*16:04JST 日本情報C Research Memo(4):仲介と管理を結ぶ一気通貫のサービスラインナップ体制などが強み
■日本情報クリエイト<4054>の事業概要
3. 同社の強み
同社の強みは、1) 全国の中小規模の不動産仲介・管理会社をターゲット顧客として、仲介と管理を結ぶ一気通貫のサービスラインナップ体制を構築していること、2) 全国30拠点(2024年6月期末時点)の営業ネットワークによって地域密着型のきめ細かいコンサルティングとサポートを実現していること、3) 無償の不動産業者間物件流通サービス「不動産BB」及び「リアプロ仲介」によって新規顧客開拓・顧客基盤拡大を推進し、顧客との接点を強化したうえで「賃貸革命」などの有償サービスへのクロスセル・アップセルによって売上拡大を図るフリーミアム戦略を基本としていること、4) 低い解約率やストック売上の積み上げによって高い利益率や安定した財務基盤を実現していることである。
フリーミアム戦略の顧客基盤となる業者間物件流通サービス(無償)の顧客数の推移(2023年6月期より「不動産BB」と「リアプロ仲介」の合計)は次のとおりである。2024年6月期末の顧客数は2023年6月期末比6,182事業所増の49,199事業所となった。フリーミアム戦略によって顧客基盤が拡大基調である。また月額有償サービスの利用顧客数(2023年6月期より「リアプロ管理」を含む)は、2024年6月期末時点で2023年6月期末比470事業所増の6,320事業所となった。新サービス開発や営業体制強化などにより、拡大基調の顧客基盤に対して有償サービスへのクロスセル・アップセル戦略を加速させる方針だ。さらに、有償サービスの平均月次解約率(既存契約の月額課金額に占める解約に伴って減少した月額課金の割合)はおおむね0.5%前後で推移している。地域密着型のコンサルティングやサポートにより低い解約率を維持しており、解約率の低さは同社のサービスに対する顧客満足度の高さを示していると考えられる。
市場シェア拡大余地は大きい
4. リスク要因・収益特性と課題・対策
システム開発・情報サービス産業における一般的なリスク要因としては、景気変動などによる企業のDX投資抑制、市場競合の激化、不採算プロジェクト・品質不具合やシステム障害の発生、技術革新への対応遅れ、知的財産権、人材の確保・育成、協力会社・販売パートナーとの関係、法的規制などがある。
同社が事業展開する不動産仲介・管理領域では全国に12万を超える宅地建物取引事業者が存在するが、小規模事業者が多いため労働生産性が低く、IT・DXによる業務効率化が遅れている事業者が多いと考えられている。また毎年5,000社前後が廃業している一方で、宅地建物取引資格を取得するなどして新規開業する事業者が毎年6,000社前後あり、事業者の開業・廃業による入れ替わりが多い市場だが、結果的に法人事業者数で見た市場は緩やかに拡大基調となっている。そして、新規開業する事業者にはデジタルネイティブ世代と言われる若い経営者が多いため、DXを積極的に推進する傾向が強い。不動産関連市場におけるDX投資需要は拡大基調が予想され、同社にとってシェア拡大余地は大きいと弊社では見ている。
なお同社の業績の季節要因として、第3四半期(1~3月)の構成比が低く、第4四半期(4~6月)の構成比が高い傾向がある。これは、1~2月は不動産仲介・管理事業者にとって繁忙期であり、システム導入作業を4月以降に行う傾向が強いためである。ただし同社のストック売上が拡大基調であることに変化はない。また、同社の顧客は中小規模の不動産仲介・管理会社(大手FCチェーンへの個々の加盟店を含む)であり、有償サービスが月額1百万円未満の顧客が大半を占めている。このため特定顧客への依存リスクは小さい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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3. 同社の強み
同社の強みは、1) 全国の中小規模の不動産仲介・管理会社をターゲット顧客として、仲介と管理を結ぶ一気通貫のサービスラインナップ体制を構築していること、2) 全国30拠点(2024年6月期末時点)の営業ネットワークによって地域密着型のきめ細かいコンサルティングとサポートを実現していること、3) 無償の不動産業者間物件流通サービス「不動産BB」及び「リアプロ仲介」によって新規顧客開拓・顧客基盤拡大を推進し、顧客との接点を強化したうえで「賃貸革命」などの有償サービスへのクロスセル・アップセルによって売上拡大を図るフリーミアム戦略を基本としていること、4) 低い解約率やストック売上の積み上げによって高い利益率や安定した財務基盤を実現していることである。
フリーミアム戦略の顧客基盤となる業者間物件流通サービス(無償)の顧客数の推移(2023年6月期より「不動産BB」と「リアプロ仲介」の合計)は次のとおりである。2024年6月期末の顧客数は2023年6月期末比6,182事業所増の49,199事業所となった。フリーミアム戦略によって顧客基盤が拡大基調である。また月額有償サービスの利用顧客数(2023年6月期より「リアプロ管理」を含む)は、2024年6月期末時点で2023年6月期末比470事業所増の6,320事業所となった。新サービス開発や営業体制強化などにより、拡大基調の顧客基盤に対して有償サービスへのクロスセル・アップセル戦略を加速させる方針だ。さらに、有償サービスの平均月次解約率(既存契約の月額課金額に占める解約に伴って減少した月額課金の割合)はおおむね0.5%前後で推移している。地域密着型のコンサルティングやサポートにより低い解約率を維持しており、解約率の低さは同社のサービスに対する顧客満足度の高さを示していると考えられる。
市場シェア拡大余地は大きい
4. リスク要因・収益特性と課題・対策
システム開発・情報サービス産業における一般的なリスク要因としては、景気変動などによる企業のDX投資抑制、市場競合の激化、不採算プロジェクト・品質不具合やシステム障害の発生、技術革新への対応遅れ、知的財産権、人材の確保・育成、協力会社・販売パートナーとの関係、法的規制などがある。
同社が事業展開する不動産仲介・管理領域では全国に12万を超える宅地建物取引事業者が存在するが、小規模事業者が多いため労働生産性が低く、IT・DXによる業務効率化が遅れている事業者が多いと考えられている。また毎年5,000社前後が廃業している一方で、宅地建物取引資格を取得するなどして新規開業する事業者が毎年6,000社前後あり、事業者の開業・廃業による入れ替わりが多い市場だが、結果的に法人事業者数で見た市場は緩やかに拡大基調となっている。そして、新規開業する事業者にはデジタルネイティブ世代と言われる若い経営者が多いため、DXを積極的に推進する傾向が強い。不動産関連市場におけるDX投資需要は拡大基調が予想され、同社にとってシェア拡大余地は大きいと弊社では見ている。
なお同社の業績の季節要因として、第3四半期(1~3月)の構成比が低く、第4四半期(4~6月)の構成比が高い傾向がある。これは、1~2月は不動産仲介・管理事業者にとって繁忙期であり、システム導入作業を4月以降に行う傾向が強いためである。ただし同社のストック売上が拡大基調であることに変化はない。また、同社の顧客は中小規模の不動産仲介・管理会社(大手FCチェーンへの個々の加盟店を含む)であり、有償サービスが月額1百万円未満の顧客が大半を占めている。このため特定顧客への依存リスクは小さい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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