*12:12JST ペイクラウドホールディングス:業績の2桁成長続く「独自Pay」のNo.1プレイヤー
ペイクラウドホールディングス<4015>は、バリューデザイン、クラウドポイント、アララを傘下に収める持株会社でキャッシュレスサービス事業が主力となっている。
キャッシュレスサービス事業(2024年8月期第3四半期累計の売上高全体に対して52%)では、バリューデザインがキャッシュレス決済とマーケティングを組み合わせた「独自Pay」を軸としたサービスを提供している。また、デジタルサイネージ関連事業(同36%)をクラウドポイント、ソリューション事業(同11%)をアララが展開。デジタルサイネージでは、クラウドポイントがリーディングカンパニーの1社として、企画プランニングや機器手配・設置、コンテンツの提案、配信管理や保守までワンストップでサービスを提供している。同社は、成長投資事業として、リカーリングによる成長を続けるキャッシュレスサービス事業、スポット売上比率の高いビジネスであるデジタルサイネージ関連事業の2事業を、また、安定収益事業として、解約率も低く安定的な収益を確保するソリューション事業を位置付けている。
「独自Pay」とは、キャッシュレスサービスを利用し、顧客が店舗の常連客向けに提供する特典や優遇サービスである。新規客の獲得に強みをもつ汎用決済(クレジットカードやコード決済など加盟店で利用できる決済手段)に対して、独自Payは特典等を通じた常連客の利用頻度向上に強みを持っている。プリペイド式である独自Payの場合、消費者がチャージをした段階で店舗へ前受金が入りキャッシュフローが改善するほか、汎用決済と比較して手数料負担が低い。同社の顧客店舗では、汎用決済が売上全体の20%に対して、独自Pay決済が20~40%を占めており、独自Pay決済比率は汎用決済よりも高い(現金比率)という。
8月12日に24年8月期第3四半期決算を発表しており、累計の売上高は前年同期比45.0%増の48.15億円、営業利益は同3.3倍の3.53億円に拡大した。2024年3月1日に純粋持株会社体制へ移行し、各事業会社が共通顧客基盤に対するアプローチを積極的に行うことで、顧客獲得を進めており、売上・利益が順調に伸びていることが確認された。キャッシュレスサービス事業の決済取扱高は3,367億円となり、累計店舗数(12.3万店舗)・累計エンドユーザー数(2.03億人)とともに堅調に拡大した。累計デジタルサイネージ設置面数も5.5万面と大手コンビニエンスストア店舗内メニューボード、オフィス、商業施設などを中心にデジタルサイネージの導入が進んだ。通期の売上高は前期比54.1%増の69億円、営業利益は同65.0%増の2.7億円と大幅増収増益見通し。
同社は、独自PayのNo.1プレイヤー(ペイクラウドホールディングス調べ)として基盤を拡大している。2018年以降、キャッシュレス決済市場は1.4倍に成長したのに対して、同社の決済取扱高は4.6倍と大幅に成長しており、独自Pay決済市場5.2兆円のうち同社グループの決済取扱高は約1.2兆円を占めているようだ。国内のキャッシュレス決済市場は2020年以降CAGR9.2%で成長することが想定されており、国内のキャッシュレス比率は政府予測の2025年40%という目標に対して今後も着実に上昇することが予測され、同社の追い風になろう。また、海外市場においてもキャッシュレスサービスを展開しており、インド市場ではデジタルギフト、タイ市場ではCRM・ポイントサービスを中心にサービスを提供し、インドでは9,871店舗、タイでは716店舗と着実に拡大している。ギフトカード市場は、世界で2030年に約2兆6,328億ドルの市場規模になり、2023年からCAGR14.2%で成長すると予測されている。現状の将来性は未知数で、同社の全体規模から見れば海外収益の額や規模はまだ軽微であるが、海外事業の今後の動向には注目しておきたい。
なお、同社では、⾧期的な収益を生む顧客基盤・サービス展開、決済×マーケティングの相乗効果などの強みを持つなか、クラウドポイントの顧客の中には大手コンビニエンスストアや大規模商業施設、大手ファーストフード・チェーンが名を連ねており、この顧客層はバリューデザインの顧客とも重なっている。クラウドポイントのサイネージをクロスセルでバリューデザインの既存・新規の顧客に売り込み、またクラウドポイントも独自 Payを追加で売り込む循環ができている。共通顧客基盤に対し、各事業会社が機動的に連携してアプローチしていく考えを明らかにしており、全ての事業の市場環境の成長が見込まれるなか、同社の成長も続いていきそうだ。
