【QAあり】GENDA第6回定時株主総会、国内外で積極的な新規出店、M&Aを推進、「世界一のエンタメ企業」を掲げ、さらなる飛躍へ
第6回定時株主総会
申真衣氏(以下、申):おはようございます。代表取締役社長の申真衣です。株主のみなさま、ご多用中のところご出席くださいまして、誠にありがとうございます。
開会に先立ち、一言お礼のご挨拶を申し上げます。当社は2023年7月28日に東京証券取引所グロース市場に上場させていただきました。上場に際して、株主のみなさまにはひとかたならぬご支援をいただき、役職員一同、厚くお礼申し上げます。
当株主総会では、当社定款の定めにより私が議長を務めさせていただきます。
それでは、ただいまより株式会社GENDA第6回定時株主総会を開会します。本総会の議事の運営については、議長である私の指示に従っていただきますよう、ご出席のみなさまのご理解とご協力のほど、よろしくお願いします。
また、株主さまからのご発言・ご質問等については、報告事項の報告および決議事項の説明ならびに事前質問に対する回答の終了後に一括してお受けしますので、ご了承賜りたく、よろしくお願いします。
なお、本日受付にて配布している資料に記載のとおり、招集通知の一部に誤りがありました。誠に申し訳ありません。訂正事項については、本年4月18日に当社Webサイトにも掲載しています。
本総会においては、定足数を必要とする本総会の決議事項の審議に必要な定足数を満たしていることをご報告します。
当社の監査の方法および結果については、お手元の招集ご通知53ページから54ページに記載のとおりであり、監査役会から適正かつ相当である旨の意見を頂戴していることをご報告します。
報告事項
本総会の報告事項は、当社Webサイトに掲載している第6回定時株主総会招集ご通知14ページから46ページおよび交付書面省略事項1ページから28ページに記載のとおりですが、その概要をスライドを用いてご説明します。
2024年1月期 通期業績
それでは、2024年1月期の業績についてご説明します。
売上高は556億円で前期比120.8パーセント、償却前営業利益は81億円で前期比129.1パーセント、営業利益は53億円で前期比126.5パーセント、経常利益は52億円で前期比130パーセント、のれん償却前当期純利益は43億円で前期比121.8パーセント、親会社株主に帰属する当期純利益は41億円で前期比119.5パーセントとなりました。
売上高および段階利益のすべてにおいて、前期を上回ることができています。
2024年1月期 通期業績
セグメントの業績についてご説明します。まず、エンタメ・プラットフォーム事業の業績は、売上高が540億円で前期比118パーセント、セグメント利益が79億円で前期比129.9パーセントとなり、前期から増収増益となりました。
次に、エンタメ・コンテンツ事業の業績は、売上高が23億円で前期比330パーセント、セグメント利益が400万円となり、前期から増収減益となりました。
2024年1月期 振り返り
2024年1月期の振り返りについてご説明します。初めに、エンタメ・プラットフォーム事業です。2024年1月期におけるエンタメ・プラットフォーム事業は、「アミューズメント」と「フード&ビバレッジ(F&B)」の2つの領域で構成されています。
アミューズメント ①積極的な新規出店
まず、当社グループの主力事業であるアミューズメントにおいては、積極的な新規出店を進めました。GiGO屋号のアミューズメント施設のほか、「推し活専門ショップ」「アミューズメントポーカールーム」といった新業態の店舗も含め、国内で15店舗の新規出店を行いました。
海外においては、米国で2店舗、中国で1店舗、計3店舗の新規出店を行い、国内外合わせて18店舗の新規出店を行いました。
アミューズメント ②ゲームセンターのロールアップM&A
上場後の下期においてはM&Aを推進し、その中でゲームセンターのロールアップM&Aを積極的に行いました。
2023年9月の「デジちゃいむ」の資産譲受を皮切りに、米国のKiddletonの完全子会社化、MAXIM HEROの固定資産等譲受、グローバルソリューションズ社からのミニロケ117ヶ所の資産譲受、スーパーノバの吸収分割、中国でのアミューズメント施設の経営権の獲得と、6件のM&Aを行いました。
アミューズメント Kiddleton
特に、米国のKiddletonは、スタッフの常駐しないゲームコーナーであるミニロケを圧倒的なスピードで出店しており、当社グループの成長の源泉となるだけでなく、当社グループのエンタメ・プラットフォームのグローバル展開にも寄与しています。
フード&ビバレッジ(F&B) ① F&Bプラットフォームの強化
次に、フード&ビバレッジについてご説明します。フード&ビバレッジにおいても、アミューズメント同様にM&Aを推進し、レモネードの製造・販売を手掛ける株式会社レモネード・レモニカと、「ヒルバレー」ブランドのポップコーンの企画・製造・販売を手掛ける日本ポップコーン株式会社を連結子会社としました。
