【IRアナリストレポート】レジル(176A)

著者:鈴木 行生
投稿:2024/07/10 10:39

~分散型エネルギーの新サービスを軸に拡大を目指す~

【ポイント】
・4月に上場したエネルギーサービス企業である。分散型エネルギーのプラットフォーム構築を目指している。マンションで、太陽光による再生可能エネルギーを蓄電池(バッテリー)に貯め、必要な時にバランスよく利用する。多くのマンションをつないで、AIを利用してネットワークとして制御していく。そのテクノロジーを強みとする。

・3つのセグメントで事業を展開し、①分散型エネルギー事業では、電力の共同購入に加えて、防災と脱炭素に取り組んでいる。②グリーンエネルギー事業は、電力の小売りで、再エネの供給比率を大きく高めている。③エネルギーDX事業は、システムとオペレーションのノウハウを、DXを通して提供し、エネルギー関連企業へ急速に伸びている。

・2年前から丹治社長のもとで、ビジネスモデルの一新をスタートさせ、その骨格を固めつつある。成長戦略として、1)分散型エネルギー事業で、マンションの一括受電の件数を伸ばし、シェアを高めていく方針である。この分野では、業界トップクラスであるが、防災サービスとカーボンニュートラルを図るレジルの技術が評価されて、デベロッパーとの連携が進展しよう。M&Aも逐次具体化してこよう。

・2)上場によって、信用は高まっており、自治体向けのサービス提供も本格的に立ち上がろう。3)電力サービス会社へのBPaaS(BPO+SaaS)を軸としたDX支援も、標準パッケージとしてマーケティングしていく。こうした新しい動きが、2年後から収益に貢献してこよう。財務基盤は安定しており、FCF(フリーキャッシュ・フロー)は十分稼げよう。

・2023年6月期は、6月への決算期変更で、15カ月決算であった。2024年6月期の会社計画は、売上高378億円、営業利益26億円であるが、3セグメントとも好調なので、計画を上回ってこよう。今2025年6月期も好調を持続し、営業利益で31億円は見込め、ピーク利益を更新しよう。

・今後の業績については、新ビジネスモデルの確立に向けた顧客獲得にかかっている。その布石は着々と進んでいるので、期待が持てる。業績の向上と共に、市場での評価は一段と高まってこよう。

目次
1.特色 一括受電サービスを提供
2.強み 電力エネルギーのサービスシステムを独自開発
3.中期経営方針 再生可能エネルギーを活用した防災型の新サービスを展開
4.当面の業績 電力調達コストの高騰を克服し、増益に転換
5.企業評価 新規事業の収益貢献に注目

レジル <176A>
企業レーティング
株価
(2024年7月9日)
1446円
時価総額 269億円
(18.66百万株)
PBR 3.42倍
ROE 24.6%
PER 13.9倍
配当利回り 2.1%
総資産 16645百万円
純資産 7725百万円
自己資本比率 46.2%
BPS 422.8円
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 税引利益 EPS 配当
2022.3 30990 1849 1714 1519 83.5 46.0
2023.6 48867 1636 1972 1344 73.9 22.0
2024.6(予) 38000 2800 2700 1900 104.3 30.0
2025.6(予) 41000 3100 3000 2100 112.5 30.0

(2024.3ベース)

(注)ROE、PER、配当利回りは直近予想ベース。2024年1月に1:50の株式分割を実施。2023.6期は決算期変更で15カ月決算。
 
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/rejiru202407.pdf

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配信元: みんかぶ株式コラム