インベスタマーを増やすための株主優待が新設されるなど、IRも活発化している。なお、株主優待については、配当がスタートする場合、見直しとなる。
<NH>
キャッシュレスサービス事業(2024年8月期第3四半期累計の売上高全体に対して52%)では、バリューデザインがキャッシュレス決済とマーケティングを組み合わせた「独自Pay」を軸としたサービスを提供している。また、デジタルサイネージ関連事業(同36%)をクラウドポイント、ソリューション事業(同11%)をアララが展開。デジタルサイネージでは、クラウドポイントがリーディングカンパニーの1社として、企画プランニングや機器手配・設置、コンテンツの提案、配信管理や保守までワンストップでサービスを提供している。同社は、成長投資事業として、リカーリングによる成長を続けるキャッシュレスサービス事業、スポット売上比率の高いビジネスであるデジタルサイネージ関連事業の2事業を、また、安定収益事業として、解約率も低く安定的な収益を確保するソリューション事業を位置付けている。
「独自Pay」とは、キャッシュレスサービスを利用し、顧客が店舗の常連客向けに提供する特典や優遇サービスである。新規客の獲得に強みをもつ汎用決済(クレジットカードやコード決済など加盟店で利用できる決済手段)に対して、独自Payは特典等を通じた常連客の利用頻度向上に強みを持っている。プリペイド式である独自Payの場合、消費者がチャージをした段階で店舗へ前受金が入りキャッシュフローが改善するほか、汎用決済と比較して手数料負担が低い。同社の顧客店舗では、汎用決済が売上全体の20%に対して、独自Pay決済が20~40%を占めており、独自Pay決済比率は汎用決済よりも高い(現金比率)という。
8月12日に24年8月期第3四半期決算を発表しており、累計の売上高は前年同期比45.0%増の48.15億円、営業利益は同3.3倍の3.53億円に拡大した。2024年3月1日に純粋持株会社体制へ移行し、各事業会社が共通顧客基盤に対するアプローチを積極的に行うことで、顧客獲得を進めており、売上・利益が順調に伸びていることが確認された。キャッシュレスサービス事業の決済取扱高は3,367億円となり、累計店舗数(12.3万店舗)・累計エンドユーザー数(2.03億人)とともに堅調に拡大した。累計デジタルサイネージ設置面数も5.5万面と大手コンビニエンスストア店舗内メニューボード、オフィス、商業施設などを中心にデジタルサイネージの導入が進んだ。通期の売上高は前期比54.1%増の69億円、営業利益は同65.0%増の2.7億円と大幅増収増益見通し。
同社は、独自PayのNo.1プレイヤー(ペイクラウドホールディングス調べ)として基盤を拡大している。2018年以降、キャッシュレス決済市場は1.4倍に成長したのに対して、同社の決済取扱高は4.6倍と大幅に成長しており、独自Pay決済市場5.2兆円のうち同社グループの決済取扱高は約1.2兆円を占めているようだ。国内のキャッシュレス決済市場は2020年以降CAGR9.2%で成長することが想定されており、国内のキャッシュレス比率は政府予測の2025年40%という目標に対して今後も着実に上昇することが予測され、同社の追い風になろう。また、海外市場においてもキャッシュレスサービスを展開しており、インド市場ではデジタルギフト、タイ市場ではCRM・ポイントサービスを中心にサービスを提供し、インドでは9,871店舗、タイでは716店舗と着実に拡大している。ギフトカード市場は、世界で2030年に約2兆6,328億ドルの市場規模になり、2023年からCAGR14.2%で成長すると予測されている。現状の将来性は未知数で、同社の全体規模から見れば海外収益の額や規模はまだ軽微であるが、海外事業の今後の動向には注目しておきたい。
なお、同社では、⾧期的な収益を生む顧客基盤・サービス展開、決済×マーケティングの相乗効果などの強みを持つなか、クラウドポイントの顧客の中には大手コンビニエンスストアや大規模商業施設、大手ファーストフード・チェーンが名を連ねており、この顧客層はバリューデザインの顧客とも重なっている。クラウドポイントのサイネージをクロスセルでバリューデザインの既存・新規の顧客に売り込み、またクラウドポイントも独自 Payを追加で売り込む循環ができている。共通顧客基盤に対し、各事業会社が機動的に連携してアプローチしていく考えを明らかにしており、全ての事業の市場環境の成長が見込まれるなか、同社の成長も続いていきそうだ。
インベスタマーを増やすための株主優待が新設されるなど、IRも活発化している。なお、株主優待については、配当がスタートする場合、見直しとなる。
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