2024年1月末時点では、株式会社レモネード・レモニカはフランチャイズを中心に国内53店舗、日本ポップコーン株式会社は国内3店舗を展開しています。
フード&ビバレッジ(F&B) ② 「エンタメとしての食」を具現化
「エンタメとしての食」を具現化するフード&ビバレッジにおいては、IPとのコラボ等にも注力し、大変多くのお客さまからのご支援を頂戴しました。
店舗数
エンタメ・プラットフォーム事業の振り返りの最後に、店舗数とミニロケ拠点数についてご説明します。
2024年1月末時点における当社グループの店舗数は、国内アミューズメント施設が262店舗、国内フード&ビバレッジの店舗が56店舗、海外アミューズメント施設が11店舗の合計329店舗となり、前期末から79店舗増加しました。
ミニロケ拠点数
2024年1月末時点のミニロケ拠点数は、国内で206箇所、海外で308箇所の合計514箇所となり、前期末から460箇所増加しました。
エンタメ・プラットフォーム数(店舗+ミニロケ)
以上の結果、2024年1月末時点の店舗とミニロケを合わせた当社グループのプラットフォームの拠点数は、843拠点にまで到達しています。
2024年1月期 振り返り
エンタメ・コンテンツ事業についてご説明します。エンタメ・コンテンツ事業は、「キャラクター・マーチャンダイジング」と「コンテンツ&プロモーション」の2つの領域で構成されています。
キャラクター・マーチャンダイジング ①バリューチェーンの垂直統合
まずは、キャラクター・マーチャンダイジングについてご説明します。キャラクター・マーチャンダイジングにおいてもM&Aを推進し、プライズの卸売事業を展開する株式会社アレスカンパニーと、プライズの企画や販売事業等を展開する株式会社フクヤホールディングスを連結子会社としました。
キャラクター・マーチャンダイジングは、当社グループの主力事業であるアミューズメントで重要な、プライズゲームにおけるプライズの企画・販売および卸売事業等を展開する領域です。これらのM&Aにより、アミューズメントのバリューチェーンの垂直統合が図れ、今後ますますシナジーを発現できると考えています。
キャラクター・マーチャンダイジング ② GiGOとフクヤホールディングスのコラボレーション
フクヤホールディングスは、オリジナルプライズやライセンスキャラクタープライズに関する企画等の強みを活かし、GiGOとコラボレーションした推し活専門ショップ「fanfancy+ with GiGO」を展開しています。
コンテンツ&プロモーション ①コンテンツ領域の強化
次に、コンテンツ&プロモーションについてご説明します。コンテンツ&プロモーションにおいてもM&Aを推進し、独立系映画配給会社のトップブランドであるギャガ株式会社が連結子会社となりました。
ギャガ株式会社のグループインによってコンテンツ領域の強化が図れ、映画業界のみならず、テレビ、出版、音楽業界とGENDAの強固な結びつきを構築できると考えています。
コンテンツ&プロモーション ②アミューズメント施設運営とのシナジーの創出
また、映像を軸とした「体験型コンテンツ」の企画・制作・販売を手掛ける株式会社ダイナモアミューズメントを連結子会社としました。株式会社ダイナモアミューズメントは、アミューズメント施設と親和性の高いVR等の体験型コンテンツに強みを持っており、今後ますますアミューズメントとのシナジーを創出できるものと考えています。
M&A及び資本取引
2024年1月期の振り返りの最後に、M&Aのトラックレコードについてご紹介します。2024年1月期はIPOがあったため、M&A活動が下期のみとなりましたが、2023年9月の「デジちゃいむ」の資産譲受から、2024年1月のフクヤホールディングスの株式取得までの13件のM&Aを実行しました。
連結子会社は新たに13社増え、2024年1月末における当社グループ傘下の連結子会社は19社となっています。以上が2024年1月期の振り返りです。
2024年2月より参画したグループ会社 ①ゲームセンターのロールアップM&A
2025年1月期の業績予想についてご説明します。まずは、すでに2月より当社グループに参画している会社についてご紹介します。いずれもエンタメ・プラットフォーム事業への参画であり、当社グループのエンタメ・プラットフォームがさらに拡大し、強固なものになっていきます。
1社目は、プレビ株式会社です。2024年3月末時点で日本国内にアミューズメント施設を47店舗、ミニロケを362箇所展開しており、旧セガエンタテインメント社の株式譲受以降で最大規模のゲームセンターのロールアップM&Aとなりました。
2024年2月より参画したグループ会社 ②事業領域の拡大
