鉄道固有の知識を学習した「鉄道版生成AI」を開発します

配信元:PR TIMES
投稿:2024/10/08 20:47



1.「鉄道版生成AI」で目指す姿
 JR東日本では、グループ経営ビジョン「変革2027」実現のため、業務変革を通じて社員の仕事を高度化することを目指しています。
 これまでも各種デジタルツールの導入により業務のDXを進めてきましたが、「鉄道版生成AI」を開発し、社員の日常的な業務遂行を生成AIがサポートできるようにします。生み出された時間を活用して、新しい事業の開発や地域活性化、お客さまサービスの充実など、社員が人ならではの創造的な役割に注力できるようにしていきます。


2.「鉄道版生成AI」の活用例
 実現したい例として、お客さまからのお問合せへの回答をより迅速に行うことができるようになる、新入社員や鉄道経験年数の浅い社員の知識レベルの底上げに活用し、ベテラン社員が隣にいなくても生成AIから同等のアドバイスを受けられるようになることで、お客さまサービスの向上につなげていくことを想定しています。
 また、「鉄道版生成AI」がより専門的な情報を学ぶことで、設備や車両のメンテナンスや工事における注意点や過去の発生事象を例示して作業の安全性を高める、専門領域ではない鉄道業務の知識が必要になるような分野をまたがった調整を行う際に、他分野の社員に問合せをしなくても生成AIが分野をまたがった回答ができるようになるなど、人手をかけずにサステナブルに業務ができるようにしていきます。

 JR東日本は、生成AIを活用したサービスも開発しており、あわせて社員自身の生成AI活用スキルも高めていくなど、今後も継続して鉄道事業における生成AI活用を推進していきます。生成AIを活用していく領域、ヒトが守っていく領域を見極めながら、ヒトと生成AIが協業する世界を描いていきます。

3.開発スケジュール
 「鉄道版生成AI」には、鉄道事業を担う社員に求められる鉄道固有の知識を学習させます。3つのSTEPに分けて開発し、2027年度末の完成を目標として段階的に性能を高めていきます。ベースとなる大規模言語モデルは日本語で学習をしたモデルを採用し、既に日本語の大規模言語モデルをもつパートナーとの開発を進めています。

 開発したモデルは、社内の各業務で必要とされる知識レベルを備えていることなどを評価します。各STEPごとに正答率を評価し、「鉄道版生成AI」の性能を段階的に高めていきます。
 今後、鉄道事業における生成AI利活用の基盤として「鉄道版生成AI」を位置づけていく他、将来的には生成AIが社内システムと連携することも検討していきます。
 また、鉄道事業者で共通的に利用できる生成AIモデルの開発を目指し、他事業者においても利用可能な仕組みを検討するなど、日本の鉄道インフラ全体が将来にわたって安全かつサステナブルになることに貢献していきます。

【参考1】
1.学習させるデータの例


【参考2】
1.これまでの経緯

 JR東日本では、生成AIチャットツールを全社員が利用できるように展開しています。また、JR東日本独自の業務内容に回答できる生成AIシステムも内製で開発し、試使用を全社員に拡大しました。
 生成AIの活用を進めていく中で、鉄道事業の各種基準や規程類は、その量が膨大であるだけではなく、文章中に含まれる鉄道固有の表現や図表類を生成AIが理解できていないと高精度な情報を生成することができないことが分かってきました。そこで、これらの課題を解決するため、鉄道固有の知識を学習した「鉄道版生成AI」を開発することとしました。

2.関連するこれまでのプレス
・2023年9月29日発表 「DXによる価値創造の加速に向けた組織改正を行います」
 https://www.jreast.co.jp/press/2023/20230929_ho01.pdf
・2024年7月11日発表 「生成AIチャットの全社員展開及び生成AIの内製開発について」
 https://www.jreast.co.jp/press/2024/20240711_ho01.pdf
・2024年7月29日発表 「生成AIを活用した「訪日外国人向け旅行計画支援サービス」の実証実験を行います」
 https://www.jreast.co.jp/press/2024/20240729_ho02.pdf
・2024年9月2日発表 「運行情報の電話自動音声アシスタントの実証実験で生成 AI を活用します」
 https://www.jreast.co.jp/press/2024/20240902_ho02.pdf
配信元: PR TIMES

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