ECBの10月追加利下げ観測が後退!?
【注目ポイント】「1.10880ドル」を上抜けブレークするか否か
【シナリオ①】同レート超えなら、「1.11900ドル」付近までの上昇となりそう
【シナリオ②】同レートで上値抑制なら、「1.10000ドル」付近までの下押しも
【当面の“主戦場”(コアレンジ)】「1.10000~1.11900ドル」
先月26日に、直近高値となる「1.11987ドル」を付けた後、「上値抑制」→「下値切り下げ」の動きとなっていたユーロ/米ドル。昨日(12日)、ECB(欧中銀)理事会での声明文やラガルドECB総裁会見の内容を咀嚼(そしゃく)した市場参加者が「10月の追加利下げ観測が後退」と判断したことでユーロが小反発。足もとのユーロ/米ドルは、米ドルの弱気基調も相まって、約1カ月間における市場参加者の平均コストを示す21日MA(移動平均線)付近まで上昇する動きとなっています。
上図の各メルクマールをそれぞれ見ていくと、1) 21日および200日MAが横向きであること、2) 遅行スパンがローソク足の上方にあること、3) ローソク足が青色雲の上辺である先行1スパン付近にあること、4) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の上方で点灯していること、そして5) DMI(方向性指数)で-DI>+DIとなり、ADXが右肩下がりでの推移(上図青色点線丸印)になっていることから、現在のユーロ/米ドル・日足チャートは、下方硬直性を伴うレンジ相場を示すチャート形状であると判断します。
その他では、BB(ボリンジャーバンド)・±2σラインが収縮する“スクイーズ”になっていることを合わせて勘案すると、現在のユーロ/米ドルは相場の力を溜め込みつつ、今後の方向感を模索する状態(時間帯)と言えそうです。
そんな中、目先注目すべきポイントは・・・上述した21日MAをメドとする「1.10880ドル」(上図黄色矢印および黒色線)を上抜けブレークするか否か。
筆者が想定する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
この先、「1.10880ドル」を終値ベースで上抜けブレークした場合は、「基準線超え」→「もう一段の上値追い」となりそうです。当該ケースでは、「SARの買いサインへの転換」や「BB(ボリンジャーバンド)・+1σライン(≒1.11390ドル)超え」、また「-DI>+DIの乖離縮小」なども伴いながら、BB・+2σラインをメドとする「1.11900ドル」(上図Ⓐ赤色線)付近までの上昇となりそうです。
[シナリオ②]
一方で、「1.10880ドル」付近で上値を抑制された場合は、「上値抵抗圧力の強まり」→「下押し」となりそうです。当該ケースでは、「遅行スパンのローソク足への近接」や「SARの売りサイン継続」、また「-DI>+DIの乖離拡大」なども伴いながら、BB・-2σラインをメドとする「1.10000ドル」(上図Ⓑ水色線)付近までの下押しとなりそうです。ただし、現状では青色雲が厚い形状(=強い下値支持帯)となっていることから、下値余地は限定的となりそうです。
上記シナリオ①および②を概括すると、現下のユーロ/米ドルは下値しっかりの相場付きとなる中、当面※は「1.10000~1.11900ドル」を“主戦場”(コアレンジ)とする動きになりそうです。 (※ここでの「当面」は、1~2週間のスパンを想定しています。)
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