2社目は、株式会社シン・コーポレーションです。2024年3月末時点で、カラオケ施設を国内で369店舗展開しています。株式会社シン・コーポレーションの参画により、当社グループに「カラオケ」という新たな事業領域が加わりました。
ゲームセンターのロールアップ
本日時点で発表済みのM&Aについてもご紹介します。本日までに、有限会社サンダイの100パーセント株式取得と、株式会社アメックスの100パーセント株式取得を発表しています。
いずれもゲームセンターのロールアップM&Aとなり、有限会社サンダイはアミューズメント施設「スマイルステーション」を9店舗、ミニロケを192箇所、株式会社アメックスはアミューズメント施設「ゲームファンタジアン」を3店舗展開しています。
M&A及び資本取引トラックレコード「28件」
ご紹介したM&Aを含めて、IPO後は17件、創業からは28件のM&Aを行ってきました。
GENDAグループ概観
プレビ株式会社、株式会社シン・コーポレーション、有限会社サンダイ、株式会社アメックスの4社を加えた当社グループの組織図は、スライドに記載のとおりになる予定です。
2025年1月期 通期業績予想
最後に、2025年1月期の業績予想数値をご説明します。既存事業のオーガニックグロース、2024年1月期のM&Aの通期寄与、本日時点で公表済みのM&Aを踏まえ、スライドに記載のとおりです。
売上高は前期比179.5パーセントとなる1,000億円、償却前営業利益は前期比160.4パーセントとなる130億円、営業利益は前期比130.3パーセントとなる70億円、経常利益は前期比126.5パーセントとなる66億円、のれん償却前当期純利益は前期比123.8パーセントとなる54億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比102.9パーセントとなる43億円を見込んでいます。
以上で、第6期事業報告ならびに連結計算書類および当社の計算書類のご報告を終了します。
決議事項
第1号議案から第2号議案までの各議案を上程します。各議案の内容については、当社Webサイトに掲載の「第6回定時株主総会招集ご通知」の7ページから13ページ、および、本年4月23日に公表した「議決権行使会社ISSの反対推奨に対する当社見解に関するお知らせ」に記載のとおりですが、あらかじめご説明します。
第1号議案 定款一部変更の件
まず第1号議案「定款一部変更の件」です。当社および子会社の事業活動の現状に即し、事業内容の明確化を図るため、定款第2条に事業目的を追加するものです。
また、当社は予期しない感染症や自然災害等の大規模災害発生時のリスクの低減、社会のデジタル化の推進等を念頭に、株主総会開催方式の選択肢を拡充することが株主のみなさまの利益に資するものと考え、場所の定めのない株主総会を開催できるよう、定款第12条に第2項を新設します。
なお、現時点では場所の定めのない株主総会を実施する予定はありません。しかし、当社の場所の定めのない株主総会を実施する場合は、感染症拡大や天災地変が発生した時に限定して運用する想定です。
取締役会において、株主のみなさまの権利行使の保障を最優先とし、その必要性および妥当性について慎重に審議し決議するとともに、開催の背景および開催要項の詳細について、株主総会の招集に際してお知らせします。
第2号議案 取締役7名選任の件
続いて、第2号議案「取締役7名選任の件」です。本株主総会終結の時をもって取締役6名全員が任期満了となります。このうち1名は取締役を退任しますので、5名の再任と2名の新任取締役の合計7名を一括して選任したいと思います。
以上、第1号議案から第2号議案までの各議案を上程し、その内容をご説明しました。
事前質問
それでは、ここで、株主さまよりあらかじめいただいているご質問の中から、株主さまの関心が高いと思われるものについて、個別のご質問、動議、その他審議に関するご発言をお受けする前にお答えします。
質疑応答:GENDAグループのリブランド後の売上向上策について
「GENDAグループは地方のゲームセンターを買収、リブランドしているが、昨今ゲームセンターは赤字閉店が多いとニュースにもなっている。GENDAグループがリブランドした後の具体的な黒字転換策について教えてください」というご質問です。
本年4月23日の開示資料のとおり、これまでM&Aしたゲームセンターは全社で増収増益となっています。具体的な売上向上策としては、GiGO限定景品を含む景品ラインナップの拡充、プライズゲーム機の増加、運用マニュアル・DX施策の水平展開、GIGOブランドへの変更を含む外観改装などを実施しています。
また、購買力も強化されることからコスト削減が図れます。具体的には、ゲーム機や景品の調達コストの低減、機器修繕費や定期清掃費の低減、制服や景品袋等の備品代の低減などが挙げられます。
今後グループに入ってくるゲームセンターについても、同様の施策を実施することで、収益力向上に寄与できると考えています。
