*14:05JST ロジザード Research Memo(5):2024年6月期も売上、最終利益共に過去最高を記録
■ロジザード<4391>の業績動向
1. 2024年6月期の業績概要
2024年6月期の業績は、売上高が前期比6.7%増の1,977百万円、営業利益が同32.8%増の346百万円、経常利益が同32.9%増の346百万円、当期純利益が同36.7%増の252百万円だった。主力のクラウドサービスをけん引役にすべてのサービスが増収増益と好調だった。これにより、売上高は24期連続の増収、最終利益は過去最高額を記録した。特に、営業利益以下の各利益はそろって2ケタ伸長と売上増加率を上回る急伸ぶりを見せ、営業利益率は前期比プラス3.4ポイントの17.5%まで高まった。収益性の高いクラウドサービスで順調に新規アカウントを積み上げたことに加えて、開発・導入サービス、機器販売サービスの粗利率が向上したことなどが寄与した格好だ。また、粗利率の上昇に加えて、中計のもとで人材投資、製品開発投資を積極化させつつもコストの伸びを適切な水準にコントロールしたことも利益の急伸に寄与した。
収益性の向上を背景に期初業績予想との比較では、売上総利益がプラス0.7%、営業利益がプラス4.5%、経常利益がプラス4.5%、当期純利益がプラス11.5%となった。各段階利益がそろって予想を上回って着地した格好だ。一方、売上高に関しては、97.7%の進捗率だった。クラウドサービスが想定通りの進捗だったほか、機器販売サービスが想定を上回る好調ぶりを見せたものの、開発・導入サービスの進捗が低調だったことが響いた。BtoB企業のシステムは要件が複雑で個別性も高いことなどから、受注や納品にかかるリードタイムが想定よりも長期化したことが要因だ。ただ、期末にかけて機能の標準化や提案の効率化などを推進したことにより、受注の効率化とリードタイムの短縮に成功している。2025年6月期以降は、旺盛な顧客ニーズに迅速に対応し、業績拡大スピードを加速する方針である。
サービスごとの業績は、主力のクラウドサービスの売上高が前期比7.0%増の1,564百万円、売上総利益が同7.8%増の933百万円だった。BtoB市場の顧客獲得に注力するという中計方針のもと、BtoB企業の新規獲得が順調に進んだ。加えて、従来のメイン顧客であるBtoC企業からの引き合いも好調だった。これにより、2024年6月期末時点のアカウント数は前期末比プラス144件の1,759件、MRRは同8.8%増の136百万円に拡大した。外部システムとの連携や製品機能の強化を継続して実施したことに加えて、オンライン・オフラインのプロモーション活動を積極的に実施したことなどによって、解約率を低い水準に抑えながら新規顧客を積み上げたことが業績の拡大に寄与した。
開発・導入サービスの売上高は前期比0.1%増の317百万円、売上総利益は同85.8%増の103百万円だった。BtoB案件において受注や納品にかかるリードタイムが想定より長引いたことを受け、期初予想に対する進捗率は予想を下回ったものの、BtoB案件は大型案件が多いことや、既存取引先からの継続案件も順調だったことなどを受けて前期比では増収を確保した。利益面に関しては、売上総利益率が前期比プラス15.0ポイントの32.5%に急伸した。期末にかけてBtoB案件のリードタイムを短縮したことを受け案件当たりの採算性が改善したほか、前期まで行っていたEOS対応が完了したことなども収益性の向上に寄与した。
機器販売サービスの売上高は前期比28.7%増の96百万円、売上総利益は同23.3%増の40百万円だった。従来の主力商材である専用プリンターやサプライ品の販売が好調だったことに加えて、マテハン機器などの大型機器の販売が好調だったことが業績を押し上げた。顧客企業の自動化に対するニーズが高まるなかで、高単価・高利益の大型機械に対する引き合いが好調だった格好だ。これにより、期初時点で減収想定だった同事業は一転、大幅増収で着地した。
また、中期経営計画で掲げる各種施策も着実に進捗が見られた。省力化を目的とした外部アプリとの連携やBtoBに特化した基幹システムとの連携を推進したほか、新人事制度の構築や社内組織体制の拡充などを推進した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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1. 2024年6月期の業績概要
