上高を上方修正した一方で、営業利益以下は据え置きとなっています。下期発生予定のオアシスとのPMI費用は、具体的にどの程度の規模になるのでしょうか? また、来年度以降の発生見込みについても教えてください」というご質問です。

安澤嘉丞氏:2024年度の下期に計画しているPMI費用については、今年度中に東急のブランドを外さなければいけないという契約になっています。そのため看板やサイン等のブランド変更費用が、概算で約3億円かかると見込んでいます。

また、来年度以降については、合併を機にルネサンスグループ全体でのユニフォームの刷新、会計・人事等の基幹システムの統合、また、会員管理システムを含めた営業システムの統合等で、こちらも概算で4億円から5億円を見込んでいます。

質疑応答:ルネサンス単体の業績と競合の影響について

司会者:「第2四半期累計期間の業績が好調だったのは、主にオアシスを子会社化した影響が大きいと思いますが、ルネサンス単体での業績はどのような進捗でしょうか? また、競合の影響などもあれば教えてください」というご質問です。

岡本:ルネサンス単体では、売上高が前年比で14億1,500万円増加しています。前年比では6.8パーセントほど増加しています。営業利益においても1億5,600万円ほど増加しています。

既存のルネサンスの入会が前年からは若干弱含みでしたが、退会率が改善しています。こちらはスライド11ページでお示ししたとおりです。会員数が0.4パーセント、実数にすると1,360人ほど増加しています。この数値は既存店だけですが、ルネサンス全体ではオンライン会員も含め、前年から7パーセントほど増加しています。会員単価も、380円ほど増加するかたちで現在推移しています。

競合の影響ですが、小型の24時間型ジムについて、全国で展開している中で、そのようなジムと競合しているクラブにまったく影響がないとは言いがたいですが、全体的には影響は軽微で、入会者の対象が異なると判断しています。

今期は、どちらかというと総合型の他社の特典に対して若干見劣りがあったというところも原因の1つと分析しています。ここから新春、春のキャンペーンに向け、しっかりと対策を練って対応していきたいと考えています。

質疑応答:ホームフィットネスの売上高について

司会者:「ホームフィットネスの売上高が伸びていますが、どのような要因があるのでしょうか? また下期の見通しについて教えてください」というご質問です。

岡本:オアシスのホームフィットネス事業の好調要因としては、販売している商品自体の企画製造を、我々フィットネスの専門会社が行っていることの安心感などが好評につながっているということが1つあります。

商品のターゲットは、運動の必要性を非常に理解しつつも、運動が苦手だったり、なかなか続かないという方です。そのような方でも、家事などの家庭生活を送りながら、この器具を使うことで運動ができます。そのような我々の提案が、好評要因の1つと思っています。

加えて、自社のオンラインショップをはじめ、主要ECサイトやテレビ通販など多様なチャネルで商品を販売しています。そのようなところが功を奏していると思っています。

好評の「ツイストステッパー」ですとか、「スタイリーボール」は今のところ好調であり、前年の売上が40億円弱だったので、今年はそれ以上の売上を期待しています。

質疑応答:リハビリステーションの出店について

司会者:「スポーツクラブの中にリハビリステーションを開業されていますが、通常の出店する場合の違いは何でしょうか? また今後は同様の形態で出店する方向性でしょうか?」というご質問です。

望月美佐緒氏(以下、望月):リハビリテーションを含む、介護・医療周辺の事業も、スポーツクラブの事業も、地域のみなさまの健康に貢献するという目的は同じです。

スポーツクラブの中にリハビリステーションを開業することにより、会員のみなさまに、私たちの事業を幅広く知っていただき、ご家族の方にご利用いただくこともできます。今後も、スポーツクラブの中でスペースがあれば、積極的に訪問看護ステーションを開設し、地域のみなさまの健康に貢献したいと思っています。

質疑応答:法人向けの事業について

司会者:「資料にありましたBtoB、法人向けの事業ですが、法人会員契約を結ぶ企業や、健康保険組合に向けた新たな入会プランを導入とあります。具体的にどのようなものでしょうか? また会員増加への継続性はありそうですか?」というご質問です。

望月:今まで法人や健保組合のみなさまには一律のマンスリー、もしくはワンデーというかたちの会員種別のみ提供していました。今回スポーツクラブがよりご利用しやすくなるように、「ジム&サウナお試し」のような低価格プランをご用意しました。

それにより、入会のハードルが低くなったこともあり、たくさんの方にご利用いただいています。このあとはスポーツクラブの良さを知って、継続していただけるように私どもも尽力し、しっかりと会員の増加につなげていきたいと思っています。

質疑応答:スポーツクラブの会費値上げと会員数の推移について

司会者「スポーツクラブの会費値上げと会員数の推移について、退会率が2.9パーセントに下がり、会員単価は4.3パーセント向上とありました。この背景をもう少し教えてください。一般的に値上げがあると会員数が減ってしまうように思いますが、どのような施策を打ったのでしょうか? またオアシスの値上げ見通しについても教えてください」というご質問です。

岡本:私から回答します。値上げしたのは昨年の7月と10月です。去年の退会率は、スライド内のグラフが示しているように、3.2パーセントまで増加しました。そこがある程度落ち着いた状態で今年を迎えており、そのような意味で退会率が元に戻ったというところです。

特に新しく入会した方の初期継続に効果があるオリエンテーション、スタジオプログラムやジムのフィットネススクールへの誘致。これらを全社の施策として取り組んできましたので、特に初期入会の方の定着が少し進んだと考えています。

オアシスの値上げについても、今後、状況を見ながら検討して、いいタイミングで実施できればと考えています。

質疑応答:オアシスのホームフィットネス事業の見通しについて

司会者:「オアシスのホームフィットネス事業の見通しについてです。ルネサンスの持つ介護リハビリや、会員基盤を活かすと伸びしろが大きいように思います。今後、中期的なホームフィットネスの戦略、ポテンシャルについて補足をお願いできますか?」というご質問です。

岡本:こちらは両社で情報を共有しながら、我々の介護リハビリのノウハウをどうやって商品化していくか、今検討している段階です。

ある程度形になったら、またお知らせしたいと思っています。

質疑応答:ルネサンスの競争環境について

司会者:「ルネサンスの競争環境について、先ほども少しありましたが『chocoZAP』(チョコザップ)やピラティスなどの店舗数が増えています。ルネサンスにとって競争環境は厳しくなっているのでしょうか? それともすみ分けができているのでしょうか? どう考えるとよいでしょうか?」というご質問です。

岡本:当社のクラブの近くにこのような店舗が増えていると、多少の影響はあると思っています。しかし、我々は施設の中にさまざまなアイテムを持っています。それによってご自分に合ったプログラムやアイテムを選びやすいという点がまず1つあります。

加えて、特に我々の大きな強みはプールを持っていることです。これからもこのような自分たちの強みを出していきたいと思います。

またもう1つ大きな違いは、お子さまも含めたスイミング等のスクール事業があることです。我々はオールジェネレーションに対して、カスタマージャーニーのタッチポイントの中で、それぞれに最適なプログラムを提供していく考え方です。

ピラティスなども導入できるところは随時導入していますので、提供しているプログラムで見劣りしないようなかたちで、進めていきたいと考えています。

配信元: ログミーファイナンス

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