質疑応答:エクイティファイナンスを伴うM&Aについて
「今までは借入や手元現金によるM&Aが主であると理解しています。上場を機に、今後エクイティファイナンスを伴うM&Aを行っていくものと想定していますが、その場合の投資意思決定はデットファイナンス時と異なる基準で行うのでしょうか? また、EPSが低下するM&Aはしないと考えてよいでしょうか?」というご質問です。
投資の意思決定については、どのような調達手法で行うかは関係なく同一基準で行っていきます。エクイティファイナンスについては現時点で決まっているものはありませんが、2040年に世界一のエンタメ企業を目指すことは、エクイティなしで達成できる目標ではないと認識しています。
また、当社はキャッシュフローでのバリュエーションを最重視しているため、キャッシュアウトを伴わないのれん償却費の影響を除いた「のれん償却前1株当たり利益」である「Cash EPS」を重視しており、M&AにおいてはCash EPSが向上することを判断基準の前提としています。
そのため、どのような資金調達手段であっても、Cash EPSが向上するM&Aに努めていきます。
質疑応答:株主優待や配当の予定について
「株主優待や配当の予定はありますか?」というご質問です。
株主優待については、現時点で決まったことはありません。ただし、エンタメ・プラットフォーム事業はBtoCビジネスですので、株主優待はさまざまな観点で有効な手段だと認識しています。今回のご意見を含めて適切に検討します。
配当については、当社が現在創出しているキャッシュフローを株主のみなさまに今すぐ還元するよりも、事業に再投資することで将来的に株式価値をより高めるような、株主資本コストを上回る魅力的な事業投資の機会を数多く認識しているため、現時点では検討していません。
今後も当社は常に株主のみなさまの株式価値向上を実現するために、その時々で最適な資本配分を実施していくことを基本方針としています。
質疑応答と採決の進め方について
質疑応答および採決の進行方法についてです。まず、報告事項および決議事項に関する質問、ならびに動議を含めた審議に関するご発言をお受けし、その後、決議事項につき採決のみを取りたいと思います。また、議案の修正動議が提出された場合は、原案と一括審議の上、原案を先に採決します。以上の進行方法でご賛成の株主さまは拍手をお願いします。
(拍手)
ありがとうございます。過半数のご賛成を得ましたので、この方法で進めます。
質疑応答:片岡会長と申社長のエンタメの原体験について
質問者:この度は上場おめでとうございます。第2号議案に関連して、代表取締役である片岡会長と申社長のお二人のエンタメの原体験についてうかがいます。片岡さまはイオンファンタジー社にいらっしゃいましたが、もともとイオンという小売出身です。申さまは金融出身で、大学は双方とも経済学部ですので、経歴的にはエンタメ外の出身に見えます。
世界一のエンタメ企業を作ろうとしているお二人が、どのようなエンタメを通ってきたのか、どのようなエンタメが好きなのかを教えてください。
申:すごく個人的な話になりますが、私は3姉妹の真ん中で、小さな時から『リボン』や『なかよし』など、女児向けのエンタメコンテンツで育ちました。ゲームセンターとの関わりという意味では、中高生の頃はプリクラが非常にはやっていましたので、よく並んで撮りにいった思い出があります。
片岡尚氏(以下、片岡):取締役の片岡です。小さな頃から自分の作ったもので人が楽しんでいるのを見ることが大好きでした。
小学生の頃は自分が作った簡単なゲームが学年中でブームになり、上級生と下級生もそれで遊んでいました。自分が作った楽しいものでみんなが楽しんでいるのを見ることが自分にとって一番楽しいことだと気づいた最初の体験だと思います。
中学生になると、テーブルトークロールプレイングゲームのようなものに夢中になり、自分が世界観を作って、その世界観の中でみんなに遊んでもらいました。
大学生の時は、ちょうどジュリアナ東京などが流行っていた頃だったと思いますが、自分の企画したクラブのパーティで年上の社会人まで夢中で踊っていたことも楽しかったです。そのようなことが自分の中で一貫して楽しいと感じました。
学生時代に世界一のエンタメの会社を作りたいと本気で強く思い、日本中のエンタメの会社を調べた結果、当時30店舗ほどを運営していたイオンのアミューズメント事業部を見つけました。
まだ小さなアミューズメント事業部でしたが、ここに入り、これを世界中に広げていくことが、自分がこの世界で一番の会社を作るための第一歩としておもしろいのではないかと強く思いました。
イオングループに入社後、最初の2年間は希望が叶いませんでしたが、3年次から20年以上、一貫してエンタメの仕事をしています。
質疑応答:10年後、20年後のエンタメの世界について