2024年6月期の業績は、売上高が前期比6.7%増の1,977百万円、営業利益が同32.8%増の346百万円、経常利益が同32.9%増の346百万円、当期純利益が同36.7%増の252百万円だった。主力のクラウドサービスをけん引役にすべてのサービスが増収増益と好調だった。これにより、売上高は24期連続の増収、最終利益は過去最高額を記録した。特に、営業利益以下の各利益はそろって2ケタ伸長と売上増加率を上回る急伸ぶりを見せ、営業利益率は前期比プラス3.4ポイントの17.5%まで高まった。収益性の高いクラウドサービスで順調に新規アカウントを積み上げたことに加えて、開発・導入サービス、機器販売サービスの粗利率が向上したことなどが寄与した格好だ。また、粗利率の上昇に加えて、中計のもとで人材投資、製品開発投資を積極化させつつもコストの伸びを適切な水準にコントロールしたことも利益の急伸に寄与した。
収益性の向上を背景に期初業績予想との比較では、売上総利益がプラス0.7%、営業利益がプラス4.5%、経常利益がプラス4.5%、当期純利益がプラス11.5%となった。各段階利益がそろって予想を上回って着地した格好だ。一方、売上高に関しては、97.7%の進捗率だった。クラウドサービスが想定通りの進捗だったほか、機器販売サービスが想定を上回る好調ぶりを見せたものの、開発・導入サービスの進捗が低調だったことが響いた。BtoB企業のシステムは要件が複雑で個別性も高いことなどから、受注や納品にかかるリードタイムが想定よりも長期化したことが要因だ。ただ、期末にかけて機能の標準化や提案の効率化などを推進したことにより、受注の効率化とリードタイムの短縮に成功している。2025年6月期以降は、旺盛な顧客ニーズに迅速に対応し、業績拡大スピードを加速する方針である。
サービスごとの業績は、主力のクラウドサービスの売上高が前期比7.0%増の1,564百万円、売上総利益が同7.8%増の933百万円だった。BtoB市場の顧客獲得に注力するという中計方針のもと、BtoB企業の新規獲得が順調に進んだ。加えて、従来のメイン顧客であるBtoC企業からの引き合いも好調だった。これにより、2024年6月期末時点のアカウント数は前期末比プラス144件の1,759件、MRRは同8.8%増の136百万円に拡大した。外部システムとの連携や製品機能の強化を継続して実施したことに加えて、オンライン・オフラインのプロモーション活動を積極的に実施したことなどによって、解約率を低い水準に抑えながら新規顧客を積み上げたことが業績の拡大に寄与した。
開発・導入サービスの売上高は前期比0.1%増の317百万円、売上総利益は同85.8%増の103百万円だった。BtoB案件において受注や納品にかかるリードタイムが想定より長引いたことを受け、期初予想に対する進捗率は予想を下回ったものの、BtoB案件は大型案件が多いことや、既存取引先からの継続案件も順調だったことなどを受けて前期比では増収を確保した。利益面に関しては、売上総利益率が前期比プラス15.0ポイントの32.5%に急伸した。期末にかけてBtoB案件のリードタイムを短縮したことを受け案件当たりの採算性が改善したほか、前期まで行っていたEOS対応が完了したことなども収益性の向上に寄与した。
機器販売サービスの売上高は前期比28.7%増の96百万円、売上総利益は同23.3%増の40百万円だった。従来の主力商材である専用プリンターやサプライ品の販売が好調だったことに加えて、マテハン機器などの大型機器の販売が好調だったことが業績を押し上げた。顧客企業の自動化に対するニーズが高まるなかで、高単価・高利益の大型機械に対する引き合いが好調だった格好だ。これにより、期初時点で減収想定だった同事業は一転、大幅増収で着地した。
また、中期経営計画で掲げる各種施策も着実に進捗が見られた。省力化を目的とした外部アプリとの連携やBtoBに特化した基幹システムとの連携を推進したほか、新人事制度の構築や社内組織体制の拡充などを推進した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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