電算システムHD Research Memo(3):「情報サービス事業」と「収納代行サービス事業」を展開(2)

配信元:フィスコ
投稿:2024/09/13 16:03
*16:03JST 電算システムHD Research Memo(3):「情報サービス事業」と「収納代行サービス事業」を展開(2) ■電算システムホールディングス<4072>の会社概要

2. 事業概要(グループ会社)
(1) 電算システム
同社グループの中核事業会社であり、情報サービス事業と収納代行サービス事業の2つの事業を展開している。独立系企業であるため、メーカーに縛られることなく「ワンストップサービス」の提案を行っている。売上高の事業構成比は、情報サービス事業が売上の約6割、収納代行サービス事業が約4割となっている。

a) 情報サービス事業
情報サービス事業は、「SI・ソフト開発(Google事業含む)」「情報処理サービス(BPO)」「商品及び製品販売」の3つのサブセグメントに分かれている。このうちSI・ソフト開発は、顧客の注文に応じて業務システムやネットワークの構築、ソフトウェア開発等が主要業務であり、フロー型ビジネスに分類されるが、SI・ソフト開発のうち同社が近年注力しているクラウド関連サービスは、ストック型ビジネスの性格を有している。また、システム構築において、コンピュータ端末やネットワーク機器の販売なども行うが、その売上高は商品及び製品販売として計上される。さらに、オートオークション(中古車販売オークション)向けシステム開発なども手掛けている。

同社のクラウド関連サービスにはデジタルサイネージなど様々なものが含まれるが、Google関連サービスの売上高が多くを占めている。法人、教育機関向けのメールやカレンダーといったグループウェアをはじめ、データ分析や企業内ポータルサイトなど様々なGoogleソリューションを提供している。GIGAスクール構想を支援し、教室での学びも支援する教育リソースである「Google for Education」を活用した遠隔学習支援プログラムに参加した。足元ではGIGAスクール構想第2期について日本電気<6701>(以下、NEC)と連携し協業を開始した。また、2022年9月にはアマゾン ウェブ サービス「AWS Solution Provider」認定を取得したことで、独立系SIerとして、顧客要望に応じてAWS関連ソリューションも展開する。

情報処理サービスでは、同社の情報処理システムや情報処理技術を活用し役務・サービスを提供する。顧客データの管理や顧客データに基づき商品の受注・発送業務などを行うBPO業務においては、郵便物関連作業や百貨店のギフト通販のデータ処理・発注作業など、各企業の業務に応じて様々なBPOサービスを展開している。さらに、単体業務に留まらずバックオフィス業務、コールセンター業務、請求・入金管理業務などを一括受注している。なお、情報処理サービスはストック型収入の事業である。RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)においては、「BizRobo!」をはじめとするツールの提供により業務を自動化し、人手不足の課題解決に貢献している。また、請求書作成代行サービスが好調ななか、インボイス制度要件にも対応した請求書の電子化を実現する「DSKマルチインボイスサービス」を提供している。単純に電子化を行うだけではなく、従来の紙媒体での郵送はもちろんのこと、PDFデータの配信やメール送信、FAX送信等、請求先個々の要望に沿った請求書の発行が可能なほか、請求書の作成から請求先への配信までをトータルでサポートする強みがある。

b) 収納代行サービス事業
収納代行サービス事業には、「収納・集金代行サービス」「オンライン決済サービス」「送金サービス」「収納代行周辺サービス」「その他の収益」の5つのサブセグメントがある。

「収納・集金代行サービス」は、コンビニエンスストア等で支払いができる払込票サービスと銀行の口座振替のサービスであり、同事業の中核である。具体的には、コンビニ収納代行サービス(DSK後払いサービスは含まない)、ゆうちょ振替MT代行サービス、キャッシュレス決済サービス(PayPayやLINE Pay、銀行Payなど)、モバイル決済サービス「モバライ☆DSK」、口座振替サービスがある。

「オンライン決済サービス」には、クレジット決済サービスとコンビニペーパーレス決済サービスがある。コンビニペーパーレス決済では、消費者は払込票を使わずにコンビニエンスストア等の様々な決済窓口での支払いが可能で、同社の顧客企業は支払い案内を郵送する代わりに利用者である一般消費者にメールで送付する。2024年1月に開始した「PayLabo(ペイラボ)」では、多様な決済メニューをワンストップで提供する。

「送金サービス」では、国内送金・国際送金を展開していたが、2024年6月に「店頭対面型ウエスタンユニオン国際送金サービスWILL CALL」を終了した。企業文化の相違などにより事務手続きのコストがかさみ、協創メリットもなかったためである。国内送金(第2種資金移動業)は、日本国内の顧客への返金や送金業務を代行するサービスであり、イベントなどの中止に伴う返金作業でも利用されている。

「収納代行周辺サービス」は、「払込票」の支払い場所として、コンビニエンスストア・金融機関等だけでなく、スーパーやドラッグストア、各種売店などでも支払いができるサービスであり、「Biz@gent(ビズエージェント)」の名称で展開している。同社が契約店舗を開拓することで、同社の顧客企業と一般消費者双方の利便性を高めている。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

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配信元: フィスコ

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