質問者:先ほど「2040年に世界一のエンタメを目指す」とお話がありましたが、今後、特に日本では少子高齢化・人口減により、20年後にはどのような世界になっているかと不安があります。
今後、M&Aを繰り返していくと思いますが、新社長は、10年後、20年後の世界についてどのようなイメージを持ち、エンタメに対してどのような考えがあるのかを教えてください。
申:さかのぼると産業革命以降、人の働く時間はどんどん短くなってきていると思います。もともとは土日の休みがないところから、だんだん週休2日になり、今時分では週休3日のようなお話も出てきています。
その中で、ある人がどのような人であるかということは、一昔前だと、性別や年代などで表され、例えば「50代の男性」などがアイデンティティだったかもしれません。しかし近年では、どのようなエンタメが好きなのかがその人を語る中で一番大事なものになりつつあると思います。
それは余暇時間の増加が大きく関わっていると考えており、このトレンドは今後も続くと思っています。したがって、エンタメという市場はどんどん大きくなり、人に与える重要性がより増していくと考え、非常にポジティブに捉えています。
質疑応答:観光地への投資について
質問者:私は50歳くらいになり、ゲームセンター関係にはほとんど行くことがなくなりました。会場を見回しても、ここにいるのは株主ですので子どもはおらず、ゲームセンターに行く人はおそらくあまりいないと思います。行っても景品が取れないこともあり、正直なところあまりわくわくしません。
私としては、投資先として観光地をお勧めします。静岡県沼津市の「あわしまマリンパーク」はおそらく知っている方もいらっしゃると思います。ニュースにもなりましたが、閉園後、新しい社長が就任し、これからどうなっていくかとわくわくしているところです。
なぜニュースになったのかというと、特異なところがあり、市内全体に『ラブライブ!サンシャイン‼』というアニメのIPの力がかなり広まって数年が経っています。要点をまとめると、御社は今まではゲームセンターに注力していましたが、これからは大人が楽しめる観光地なども攻めてみてはいかがかと思います。
個人的なことですが、私は静岡県沼津市の「あわしまマリンパーク」と『ラブライブ!サンシャイン!!』というIPに関わったことによって、人生がかなり変わりました。新社長も同じようにおっしゃっていました。それほどの力があるところだと思いますので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
申:ご指摘ありがとうございます。『ラブライブ!サンシャイン!!』は当社のGiGOのお店でもたくさんコラボレーションしてきた非常に大切なパートナーの1つであり、今後も良い関係を続けていきたいと思っています。
質疑応答:取締役会の構成の考え方について
質問者:取締役会の構成についてです。社外取締役が2名ですが、一般的には全体の3分の1以上が1つのラインになるかと思います。一方で、いろいろな方が集まって社内で取締役として選任されているというような、GENDAという会社特有の個別の事情もあるかと思います。社外取締役などのボードメンバーについての基本的な考え方があれば教えてください。
申:経営はボード全体で行うものだと思いますので、多様なチームでさまざまな意見が出ることが大事だと考えています。その中で社外取締役のみなさまが果たしてくださる役割も大きく、これからも良い意見を頂戴できるような社外取締役のみなさまに、積極的に参加していただきたいと考えています。
質疑応答:営業利益率の低下の理由と今後の目標値について
質問者:営業利益率について、2025年1月期の予想は7パーセントで、2022年1月期は10.5パーセントと、3パーセント程度下がっています。この理由と今後の目標利益率等があれば教えてください。
渡邊太樹氏(以下、渡邊):取締役CFOの渡邊です。まず利益率の低下について、理由を2つ述べます。1つ目は、GENDAは主にゲームセンターのみを運営してきましたが、2月1日にカラオケのビジネスを買収することができ、ゲームセンターとカラオケという2つの大きな柱ができました。
カラオケは利益率だけを取った場合、ゲームセンターよりも低いものとなります。したがって、ゲームセンターとゲームセンターを比較した場合はそれほど利益率の低下はありませんが、ゲームセンターとカラオケを足して割り算した場合はやや下がるというのが1つ目の理由です。
もう1つは、当社は日本の会計基準を取っているため、営業利益にのれんの償却費がかかってきます。これはM&Aの会社としてどうしても起きてしまうことです。
のれんの償却費は、私どもとしてはキャッシュフローで経営していこうと思っているため、償却前の営業利益を株主のみなさまに強調しています。そのような観点でGAAPの営業利益だけを取ると、会社の数字をそのまま乗せた以上にのれん償却費が営業利益にヒットしてしまうため、利益率が低下します。
2つ目の目標値については、それぞれのビジネスで既存の営業利益をしっかり伸ばしていくことが1つのターゲットになっていますが、今後、さまざまな形態のエンターテインメント企業を買収したいと思っています。それぞれの事業で利益率は異なりますので、単一事業での目標値はありません。
ただし、利益率が低いからといって必ずしも買っていいというわけではありません。その会社がしっかりキャッシュフローを出している場合は、利益率が高かろうと低かろうと適切な買収価格が出てくると思っています。
そのようなものを下回ることができ、その会社のキャッシュフローを持って借り入れを行い、株主のみなさまからの拠出を極小化して株式の価値を上げていくことができる場合は、仮に利益率が低かったとしてもしっかりM&Aを実施していきたいと考えています。
質疑応答:海外進出の課題について
質問者:私は「BEMANI PRO LEAGUE」をきっかけに株主になりました。日本のすばらしいゲーム文化やアミューズメント文化を世界に広めてほしいという思いを持ち、世界に広げるという方針を掲げ、アミューズメントで上場しているところが御社でしたので、株主になることを決めました。
一方で、今日の株主総会の報告を聞くと、世界進出についての内容があまりなかったのではないかと思っています。個人的には、過去にイオンファンタジー社がベトナムに大きなお店を作って大躍進した時のようなビッグドリームを期待しています。もし世界に進出できない課題などがあれば教えてください。
申:当社は、現時点では米国、中国本土、台湾でお店を経営しています。どちらもがんばっていますが、その中では米国が一番大きな市場だと考えており、資本もエネルギーもそちらに注ぎ込んでいます。
現時点で、米国で300箇所を超える無人のゲームコーナーを展開しており、こちらをどんどん増やしていきたいと思っています。その過程では、より幅広いゲーム機を米国に届けることもできると思いますし、日本のいろいろな景品を米国で展開することもできるようになると考えています。
質疑応答:世界一のエンタメ企業の基準と2040年までの道のりについて
質問者:ふだんからスピーディな事業展開とIRの丁寧でロジカルな説明に非常に感銘を受けています。
「2040年にエンタメで世界一になる」とお話がありましたが、どのような指標で世界一を目指しているのかと、現時点の視界でかまいませんので、中長期的にどのようなハードルがあり、それについてどのように乗り越えようとしているのかを教えてください。
申:現時点の世界一のエンタメ企業といえば、やはりウォルト・ディズニー・カンパニーだと考えています。
どのような観点から世界一なのかと言いますと、客観的な数字としては売上、キャッシュフロー、時価総額です。ただし、ブランドとしても世界中の人から親しまれており、その名前を聞いただけで楽しい気持ちになれるところが大きな存在感としてあるのではないかと思っています。
当社の2040年までのパスについては、現時点で中期経営計画を出しているわけではありませんが、今までのような成長ペースをしっかり続けていくことが、そこへ一歩一歩近づいていくことになると考えています。
質疑応答:M&Aの詳細の開示とブランドの統一について
質問者:たくさんの会社を非常に上手にM&Aして成長しているところはすばらしいと思います。
一方で、M&Aはうまくいかないこともけっこうあると聞いています。そのようなことが発生した場合に対処する時の基準や、これまでにそのような実績があれば教えてください。会社によっては毎年株主総会で事業売却した会社のことを公表している会社もありますが、いかがでしょうか?
また、M&A後はこれからもブランドがどんどん増えていくのか、それともブランドをある程度統合していき、「GENDA◯◯」というかたちでブランド力をさらに高めるような考えがあるのかなどを教えてください。
申:1点目のPMIの状況については、4月23日に公表したM&A後のPMIの状況についての資料をご覧ください。現時点ではPMIが非常にうまくいっており、今後も直近でM&Aした案件について成果が出次第、詳細にご報告したいと考えています。
2点目のブランドの統一については、ここまでのゲームセンターのロールアップの中で、多くのお店はGIGOのブランドに転換しており、今後も大きくはそのような考え方で進めていきます。ただし、それがお客さまやステークホルダーにとって必ずしも最適ではないと判断した場合には、その限りではないと考えています。
質疑応答:今後の海外進出におけるターゲットについて
質問者:海外進出について、現在の米国・中国・台湾だけではまだ少ないと思います。2040年に世界一のエンタメ企業を目指すのであれば、今後、海外進出は避けて通れません。
差し支えのない範囲でターゲットの国・地域などがありましたら教えてください。また、インドに進出する予定はありますか?
申:現時点ではインドへの進出は決まっていません。次に進出する国についても、今お伝えできるものはありません。しかし、国数も徐々に増やしていきたいと思っています。力の入れ方という意味では、米国により大きな市場があると思いますので、力を注いでいきたいと考えています。
質疑応答:定款の変更内容について
質問者:定款の変更内容についてです。第2条に「ロボット、電子機器等」が追加されています。プライズゲーム関連だと想像していますが、具体的にどのようなものを想定されているのかを教えてください。
申:その箇所は、ゲーム機の開発について想定しています。
質疑応答:ポーカールームのFLIPSについて
質問者:私自身がポーカープレイヤーのため、FLIPSについて質問します。M&Aを成長戦略の柱にしているにもかかわらず、なぜここだけは新規事業として始めているのかを教えてください。
また、アミューズメントカジノは、本日4月26日から「JOPT」という大きな大会があり、広域トーナメントの連携で集客するかたちが一般的です。
一方、FLIPSは広域トーナメントのサテライトではなく、単一店舗でリングゲーム中心で集客を行おうとしています。1店舗ならば一緒に行っている世界のヨコサワさんのファンを集めるだけでよいと思いますが、今後の展開や拡大についてどのように考えているのかを教えてください。
申:1点目の新規事業について、「M&Aで成長していく前提があるから新規事業は行わない」ということではまったくありません。FLIPS以外にもいろいろな業態にチャレンジしていますので、それは今後も続けたいと思っています。
2点目のFLIPSの拡大の目安については、現時点で決まっているものはありません。
質疑応答:カラオケとゲームセンターのシナジーについて
質問者:カラオケの事業を買収しましたが、具体的にGiGOとどのような相乗効果を狙っているか、未来に市場でどのような姿が見られるのかについて、今の考えを教えてください。
申:カラオケとゲームセンターは、一緒に出店するメリットが大きくあると思っています。新規出店もそうですが、互いの既存店舗の中で「ゲームセンターだけ」「カラオケだけ」という店舗の面積の一部をどちらかに変えることにより、より効率的にお客さまに楽しんでいただける場所になる可能性があると考え、模索しています。
質疑応答:エンタメ業界におけるリスクとその対応について
質問者:オフェンスというよりはディフェンスに関してうかがいます。少し前にソーシャルゲームでコンプリートガチャ問題などがあったと思います。エンタメ業界におけるリスクとしてどのようなものがあるのかと、リスクに対する取り組みやコンプライアンスなども含め、現時点でどのようなことを行っているかを教えてください。
申:我々は店舗のビジネスを多く行っているため、また感染症などが流行すると非常に大きなリスクになると考えています。感染症に対して備えることは非常に難しいですが、一度通ってきた道ということもあり、我々としてもそのようなことがあればきちんと対応していけるのではないかと思っています。
もう1点は、エンタメ業界に限ることではありませんが、会社経営全般において金利上昇のリスクがあると考えています。その点については借入の期間を長くするなど、現時点でできることをきちんと対応しています。
質疑応答:業態拡大について
質問者:具体的なイメージとしてはラウンドワンが同じようなエンタメの括りになると思いますが、室内での遊戯の業態について、今後のターゲットに入っているのかどうか、率直な意見を教えてください。
申:エンタメでなんでも行っていきたいという意味で視野は広く持っていますが、現時点でラウンドワンのようなお店作りを企画しているということはありません。
質疑応答:ギャガ株式会社の新しいチャレンジについて
質問者:私はギャガ株式会社が好きで株主になりました。すばらしい映画配給会社だと思っています。当社の傘下に入ったことで資本が非常に増えますので、今後既存事業を強化しながら、新しいチャレンジの予定もあるのでしょうか? 映画監督や芸能の方ともつながっていると思いますので、さらに幅広く事業展開ができるのかを教えてください。
申:現時点で発表できることはありませんが、ギャガ株式会社をグループに迎えたことは、当社としてもとても喜ばしいことです。一緒に新しいエンターテインメントを作っていきたいと思っています。
質疑応答:米国におけるミニロケの状況について
質問者: 米国のミニロケ事業について、現地のエンドユーザーの受け止め方や稼働状況はどのように見ていますか?
申:米国のミニロケは2021年から開始していますが、非常にお客さまからの支持をいただいているという手応えを感じています。それを受けて急速に拠点数を増やしており、これからもしっかり増やしていきたいと考えています。
質疑応答:スポーツチームとのスポンサーシップについて
質問者:バスケットボールチームの「サンロッカーズ渋谷」やサッカーチームの「エリース東京FC」と御社はオフィシャルパートナーのような契約があると思います。その関係性の濃度について、例えば収益にどれだけ関わってくるのかという観点を片岡会長にうかがいたいです。
片岡:バスケットボールチームやサッカーチーム、eスポーツチームなどとは、主にゲームセンターの会社であるGENDA GiGO Entertainmentがスポンサーシップを結んでいます。
ご質問の趣旨はおそらく、どのくらい濃い関係なのかということだと思いますが、あくまでスポンサーとしてスポンサー料を払いながら、そこにGiGOのロゴを出していただくことが一義的にあります。
我々はそれにとどまるだけでなく、試合を見に行ったり、試合の勝ち負けに一喜一憂するようなかたちで、本当にグループみんなが応援しています。我々がスポンサーをしている各チームにも当社グループを大切にしていただいており、いろいろなコラボレーションを行っています。
したがって、広告宣伝というかたちではありますが、それを越えた連帯が生まれている状態です。
採決
申:それでは、第1号議案「定款一部変更の件」を採決します。本議案の内容は先ほどご説明したとおりです。本議案について、ご賛成の株主さまは拍手をお願いします。
(拍手)
ありがとうございました。事前に議決権行使によるご賛成を合わせ、本総会の議決権の3分の2以上にあたる賛成をもって、第1号議案は原案どおり承認可決されました。
次に第2号議案「取締役7名選任の件」を採決します。本議案の内容は先ほどご説明したとおりです。本議案について、ご賛成の株主さまは拍手をお願いします。
(拍手)
ありがとうございました。事前の議決権行使によるご賛成を合わせ、過半数のご賛成ですので、第2号議案は原案どおり承認可決されました。
以上をもちまして、本総会の議事はすべて終了しましたので、本総会を閉会します。ありがとうございました。
役員のご紹介
議事の終了後で誠に恐縮ですが、先ほど新たに選任された取締役を含め、本日出席の全役員を株主のみなさまにご紹介します。
本日をもって退任となりました、前取締役の和田です。
和田洋一:和田洋一です。本日をもちまして取締役会を去りますが、外に出てもずっと見守って応援していきたいと思っています。GENDAは爽やかで若い会社です。株主のみなさま、どうか今後とも変わらぬご支援のほど、よろしくお願いします。
申:本日新たに選任された、取締役の羽原です。
羽原康平氏:新任の羽原です。今後ともどうぞよろしくお願いします。
申:本日新たに選任された、取締役の嶋津です。
嶋津紀子氏:嶋津紀子です。どうぞよろしくお願いします。
申:取締役の片岡です。
片岡:片岡尚です。世界一のエンタメの会社を必ず作りますので、みなさま、末永く応援してください。よろしくお願いします。
申:取締役の佐藤です。
佐藤雄三氏:佐藤雄三です。よろしくお願いします。チーフコミュニケーションオフィサーと、コンテンツ&プロモーション事業の最高責任者を務めています。世界一のエンタメの会社を必ず実現します。よろしくお願いします。
申:取締役の渡邊です。
渡邊:取締役CFOの渡邊太樹です。よろしくお願いします。
申:取締役の野村です。
野村彩氏:社外取締役の野村彩です。今後ともどうぞよろしくお願いします。
申:監査役の井畑です。
井畑啓一氏:常勤監査役の井畑啓一です。よろしくお願いします。
申:監査役の板垣です。
板垣浩二氏:社外監査役の板垣です。どうぞよろしくお願いします。
申:監査役の松原です。
松原由佳氏:社外監査役の松原由佳です。よろしくお願いします。
申氏からのご挨拶
申:最後に私、申真衣です。本日はゴールデンウィーク前のお忙しい中、わざわざ時間を作って足を運んでくださりありがとうございます。私としても、ふだんなかなかお会いすることのない株主のみなさまと、このように直接お会いしてお話しさせていただくのはとても貴重な機会でもありますし、励まされる時間でもあります。
当社は来月で創業から6年となります。2040年に世界一のエンタメ企業になるその日まで、株主のみなさまと一緒に大きな夢を追いかけていきたいと思っています。これからもGENDAはどんどん成長していきますので、その成長をぜひ楽しみにしていただき、一緒に歩んでいただければと思っています。どうぞよろしくお願いします。
本日はご多用中のところご出席いただき、誠にありがとうございました。
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